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日本ダービー2020 全頭血統考察

血統調査員のYRAです。

「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

 

今週ついに2017年生まれ7262頭の頂点が決まります。

ここへたどり着いた選ばれし18頭に敬意を表して、今年も全頭血統考察スタートです!
 


 
1枠1番 サトノインプレッサ 
父ディープインパクト 坂井

母サプレザは2009~2011年にサンチャリオットS(芝1600m・イギリスG1)を3連覇した。
また、日本のマイルチャンピオンシップ(G1)にも3年連続(2009~2011年)で参戦した経歴を持つ。

父ディープインパクト×母系Sadler’s Wellsを持つ馬との配合はシンハライト(オークス)やディーマジェスティ(皐月賞)と同じ、3歳で大レースを制した仕様。

好枠に入ったことも踏まえて軽視できないか。

鞍上はダービー初出走でダービーデイが誕生日。

 


1枠2番 アルジャンナ 
父ディープインパクト 浜中

母コンドコマンドはスピナウェイS(アメリカG1・ダート7F)勝ち馬。

父×母スプリンターの組合せでディープ配合における早期始動のセオリー的配合。
また母方にはスーパーニックスStorm Catを内包している。
血統配合的にはこの舞台の出走馬に名を連ねていることに大納得。

内枠で騎手は浜中かぁ~。あれ?昨年もこんなことがあったな。

デジャヴ・・・?

 


2枠3番 ワーケア 
父ハーツクライ ルメール

母チェリーコレクトはイタリアの1000ギニーとオークス勝ち馬。
半姉はオープン馬ダノングレース。

父ハーツクライは緩め血統なのでパワータイプの米国血統を取り入れることが成功の近道。
その意味で母父系デインヒルはうってつけで、これはサリオスも同じ。

母母系にあるNijinskyのクロス(=ノーザンダンサーのクロス)が競走馬としての早期完成を促した。

中山で捲っていくスタイルがぴったりの型なので、東京の舞台変わりがプラスかと言われると疑問が残る。

鞍上が来週のアーモンドアイに乗ることで頭がいっぱいなのもマイナス。

 


2枠4番 レクセランス 
父ディープインパクト 石橋脩

母エクセレンスⅡはフランスの短距離重賞勝ち馬。

父×母系にデインヒルを持つ馬の組み合わせは、ミッキーアイル(NHKマイルC、マイルチャンピオンS)、ダノンプレミアム(朝日杯FS、現役)を輩出している父のマイラー配合。

さらにGone Westの血も、NHKマイルカップ(G1)のケイアイノーテック、阪神JF(G1)のショウナンアデラといったマイラー仕様の配合パターン。

このような血統的背景を持つので将来的にはマイルが活躍の舞台となりそう。

デビューから3連勝で挑んだ前走皐月賞では出遅れて終わってしまったので、今回は改めてスタートを決めて好勝負に持ち込んで欲しい。

鞍上はイケメン。

 

 

3枠5番 コントレイル 
父ディープインパクト 福永

ディープインパクトと母父Unbridled系との組み合わせは、朝日杯FS(G1)を制したダノンプラチナを始め活躍馬多数のニックス配合。

そこにStorm Catと、これまたディープインパクトのスーパーニックス。

いわゆる「アンディープキャット」の注目配合。

出走メンバーにこの馬を超える能力を持つ馬はいない。
無敗のダービー馬誕生は確実。
今週みんなで歴史の目撃者になりましょう!

 


3枠6番 ヴェルトライゼンデ 
父ドリームジャーニー 池添

半兄ワールドプレミアは昨年の菊花賞覇者。

母方はドイツ血脈でスタミナ色溢れる傍流血統。

ワールドプレミアムの父がディープでもステイヤーよりに出ているように基本的にはステイヤーを輩出する母と思って良いだろう。

本馬は父がドリームジャーニーということで距離は延びて良いのは間違いない。
あとは現時点での完成度で上位にどこまで食い下がれるか。

父を知り尽くした鞍上だけに期待をかけてみたくなる。

 


4枠7番 ブラックホール 
父ゴールドシップ 石川

父ゴールドシップは「ステイゴールド×メジロマックイーン」の黄金配合。

この配合の代表的なオルフェーヴルやドリームジャーニーにはノーザンテーストのクロスがあるが、ゴールドシップにはなし。

その為、母方にノーザンテーストを持ってきてクロスさせることは当然有効な一手。
さらにフジキセキの血でほどよく軽さをプラスしているところにも好感が持てる。

合いそうな中山の舞台で案外だったのはまだ能力が足りていないとの見立てで良いだろう。
東京もプラスとは言えないし、馬券的には夏の北海道で狙いたい。

でも菊花賞を目指すだろうから夏は休養に充てそう。

 



4枠8番 ビターエンダー 
父オルフェーヴル 津村

母ビタースウィートは地方ダート重賞(大井)勝ち馬。

代表産駒2頭(ラッキーライラック、エポカドーロ)に見られるように父オルフェーヴルはミスプロ系牝馬と相性が良い。

本馬は母がこのミスプロのクロスな持ちなので、より中距離適性が強く出ている。
皐月賞大敗→前走プリンシパルS優勝の流れで、皐月賞組のレベルの高さを証明したモノサシ的存在。

もちろんそれだけでなく、東京コースに対する適性の高さもあるだろう。

ただ、それを考慮しても皐月賞上位組を逆転できるポテンシャルは感じられない。

 



5枠9番 ダーリントンホール 
父New Approach Mデムーロ

父が重厚な欧州ノーザンダンサー型のSadler’s Wells系。

そこへスピードに富んだ米国ノーザンダンサー型のNureyev系の母父を組み合わせている。
さらに母母父も素軽いスタミナ系のGrey Sovereign(ナスルーラ系)なのでバランスが良い配合。

サンデーが入らないので瞬発力勝負は苦手。
時計のかかる馬場が最も合う。

Specialのクロス(Nureyev≒Sadler’s Wellsの3/4同血クロス3×4)があり道悪適性は〇

間違いなく馬場は渋った方が良い。


 

5枠10番 コルテジア 
父シンボリクリスエス 松山

父は非サンデー系なのでサンデー系牝馬との配合が中心。

ロベルト系ということで活躍馬が牡馬に偏るという特徴がある。
代表産駒エピファネイアも母父サンデー系で牡馬。
本馬も母母系にサンデーサイレンスで牡馬。

父の成功配合パターンに合致しており、父に久しぶりの重賞タイトルをもたらした。

久しぶりついでに世代の頂点にも立ちたいところだが、東京の長い直線でどういう走りをすれば勝つことができるのか?

ちょっと想像がつかないです。

 


6枠11番 ガロアクリーク 
父キンシャサノキセキ 川田

父×母父Kingmamboの組み合わせは、阪神C(G2)と小倉2歳S(G3)を制したシュウジと同じ。シュウジとはLyphardのクロスも合致しており、他にも米国系の母など何かと共通点が多い。

スピード型父に米国スピード型母を交配し、短距離馬を輩出した形だが、本馬の場合は母母母Riviere D’orがフランスオークス(芝2100m)やサンタラリ賞(芝2000m)勝ち馬で、さらにその母Gold River(フランス馬)は凱旋門賞を制覇している名牝系。

ここまで見る限り牝系の適性が濃く受け継がれている格好だろう。

「父キンシャサノキセキ」というところに目をやるとこの舞台にいることに違和感を覚える方も多いだろう。

しかし、このようにきちんと紐解いていけば納得できる材料を示すことができるのが血統の面白いところ。

で、結局この馬は来るのか来ないのかと考えたらやっぱり「キンシャサノキセキ」という名に引っ張られて、来るイメージが湧かない。

それもまた血統・・・(笑)

 

 

6枠12番 サリオス 
父ハーツクライ Dレーン

母サロミナはドイツオークス(芝2200m)勝ち馬。

父ハーツクライと母系にNijinskyを持つ馬との組み合わせは、
コーフィールドカップ(オーストラリアG1)を勝ったアドマイヤラクティら活躍馬を出している好配合。
さらに母系にデインヒルを持つ馬との組み合わせも〇

ノーザンダンサーのクロスによって晩成傾向の父産駒でありながら早期始動仕様となっている。

ベストパフォーマンスは前走の皐月賞で、舞台が東京に代わることを考慮した時に上積みを見込めますか?

コントレイルを本命に据える以上、2番人気のこの馬の取捨が大事になってくる人は多いと思いますが、バッサリ切れば楽になりますよ。

それで当たるかどうかはもちろん知りません!

 


7枠13番 ディープポンド 
父キズナ 和田

父は重厚なヨーロッパ血脈とディープインパクトとの組み合わせ。

配合にあたってはまず、いかにスピード取り入れるかを考えるとこから始めるべき。
その点で短距離馬の母父キングヘイローはうってつけで上手く配合のバランスを抑えていると言える。

その上でリファールのクロスなので走るディープ産駒の配合パターン。

そうなると東京適性の高さは容易に想像でき、自然と父が勝ったこの舞台での活躍も期待したくなる。

ただどうしても皐月賞で勝負付けが済んでいると思ってしまうんですよね~

 


7枠14番 マイラプソディ 
父ハーツクライ 横山典

母テディーズプロミスはアメリカの3歳牝馬G1、ラブレアS(ダ7F)の勝ち馬。

母系にあるCapoteの血は父と相性が良い血で、カポーティスター(日経新春杯(G2))や重賞戦線で活躍したマジェスティハーツと同じ。マジェスティハーツとはVice Regentを持つことでも共通している。

早くに完成して息の長い活躍ができる配合なので今後も楽しみだが、現段階で第2の成長段階に入っているとは言えず、ハッキリここは厳しいだろう。

 


7枠15番 サトノフラッグ 
父ディープインパクト 武豊

母バラダセールはアルゼンチンオークス(G1・ダ2000m)とアルゼンチン1000ギニー(G1・芝1600m)の勝ち馬。

母父Not For Saleはブエノアイレス市大賞(ダート1000m)を制したアルゼンチンのG1ホース。
この父×母父の配合はダノンファンタジー(阪神JF(G1))が同じ。

また、この配合ではLyphardのクロスが成立しており、このクロスはジェンティルドンナ(GⅠ7勝、2012・2014年年度代表馬)やディープブリランテ(日本ダービー(G1))らがいる父の成功配合パターン。

鞍上が天才・武豊に戻って、狙うは世代の頂点。侮れない。

 


8枠16番 マンオブスピリット 
父ルーラーシップ 北村友

母系にBCジュヴェナイルフィリーズ(アメリカG1)を勝ったアウトスタンディングリーがいる優秀な牝系。

父はサンデー系の血を持たないことを武器に、昨年種牡馬ランク5位と躍進中。

父×母系「サンデー+Nureyev」の組み合わせは、昨年コーフィールドカップ(オーストラリアG1)を制したメールドグラースと同じ配合。

器用さに欠けるのでゆったりと走れる東京の舞台は合っているが、直線サンデー系種牡馬達とのキレ味勝負になると厳しい。

渋った馬場が希望なのでこの馬を推したい人は雨乞いして下さい。

 


8枠17番 ヴァルコス 
父ノヴェリスト 三浦

母ランズエッジは母ディープインパクトやブラックタイドを輩出した名牝ウインドインハーヘアの娘。

父×母父ディープインパクトで京成杯(G3)勝ち馬のラストドラフトを輩出しているので、ウインドインハーヘアとの相性の良さは容易に想像がつく。

重厚な父に素軽いサンデー系の中でも長距離砲であるダンスインザダークを持って来るあたり配合的狙いは明確。

生まれる前から見据えているのは菊の大輪一本だろう。

秋にまた会おうぜ!

 


8枠18番 ウインカーネリアン 
父スクリーンヒーロー 田辺

父は三振かホームランかタイプのスクリーンヒーロー。

ロベルト系自慢のパワーと機動力で中山に強い父産駒の傾向そのままに前走皐月賞でひょっこり4着に顔を出した。

東京の舞台に変わるのはマイナス評価だが、距離延長はもちろん良いし、馬場が渋ったらまたひょっこり掲示板に顔を出す可能性は高まる。

将来的には有馬記念に出てきて欲しいなと血統調査員としては思います。

 

 

ということで以上18頭の正真正銘出走馬全頭考察でした。

この中に間違いなく今年のダービー馬がいます!

 

 

皆様の予想の一助になれば嬉しいです。

ますます悩ますことになっていればごめんなさい・・

 

 

最後に、

『ダービーは自分の好きな馬を買おう!』

 

祭典ですからね。

 

今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。

いつもご支援ありがとうです! おかげで今日もわしのつまみが一品増えます。 乾杯🍻