マガジンのカバー画像

短歌

21
短歌の連作をまとめています。
運営しているクリエイター

2015年2月の記事一覧

短歌「世界が文字にならないうちに」

また朝だコインを投げたらうら/おもて 夜は深紅のカーテンに散る 換気する音がうるさい めちゃくちゃに海の氷は掻き混ぜられて 東京は3の腹から産まれ出た 012は足掻けども0 背表紙を撫でれば崖を越える日が孵化する いつかの自分が飛んだ 美しき君の裸を見せてくれ 世界が文字にならないうちに 煮えたぎるブルーベリーに溶ける日の少年は重い銃を手にした 灰はただ天に召される父たちよ静かな街を愛した者よ カフェインを摂るようにしてあなたからやさしさ奪う僕の指つき アルバ