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悪魔に魂を売ってでも他者の書いた推しカプが拝みたかった人間が二年間かけてマーケティング活動に取り組んだ結果 #0

Pixiv投稿作品数が、4件→101件にまで増えました!(結果)

あらためまして、いりえです。

私は2019年3月24日に「寂銃」というカップリングにハマって以来、「どうにかして誰かの書いた/描いた推しカプを拝みたい…」「というか、なぜこのカップリングがバズらないのか?」など思いながら二年間をマーケティング活動に費やし、その過程で本も10冊ぐらい出し、そしてついにこの春、総勢8名によるアンソロジー刊行にまで至ることができました。

そこでこの記事では、私が今まで何を考えて行動に移してきたのか、またその過程で得られた素晴らしい出会いと得られた経験知について、じっくりとまとめていきたいと思います。

一人の人間が、公式でほぼ接点のないカップリングにハマり、冷静と狂気の狭間で過ごした二年間に関心のある方は、ぜひ面白がっていただけたら嬉しいです。

0.前提

0-1.寂銃にハマった経緯
これは「寂銃好きです!」と言われたら瞬間的に「あなたの寂銃はどこから?」と尋ねるぐらいに知りたいことなのですが…私自身は「朝起きたら、なぜか唐突に」と言うしかできないほど、唐突な目覚めでした。

ちなみに当時の私は、
・生まれて初めてアニメイトに行って※1「ヒプノシスマイク」のCDを出てるだけ買った
・勢いあまってヒプマイ専用アカウントを作った
・急に創作意欲が芽生えてきて、生まれて初めてPixivにヒプマイ二次創作BL小説をいくつかアップした※2
というような状態でした。ハマる下地はあったのかもしれませんが、まさかそこから二年間ハマり続けるカップリングになるとは…。

※1:今までいわゆるオタクコンテンツとは縁遠く、純然たる週刊少年ジャンプ読みをやっていました。友達についていってアニメイトに入ったことはあります。
※2:小説もロクに書いたことが無く、オリジナルBLの設定集とか会話文をひっそり書き溜めていたぐらいです。中1の時にフォレストで夢小説サイトをやっていたことをカウントしなければ…。

0-2.当時の状況

朝起きたら唐突に「寂銃、いいじゃん!」となった私が次に取った行動は、もちろん、Pixivでタグ検索することです。そう、この時点では、私は「読み手」でいる気満々だったのです。

検索結果は、4件でした。イラスト1作品、小説3作品。私は驚愕しました。

「え!?医者と警官のカップリングで、大義のために手を汚して身を投げ出す覚悟のある受けと、『身を削る意味を履き違えて身を滅ぼす民』を救わんとする攻めですが!!?共通の知人もいるのに!!??」

あまりにびっくりして、その衝撃のままに、「寂銃はいいぞ」と銘打ってその日のうちにPixivにひとつの小説をアップしました。

【寂銃】理想と現実の狭間で息継ぎしながらもがいてる寂雷と銃兎の話(前編)

そんなこんなで、私はこのカップリングの沼へ落ちていくことになったのです。

しかし、完全に「一人きり」でいた期間は、意外にもそう長くありませんでした。それはこの時期、非常に幸運だった二つの出会いがあったからです。

一つは、私が衝動のままに書き綴った上記の小説を目に留めてくださり、その後二年間にわたって仲良くさせていただくことになる神絵師sさんに出会えたこと。

そしてもう一つは、2019年4月28日に発行された「銃兎受けアンソロジー」の中に、寂銃のお話が掲載されており、入手した私が勢いのままにぶつけた感想をありがたく受け止めていただけたこと。

こうした貴重な出会いによって、私は「やっぱり寂銃っていいじゃん…♪」というメンタルを一切崩すことなく、推しカプを推す営みに専念していくことができたのです。
(初の同人誌即売会一般参加からサークル参加を決めるまでの経緯や、執筆にあたってのモチベーションなどについては後述しますね)

0-3.マーケティング活動を始めるその前に

さて、あなたは今、自分の中ではめちゃくちゃに萌えて最高にドキドキワクワクするのに世間にまだほとんど知られていないカップリングにハマったとします。一体あなたは次にどんな行動を取りますか?

答えは簡単で、「何を目標としたいのか、自らに問いかける」ことです。そうすれば自ずと、次に自分の取るべき行動が見えてくるので。
たとえば…

・大好きな絵師さんに、何としてでもこのカップリングのイラストを描いて欲しい!
→その方と仲良くなったりファンとして認知してもらったりして個別にリクエストを受け付けていただく、「エアスケブ」や「お題募集」というような時にリクエストする

・一人でハマっているのも寂しいから、友達とわいわい語り合いたい!
→友達にあの手この手で布教する、友達の推しトークを聞く代わりに自分の話も聞いてもらう、パンチの効いたオタク構文プレゼン資料をTwitterに載せる

・「マイナーカプにばかりハマってしまう自分」が好き
→Twitterで時折「〇×▲ってやっぱりマイナーだよねw」「いいんだけどなー人類には早すぎたかー」「作品数増えろ」など呟く。たまに誰かが乗ってきてくれても、「いやほんとそれなwww」の一言で終わらせ、しばらくしてから再び「マイナーカプにばかりハマってしまうw」などと言う

・書き手の少ないカップリングで自分が覇権を取りたい!
→まずは作品をいくつかPixivやTwitterに上げつつ、他の人が同じカップリングで書いたらエアリプで「嬉しいけどちょっと解釈違うな…いや嬉しいけどほんと複雑…」みたいなことを言って不穏な空気を漂わせる

(後半に行くにつれて私の性格の悪さが露呈してきました。反省)

などなど、「目標設定」によっては、何も「マーケティング活動」にのめり込む必要もないわけです。それでも私が一貫してマーケティングを行おうとしてきたのは、私のモチベーションでもある目標が、

「とにかく誰かの書いた推しカプをできるだけ大量に摂取したい!!!」

だったからです。

この動機をこれ以上「なぜ?」を突っ込んでも、あまり良い道ではなさそうなので割愛します。ただ、欲しかった。それだけなんです。
(いちおう補足すると、「良いものを知らしめたい!」という元々の気質だったり、ジャンプ3巻以内完結漫画愛好家(別名:打ち切り漫画愛好家)をやっていた経験なんかが関係しているとは思いますが…)

そして、そんな目標のために何をすれば良いか。複数の他者に推しカプの存在を「認知」させ、「興味・関心」を抱かせて既存の作品を読ませ、自ら生み手となって「行動」を起こさせる。これはやはり、「マーケティング理論」の出番であり、私の歩むべき道はここにあったんです。

少なくとも寂銃にハマり、初めてサークル参加を決意した時(2019年5月16日)から、私は常にどこかでこの「目標」を意識して行動してきました。

(同人未経験のくせにハマって2か月以内にサークル参加を決めたスピード感、今思うとブレーキ壊れてますね)

そんなわけで、これ以降の記事では

・マーケティング理論の実践
・Twitter運用
・Pixivへの投稿
・イベント参加
・その他に実践していること
・2年間で得られた気づき

などをまとめていきたいと思います。

繰り返しになりますが、これは私の「実体験」をありのままにまとめる記事にしていくつもりです。私は適当なことをそれっぽく言うのがすごく得意なのですが、ただの体験談として、これ以降の記事にもお付き合いいただけると嬉しいです。

Next→マーケティング理論の実践――AIDMAの法則、STP分析、近接カップリング調査など……2021年3月下旬公開予定!

(なんかすごい胡散臭い有料記事っぽい予告ですみません…当然ですが無料公開します)

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