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[Review]RAZER Diamondback(画像あり)

2004年、Razer社の方(TMLさん)に依頼されてから書いたレビュー。画像サルベージしたので再アップ

Razer Diamondback Review 第1部 "形状編"

3部構成でお送りする予定でありますRazer社の新マウス"Razer Diamondback"のReview
まず第1部は形状編と題しましてマウスの各部を撮影し、使用感を書いてみました。

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・マウス形状
大きさ、形状としてはMX-300系統とだいたい同じような形と大きさ。あのマウスに慣れた人なら違和感なく導入できると思う。重さも全然気にならないのでMX-510が重くて大きいので・・・と敬遠していた人には良い選択肢の一つかもしれない
・表面感触
シースルーの本体部分の感触は何のコーティングもないプラスティック。ツルツルしていて、長時間持っていると汗が若干気になるかもしれない。
ボタン部分は樹脂製?で肌触りは良い。

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・メインボタン形状
メイン2ボタンは指の形に合わせて凹んでいるため、フィット感は非常によい。正面から見てもわかるようにストロークはMS、Logiに比べて長めである。クリック感がしっかりしているので違和感は特にない。

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・ホイール部分
MS系やLogi系に比べてホイールの抵抗感は高め。ホイールの感触はゴムっぽく摩擦係数が高いので使いやすい。
ホイールボタンのクリック感はストロークが浅い(あまり押し込めない)ので、若干好みが分かれるところ。

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・サイドボタン周辺
サイドボタンの大きさは他のMS系やLogi系に比べて小さい。この大きさで1ボタン分とすればちょうど良い大きさであるが、実はこれで2ボタン分。前後に各1ボタンずつ割り当てられる。
左右対称形状なので親指側も薬指側も同じ形のサイドボタンである。
親指側の前後を押し分けるには問題ない形状なのだが、薬指側の前後を押し分けるには私の持ち方では若干厳しい印象を受けた。
(持ち方をDiamondbackに最適化すれば特に問題ないかもしれないが・・・)

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・底面部
標準の状態でAirpadのソールのようなテフロン製のソールが付いてくる。これのお陰でそのままの状態でもAirpadとの相性が非常によいのが好印象。
ただし、形状が特殊なためソール摩耗後に交換するものが無い事が気がかり。RAZERから販売される事を祈るのみ。


第2部 マウスソフトウェア編

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RAZER独自のマウスソフトウェア。この辺はさすがゲーマー向けだけあってツボを押さえた仕様になっている。


センシティビティ設定

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センシティビティは通常の設定に加えてX軸とY軸それぞれについて設定できる。また、加速の方も20段階の設定が可能である。

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On-the-Fly Sensitivityという項目があるが、これはサイドボタン(4)を押しながらホイールをスクロールさせる事で、ゲーム中でもマウスのセンシティビティを変更できるという機能。このマウスを使い始めたときセンシの調整をしたが、ゲームをやりながら調整できるというのはナカナカ便利だった。
一度調整したら必要なくなるので、その後は別のボタンに割り当てて使用。


ホイールに関する設定項目

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スクロール速度とUniversalScrollingについて設定できる。UniversalScrollingというのは通常時のホイールクリックを有効にするか否かの項目。


ボタン設定

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左右対称という特徴を活かして右利き、左利きを設定できる。(左利きの人には嬉しい仕様)
また、7つのボタンそれぞれの割り当てを変更できる。
特徴的な割り当て方としては
・キーボードのキーを割り当て
・ダブルクリック
・マクロ割り当て
・On-the-Flyコントロール
がある。マクロ割り当てが大きな可能性を秘めているように思える。
たとえば3点バーストを割り当てたり、しゃがみジャンプ、ETならしゃがみ射撃を割り当てたりと反則的?スクリプトをマウスソフトウェアで設定できてしまう。
ただアプリケーションごとにキーボードのキーを割り当てという事が出来ないのが残念。


第3部 ハードスペック比較

Razer Diamondback
センサー:1600dpi、40ips、15g
フレームレート:6400fps (5.8メガピクセル/秒)
データバス:16bit (従来マウスは8,12bit)
サイズ:12.5cm x 6.25cm x 3.85cm


Logicool MX-510
センサー:800dpi、ips不明、15g
フレームレート:6400fps (5.8メガピクセル/秒)
データバス:不明

Microsoft IntelliMouse系列
センサー:不明
フレームレート:6000fps
データバス:不明

フレームレートはほぼ同一で、異なる点はセンサーの解像度(dpi=dot per inch)
このセンサーの解像度というのは1インチ動かしたときに何ドットまでの分解能があるか?ということである。
800dpiだと約0.03175mm動かして1ドットと認識するのに対して、
1600dpiだと約0.015875mm動かして1ドットと認識する事が出来ます。
これに対する恩恵というのは、あまりピンとこないかもしれない。(私も最初はよく分からなかった・・・)
センシティビティをあげていくと、そのうちポインタのざらつきを感じるセンシティビティが存在する。このセンシティビティの限界が高いのが解像度が高いマウスという事になる。
簡単に言うと高いSensitivityでも高い精度を誇るのが高解像度マウスであるという認識で大体は間違いないだろう。

ということで、高解像度性を検証してみた。
比較対象:MS IE3.0
条件:Razer Diamondbackの最大センシテビティと同じ感度で動くようにMS IE3.0の感度を設定
比較対象 MSペイントの手書きの円

MS IE3.0(800dpi)の場合

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円の角部分がギザギザしているのがよく分かる。ポインタも飛び飛びで2ドットずつしか動かなかった。

Razer Diamondback(1600dpi)の場合

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私の円が下手という事を除けば滑らかな線が描けていることがよく分かる。ポインタの移動も滑らか。

総評
私の持ち方では薬指側のサイドボタンが押しにくいので7ボタンマウスとして完成度が高いとは言い難い(少なくとも今の時点では)。
しかしながらフィット感や反応速度、追従性などのゲーム用マウスとしての満たすべき項目は全て満たしているため、5ボタンマウスとして見れば高い完成度を誇るといえる。
1600dpiという従来の他社製品の2倍の解像度というのは
Q3やUT等の純スポーツ系FPSにおいて必要となる高いセンシテビティ領域で効力を発揮するという事は他のマウスにない付加要素の一つだ。
また、今までLogicoolのMX-310等を使用していてボタン数が足りない、解像度が今ひとつだといった人がマウスのアップグレードを計るのにも良い選択肢の一つであるといえる。
その他、左利き用としてのゲーマー向けマウスという数少ない選択肢の一つとなる事も利点の一つである。

MouseSoftwareはゲーマー向けを称するだけあって強力な印象を受ける。
現在の状態でもゲームで使用する分には十二分すぎるほどの機能を備えているが、
今後のドライバアップデートで通常使用に対する更なる配慮が得られればMicrosoftやLogicoolを超える物となるのは間違いないだろう。


オマケ

Razer社のマウスパッド"Razer eXactMat"について

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最初に一言いうと全く持って文句の付けようがない品であると感じた。
アルミ製でかなりの厚みがあり、ずっしりと高級感がある。
4隅にゴム製のストッパーが付いており、かなり強固に固定されるため、激しい動きでずれるという事はまず無いだろう。(固定感はAirpad比の1.5倍くらい)
SURFACE等と同じく、リバーシブル構造で片面はツルツルで片面はザラザラ。好みによって使い分ける事が出来る。
ツルツル面はAirpadソールなどを使えばAirpadより更に爽快なツルツル感を得られる。

AirpadPro特大と比較

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大きさもAirpad特大の約1.2倍ほどと非常にちょうど良い大きさ。
今Airpadを買おうとしている人が居たら私は自信を持ってこのeXactMatとAirpadソールのコンビを勧めるだろう。
また、Razer Diamondbackとのコンビネーションも素晴らしいが、Airpadソールのようなテフロンソールが付いていればどんなマウスとでもマッチするのでAirpadからの乗り換えにもお勧め。
とにかくお勧め。


オマケ 第3部で検証するのを忘れていた重要な項目
「USBマウスの更新周期(リフレッシュレート)」について検証、考察してみました。

更新周期(リフレッシュレート)について
リフレッシュレートとは何かと言いますと、マウスの信号を読み取りに行く周波数の事です。
デフォルトではUSBマウスだと125Hz、すなわち1秒間に125回マウスの信号を読み取りに行っている訳です。
これよりマウスを動かしてから、応答にかかる最大の時間を計算しますと
1/125sec=8msec
ですから、下手をするとクリックしてから反応があるまで8msecもかかってしまう事があるのです。(平均応答時間は4msecです)
これに対するデメリットというのは・・・やはり一瞬のタイミングで勝ち負けが決まってしまう撃ち合い時において不利になってしまうということでしょう。
(Pingが最大で+8msecされたような感じだと思ってください。)

対しましてPS2のマウスではリフレッシュレートは200Hz、応答にかかる最大の時間は1/200=5ms(平均応答時間は2.5ms)

コダワリを持った人がUSBマウスをわざわざPS2に変換して使用する理由というのはこの差にあります。

リフレッシュレートのチューンナップ
それでは、そのUSBマウスの遅いリフレッシュレートをチューンするにはどうすればよいか?
という話になるのですが、USBのドライバを書き換えて125Hz以上に無理矢理設定するという方法以外はありません。
(くれぐれも書き換えは自己責任でお願いします。)

書き換えの方法は
http://fps.client.jp/
のFilesを参照してください。

理論的には最大で1000Hz(最大応答時間は1ms、平均は0.5ms)までリフレッシュレートを上げる事が出来るのですが、WinXPでは500Hzが限界です。(システムの根本的問題との事です。)

今回はRazer DiamondbackとMS IE3.0を使用して最大のリフレッシュレートを調べてみました。

測定結果
使用OS:WinXP
Razer Diamondback => 最大500Hz
MS IE3.0 => 最大500Hz
MS IE4.0 => 最大125Hz(ReinDeeR氏による報告)
Logicool系は450Hz/500Hzが最大という報告例あり

使用OS:Win2k
Razer Diamondback => 未測定(USBドライバ書き換え前は125Hz)
MS IE3.0 => 未測定(USBドライバ書き換え前は125Hz)

Win2kではRazer Diamondback、MS IE3.0ともに1000Hzで動作したという報告がありますが、マシンの都合上ドライバ書き換え後の測定はまだ行っていません。(確認でき次第、報告する予定です。)

という事で、残念ながら現在の段階ではリフレッシュレートという点で
Razer DiamondbackはMS IE3.0とはそれほど差異がないという結論です。
しかし今はMS IE3.0は非常に入手困難であり、他のマウスではMS IE4.0/最大125Hz、Logicool系/最大450Hz/500Hzということを考えるとWin2k使用者にはそれなりに魅力的な選択である。

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