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ニートの友好関係分析

僕はニートにしては友好関係に恵まれている方だと思う。
未だに「高校の部活の友達」「大学の学科の友達」「大学のサークルの友達」と遊ぶからである。
今回の記事では、ニートの周りに、どんな友達が集まってくるのかを分析してみたい。

① ニートを見下しているタイプの友人
ニートというダメ人間とつるんでいると、自分はマシな方なのだと安心する。
そういった需要は間違いなく存在するようだ。
実際に、僕は「〇〇が終わってる生活してると安心するわ~(笑)」と言われたことがある。
もしかしたら、この文章を読んで、「そんなものは本物の友達じゃない!今すぐ縁を切るべきだ!」と思われた方もいるかもしれない。
だが、僕だって無垢なピュアボーイではない。
人間、どこかしらに邪な気持ちや打算関係が存在していることは知っているものだ。
逆に、僕だってそういった感情を利用していると言えなくもない。
先ほどの「お前が終わってると安心する」というセリフを述べた友人は、なんなら一番仲がいい友人であるのだが、彼はよく車を出してくれたり、お金を多めに出してくれることが多い。
健全で望ましい関係……ではないかもしれないが、ある意味win-winとも言えるのだ。

② ニートをガチで心配してくれるタイプの友人
このタイプの人々は普段は普通に接してくれるものの、お酒が進んだりすると、「〇〇の将来が心配だよ」とか「そろそろ就職した方がいいんじゃないの?」と、僕のこれからについて心配のコメントをくれることが多い。
ありがたい、ありがたいのだが、こうして真面目に心配されると少し困ってしまう。
イジられたり、見下されたりしている方がよっぽどやりやすい。

③ ニートとの繋がりに価値を感じているタイプの友人
18世紀の富裕層の間では、庭に隠者を住まわせることが流行したそうだ。
奢侈な装飾品や美術品だけでは飽き足らず、自身の実力やセンスを誇示するために、生身の人間まで"飾る"ことにしたのである。
こういった人間の心理を実感することは、ニートをやっていると少なくはない。
例えば、僕の友人には医者や官僚など、エリートとの繋がりが多いヤツがいるのだが、どうやら僕は彼の「人脈コレクション」の一部であるようなのだ。
「おれはただのインテリじゃない。エリートからニートまで、高尚低俗に囚われない付き合いをしているぜ(オレってセンスいいでしょ?)」という虚栄心を満たすために、僕のようなやつとも遊んでくれるというわけである。
 
また、こうした「ニート≒非俗・隠者」という性質と、それを取り巻く成功者の自己顕示欲について考えてみると、このシステムを一番上手く活用しているのは、プロ奢られ屋氏かもしれない。
彼は自分に奢るために満たさなければならない条件をいくつか設けているが、それを確認してみると、「フォロワー5000人以上」「博士課程在籍or卒」など、一般人には達成することが難しい条件が設けられている。
すなわち、プロ奢氏に奢ったということ自体が、自身の"箔"を証明してくれるような仕組みになっているのである。

④ ニートをそのまま受け入れてくれるタイプの友人
このタイプは「おれ今ニートなんだよね」と述べても、「ああ、ニートね? 他の知り合いでもたまにいるわ」と、ニートという属性自体にそんなに興味を示さず、そのまま"素の自分"と遊んでくれるタイプである。
こういった人々は貴重だ。
もしこのようなタイプの友人がいるならば、大切にした方がいい。
ちなみに、こういった人々が多く存在しているのは、文化系のコミュニティだと思う。
僕は高校~大学までバンドサークルにいたが、そこにはダメ人間が多いので、ニートのようなアウトローも受け入れてくれる土壌が存在しているように感じたものだ。

それでは、分類をまとめてみると
① 見下し型
② 心配型
③ 箔付け型
④ 素の友人型
のどれかになるだろう。
とはいえ、Aくんは①タイプで、Bくんは②タイプ……というようなわけではなく、グラデーションとして存在すると言った方が正確だ。
「Aくんは、①が20%、②が40%、③が10%、④が30%だなあ」などと、相手の心理を分析してみるのも面白い。
 
そして、最後に。
ニートなのに、普通の社会人と遊んでいると、惨めにならないのかという疑問を抱く方もいると思う。
友人たちは昇進・結婚などとライフステージを進めているのに、自分は金無し・職無しのアラサー男性で、周囲に「働けニート!」とイジられる。
そうした友好関係でつらくならないのかと。
 
これは決して強がりではないのだが、僕はこれでいいと思っている。
働けとイジられる、これで充分にニートは役割を果たしているではないかと。
ニートはイジられることで、その相手を楽しませ、役に立ち、実は社会に貢献している。
(好きな芸人やアーティストを見て「明日も頑張ろう」と思う人は少なくないだろう)
自身の社会的役割の無さを嘆くニートは多いが、あなたは存在し、他者にイジられることによって、すでに役割を果たしている。
僕らは、充分に"はたらいて"いるのだ。

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