八月になった

実は知らないとか覚えてなかったとかって思われたら癪だから誰よりも早く君には見えない場所で紡ぐ。君にはなにをしても敵わないけれど、私にとってはそれでさえ安心材料となる。

もう少ししたら歳をとって、グラスにコーラを注ぐのも面倒になったら毛布を増やして、何を言われても顔には出さないで。


大切な日といえば。私が一喜一憂することは全く君にとって関係がない。だから普通の日。暦でも黒字だったからどうにか私の脳も諦めがついた。

女性。

おーい、透明少女になりたかったのなら髪を赤に染めるべきだった。もう一度だけチャンスがあるとすれば。良いピザ屋がある。テイクアウトの。だから私は約束もせずに君の家でそれを食べようかと思ったの。だけど中華の気分だったから。だからあの時で止まっている。雨よりも気温が高い。

ケーキに蝋燭の光を灯すキャラじゃない。優しくはない。人情はある。義理もある。去年は泣いていた。私は君以外の人とあの時はそれでよかったから。だから秋に期待をしてしまう。早く大人になりたくない。うわ〜。だから2年前におすすめされたガジェットを今更漁る。日支事変の板をTwitterで見た。中世ヨーロッパの医者の服装はペストマスクだけが蔓延っていて、真実は知識欲より奇なり。

アメリカのダイナー。

乾いている道路。限りなく湿度は低い。サボテン。季節外れの広葉樹。ドライブインの仕組みの発祥地はどこか。いつかカラフルな衣服を見に纏い、彼女は働く。裏で何があるかは知らない。人それぞれの何かは必ずある。小学生にだってある。ネコも多分ある。私にもある。消えたくなる前に君の形跡をなぞってみた。

知りすぎた。そのせいで私は。


いつか祝福の言葉を真っ直ぐに投げかけることができたら。私はキャッチボールが下手だからきっとそのボールをポシェットに仕舞って唯一どうにかなるテニスコートに向かう。少しの隔たりがあるおかげでキャッチボールがどうにか続く。


始めてもいない音は当の本人にも終わらせることができない。だから私はこの季節を気軽に許せない。

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