悲しいくらい自由な空

最近毎日ジョギングしようって決めていたので、暗い気持ちになりながら外へ出て、走り出しました。

夕方、雲は綿のように波打って、その表面を光らせていました。
その雲を背景にして、黒いシルエットとなった鳥がまっすぐに飛んでいく。
なにものからも恣意的な介入を受けない、ただ慣性に従って、重力とのつりあいを保ちながら飛んでいく。その姿は、糸で引っ張ったように私の視線を西の空へと誘導していきました。
その鳥が時速何キロで飛んでいたのかはわかりませんが、たらたらとジョギングをしていた私はみるみるうちに置いていかれ、鳥は遂に梢の間に消えて見えなくなってしまいました。

自由を体現したような空の上には、悲しみそのものはないかもしれない。ただ、悲しみが悲しみになる前のもっと原初的な、さみしさとも根本を同じにするような感情がそこには広がっている気がします。


もらったお金は雨乃よるるの事業費または自己投資に使われるかもしれないし食費に消えるかもしれない