あけぼの大豆見学体験記
はじめに
これまでフィールドワークやインタビューの活動を通じて学んできた身延町の特産品であるあけぼの大豆について、畑と生産拠点の見学を通してさらに理解を深めるため、9月29日に身延町を訪問した。この記事には、今回の見学で学んだことを記載する。
あけぼの大豆畑見学
午前中は身延町内にある畑の見学へ向かった。
見学は畑の持ち主である佐野和彦さんに、あけぼの大豆に関する様々なお話を聞きながら行った。お話の中では、あけぼの大豆を育てるにあたって、身延町の保水性・排水性をもつ土壌や、気候についてなど、身延町の持つ特徴について聞くことができた。
佐野さん自身が調査した資料に基づいた話も聞くことができる貴重な機会だった。
様々な自然の要素の中であけぼの大豆を育てるということは、難しさも多く、土壌に入れる肥料のことから、鳥獣害への対策まで様々であると佐野さんは語る。今年に関しては雨が少なく水不足であることなども挙げられ、そうした気候条件も常に先を予測し対応する必要があるという。また、あけぼの大豆は、畑ごと、さらには畑内でも育ち方が異なり、すべてを全く同じように育てればいいわけではなく、それぞれに必要な育て方を模索しなくてはならない点も難しさとして語った。
実際に見学を行ったことで、これまでのフィールドワークやインタビューでも話に上がっていた、身延町の持つ土壌や畑ごとの育ち方の違い、鳥獣害対策の電気柵といった設備を目で見ることができ、自然を相手に農業を行うことの難しさをより実感することが理解できた。
あけぼの大豆生産拠点
午後に訪れた生産拠点では、実際に使用されている機械を見ながら、あけぼの大豆製品の生産過程を順番に説明していただいた。生産だけでなく、大豆や枝豆を脱穀するための機械などの貸し出しも行っている。シーズン中は、貸し出しの予約でいっぱいになるという。こうしたお話からも地域内での生産拠点の重要さが垣間見ることができた。
写真にある機械は枝豆や大豆の選別を行う工程で使う。この機械にはAIが搭載されており、虫食いや形の悪いものを認証システムによって自動で選別する。さらにこのAIは選別を重ねることで機能が更新され認証の制度が高くなっていく。このAIのシステムは最新の技術が採用されており、値段にして一千万円するという。
その後、機械が選別しきれなかった分を人間の目で確認して最終の選別を行い、袋詰めを行う。そうして袋詰めした枝豆は冷凍庫で保存されている。
枝豆は、洗浄し、茹で、剥き、さらに細かく選別し、保存される。その後、枝豆は様々な商品に加工され販売される。
大豆の生産から商品化までを行うということはこれまでのインタビュー等で聞いていたが実際に見学したことで、多くの機械と人が関わり、いくつもの作業工程を経ていることが分かった。
また、AIなど最新の技術などを用いて生産力の向上を図っていることも今回の見学で新たに学ぶことができた。
まとめ
これまで、インタビューを行う中であけぼの大豆についてのお話を伺うことやフィールドワークの際に、畑を遠目から見ることなどはあったが、今回は畑を間近で見て学ぶことができる機会は初めてで貴重なものだった。また生産拠点についても、これまで訪問したことはあったが、実際に生産工程を見ることはなかったので見学を通じてより理解が深まったように思う。
加えて、見学を通じて畑でも生産拠点でも、それぞれに関わる方々が身延町の特産品であるあけぼの大豆をよりよい形で生産し届けようと努めている、身延町全体が持つ誇りのようなものも感じることができた。
(担当、野田)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?