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愛嬌をさわるこわさは盲目に辿る煙の螺旋階段 褐色に唐辛子舞う水面のどこにいるのか鈴振る者は 連れてゆく列車の夜は夢を切る 明日の天気を教えないよう 腐食するセーブデータの餞にスーツを羽織る父を見送る ザリガニはエビと同じであったろう 傷は報われねどもうるおし 死に至る時流に揺られ往く路の惑わす風の耀かしさよ 恋人は互いの扉を行き来する 星のあいだを横切るように 肉慾の海のごときにうねる夜は錆びつく胸のひずみにとおく できるだけ傷ませた胸つかみとり投げ込む池の声