君の知らない偶像

気付かないうちに私が変わってしまったのか、あの子の方が一歩先に進んでしまったのかという話になってくるが、他人を責めるなどもってのほかであり私自身の非を認めるべきである。

その時々の感情に合わせて動いているので大きな後悔はあの夏の日以来ない。本当はその日の予定なんてどうでもよかった。生乾きのシャツが気持ち悪かったことだけ覚えている。

だからこの選択に2分もかからなかった。ここまで自分の足を動かせるのは珍しいということはあの子が一番わかっているだろう。クーラーが無いと生きれない現代っ子。

伏線と呼ぶ。嫌いで苦しかった。それでも優越感があった。私の知らない誰かに対しての。あと街。

あの子は知らないふりをしてなんでも知っている。今日の知らない人たちはユーゴーもサリンジャーも読まないで四半世紀を生きていると仮定すると。

ゾクゾクする。解像度は上がったのに興味が以前ほど無い。解像度が上がったからかもしれない。理解した気になると私は興味を無くしてしまう。

それでも幸せは祈っていてこれも伏線としてはアリだと思う。人生としては充分なくらい。回収まで役割を務めるのみ。別に変わらないあの子を永遠に見ていたい訳では無く、ちょっとした変化に感情を少し動かしてみたい。

残念ながらきっと。

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