早川町を訪ねて ~実際に訪れて肌で感じたことと子供たちの様子~

1.はじめに
 早川町は日本一人口の少ない町であり、今年人口1000人を切った、とても小さなまちです。私たちは早川町について事前調査を行い、「地域」というものがどういうものか、行って見て感じてきました。このエッセイでは、前期の授業を通して学んだことと、実際に早川町に行って感じたことを書こうと思います。特に夏休みに行ったフィールドワークでは、子供たちと触れ合う機会が多かったため子供たちの様子も含め書いていこうと思います。

2.早川町の教育と環境
 ~事前調査まで~
 地域実践演習の授業内で事前調査をするまで、私は早川町が人口1000人を切るほどの、とても小さな町であることは知りませんでした。私はもともと観光について興味を持っていたので、地域そのものとなると大して興味がわかないのが本当のところでした。ですが、調べれば調べるほど、こんなにも環境が良いところはないし、観光地としてもっと売り出しても良いのではないかというふうに思うようになりました。
 例えば、自然が豊かで、子供たちの教育・成長にはぴったりの環境です。川も山もとても近く、多くの自然体験プログラムがあることから自然と共存しながら生活していることがわかります。また、伝統の味噌づくりの復活など、歴史を重んじるところも子供たちにとっては最高の教育現場であると感じました。学校教育においても、民話劇を行うなど地元に根付いた教育を行っています。また、山村留学制度という興味深い制度を取り入れていて、この制度は1年間利用でき、また翌年の利用も簡単にできるので、家族での移住がしやすい取り組みも行っています。

~上原さんへのインタビューと実際に早川町を訪れて~
 はじめて早川町を訪れたのは、6月でした。その時は、ただ早川町を車で回りヘルシー美里を訪れただけでしたが、見て回るだけでも早川町がどんなところなのかがわかる大きな収穫となりました。やはり、事前調査だけではイメージしきれない部分も見て感じ取るところが大きかったように思います。
 そもそも早川町はいくつかの集落が集まってできているところで、その知識はありましたが、実際に訪れてみると1つ1つの集落の距離がかなりありました。しかし、小さいコミュニティーだからこそ、人と人との距離が近いと感じました。それは早川町を歩いていて、会う人会う人が気さくでフレンドリーな方が多かったからだと思います。また、昔から早川町に住んでいる人だけではなくて移住してきた人も、味噌づくりなどの伝統的な地域の事柄に関わり、地元の人だけではなく周りの人も巻き込んで地域を盛り上げているように思えました。

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 8月に行った上原さんのインタビューの中で、私は前々から気になっていたことを質問しました。それは、生活が不便ではないのか、ということです。上原さんが住む奈良田集落にも近くの集落にもコンビニやスーパーがありません。そのため、欲しいものをすぐに手にすることができません。しかし、私の予想とは反対に、今のところ不便はないといいます。ほしいものはネットで購入することができるので、奈良田で生活するうえで不便はなく、子供たちからも不満を聞いたことはないそうです。私は近くにコンビニがある生活に慣れているしそれが当たり前だけど、早川の子供たちにとってはコンビニがないことが当たり前の生活なのだと思いました。だからと言って、これが子供たちにとって負の面であることはないのだと3度目のフィールドワークで実感しました。
 3度目の早川町フィールドワークでは、早川こどもクラブが主催する魚のつかみ取りに同行し、子供たちと触れ合うことをしました。印象的だったのは、子供たちより保護者の方々でした。子供たちがのびのび遊べるように率先して子供たちを誘導しているように見えました。子供たちを見守りつつ、親も子供と一緒になって遊んだりしていて、子供たちは大変満足していた様子でした。赤ちゃんから中学生まで、幅広い年齢層の子供たちがいましたが、みんな仲が良く、上の子が下の子の面倒をよく見ていて、これも小さいコミュニティーだからこそ成り立つものだと思いました。自然に触れながら、社会のコミュニケーションを学び、子供だけでなく大人が一緒になって遊んでいる、この環境こそが子供たちにとって最高の教育なのだと実感しました。

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3.まとめ
 事前調査を行うより、やはり行って見ることの方がより多くの情報を感じ取れました。とても小さなまちだけど、とても大きな魅力を含んでいて、子供が学ぶ現場としてはこれ以上の場所はないと思います。早川町で育った子供とそうでない子供とでは、感受性その他いろいろ違うのではないかと思います。もちろん良いところだけではないけれど、多くの魅力が潜んでいそうなので、この先もたくさんの人に行事に触れていけたらいいなと思います。

(担当:飯高)


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