新規MINIが『THE FRAME』カムバを経て感じたこと
INI!!!6thシングル『THE FRAME』、オリコンウィークリーチャート&ビルボードジャパン総合、そのほか全45種の音楽チャートで1位!!!!!おめでとう!!!!!
櫻坂46さんと発売日が被ってしまうというまさかの事態、どちらのファンダムも本当に大変な思いをしたと思います。私もINIを好きになって初カムバだし、最初は「初回限定盤と通常盤、それぞれ1種類ずつ買うか〜」くらいの呑気な気持ちでしたが、振り返れば部屋の中がCDの山、山、山……になっていました。
CDを積みながら何度も「一人のオタクが何枚も買って作る売上に本当に意味なんてあるのかな?」と考えてしまったし、今も自分の中で答えは出ていません。一人が100枚ずつ買って作る記録より、100万人が1枚ずつ買って作る記録の方が理想には違いない。でも今回のカムバ期間でINIの作るものや目指している場所がすごく信頼できるものだと感じて、だからこそわかりやすい形で「『THE FRAME』最高!INI最高!」という気持ちを伝えたくて、そのためにいろんな方法はあると思うけど、私はCDを積むことを選びました。
チャートの結果も出て少し気持ちが落ち着いた今、改めて今回のカムバを振り返って、『THE FRAME』の、INIの好きなところをまとめておきます。
“誰も追いていかない”『THE FRAME』のコンセプト
今回のシングルは「僕らを囲う“THE FRAME"を壊す」がコンセプトで、収録曲全てにそのメッセージが込められています。表題曲の『LOUD』は社会に蔓延る偏見や固定概念をぶち壊して進んでいこうという力強いメッセージソングで、2曲目の『Walkie Talkie』は「自分の心の奥にいる本当の自分を探す構成員」がテーマだそう。3曲目の『3D』は「ペルソナ」「多面体」などの歌詞からも分かるように、人間誰しも多面性があって、その全てが本当の自分なんだよということを歌っている曲だと思います。そして4曲目の『I'm a Dreamer』は「若い時しか夢は見られない」という一般論にとらわれず、人は何歳になっても夢を持っていいと背中を押してくれるバラードになっています。
『I'm a Dreamer』以外の3曲はゴリゴリなメロディで、一聴しただけだとINI=強さや激しさを表現するのが得意なアーティストなのかな?という印象を受けるかもしれません。でも、歌詞をよく読むと4曲とも、アイデンティティに悩んでいる人、人生の道に迷っている人、社会の中においてマイノリティで生きづらさを感じている人……そういう人たちを優しく肯定して、寄り添ってくれるような曲ばかりなんですよね。前回書いた記事で「INIはラジオが道徳コンテンツだから好き」という話をしたんですが、メンバー全員に共通する他者を肯定して受け入れる空気感、誰も置いていかない人柄の暖かさが、すごくよく現れている楽曲コンセプトだったと思います。きっとまだINIを知らない人の中にも、彼らの作る曲に勇気や元気をもらえる人がたくさんいるはず。だから『THE FRAME』が各種チャートで上位に入ることで、世間の人の目に触れる機会が増えればいいなと思いました。
表題曲『LOUD』MVの魅力
収録曲4曲とも大好きなのですが、やっぱり私は表題曲の『LOUD』が特に好きだなぁと思います。楽曲だけじゃなくて、MVの世界観も大優勝じゃないですか!?『ぼくの地球を守って』とか『11人いる!』とか『7SEEDS』とか、“あの頃”の「花とゆめ」や「flowers」で連載されてたようなSF少女漫画が好きな人、全員好きじゃないですか!?この映像!?(偏見を壊すがコンセプトなのに思いっきり偏見で語るオタクを許してください)
↑サムネイルから連載50回記念巻頭カラーの見開き扉絵すぎる(涙)。
MVはストーリー仕立てになっていて、メンバーが謎のコントロールルームでコードに繋がれていたり、闘技場みたいなところで鎖にぐるぐる巻きになっていたり、地下通路で追手から逃げながら出口を探していたりします。一体、彼らは何者なのか。どこに閉じ込められているのか。何に追われているのか。その辺りの詳しい考察はXでいろんなMINIさんたちがされていて、私もいろんな考察を読んでは「も、萌えすぎる!!!」と思っていいねを押させてもらってました。INI=7大天使説とか。デジタルな存在説とか。オタクが好きなやつ〜。それこそ「1位にするためにMVを回さねば!」ではなく、「映像が最高すぎるから何回でも見たい!」の気持ちで見ることができたMVでしたね。
ところでこのMVを見て改めて思ったんですが、INIって100%国プの人気投票で選ばれた故なのか、ビジュアルの系統が全員バラバラですよね。これ!という決まったコンセプトで集められたメンバーではないからこそ、キャラがたくさん出てくるようなアニメ漫画っぽい雰囲気が似合うのかもしれないなーとも考えました。ビジュアルからそれぞれキャラ立ちしてるというかね。こういう、世界観がしっかり確立した映像を今後も見たいです〜〜〜CJ様、よろしくお願いします。
メンバーのクリエイティブに関わる意識
さて、私が今作においてある意味いちばん評価したい!と思ったのがこれです。いや、「評価したい」と言うと偉そうですが……とにかく素晴らしい!これからもやってほしい!私は何よりもメンバーの人柄や価値観が大好きなので、彼らの目を通して見た世界や日頃考えていることをもっともっと知りたくて、音楽で、エンタメで、シェアしてほしいなと思います。具体的に、誰がどんなクリエイティビティを発揮したのか、私の知る限りだと以下の通り。
西洸人くん
前作『LEGIT』で作詞に挑戦していた西くんですが、今回はなんと作曲にDJスキルを活かしたマッシュアップ音源まで!どちらもめちゃくちゃオシャレで西くん節が炸裂していました。『Walkie Talkie』については、「電波をジリジリビリビリ発信Calling」と「あいつはBed time 俺しない停滞」は少なくとも西くんの作詞パートだと思ってるんだけど、どうでしょうか。ラップのかっこよさはもちろん、ボーカルラインの柔らかい歌声が強調されるパートもあり、雄大くんや柾哉くんの声がいいフックになっているパートもあり、メンバーのことをよく分かってる人が作った曲だなと思いました。
池﨑理人くん
もともとイラストが得意で趣味で描いたものをブログやSNSにアップしていた理人くんが、今作ではついにMVで着用している衣装のスポイラーイラストと、SNSのヘッダーイラストを制作。いや、これクオリティもえげつないんですけど、まずこの粒度のイラストを11体描き下ろすのって、めちゃめちゃめちゃめちゃ時間がかかる作業だと思うんですよね……!レコーディングや振り入れ、そのほかの仕事もこなしつつ、これを描き上げる理人くんのセンスと根性、ラポネは絶対大事にしてあげてください……と過保護人格が湧き上がってきてしまう。私は特に理人くんの感性が好きなので、今後もたくさん彼の描く絵が見たいです。
許豊凡くん
作詞、デザイン、カメラマンと一人で何役もこなしていたフェンファンくん。歌も歌えてダンスも踊れて、4ヵ国後話せて、作詞もできて、デザインもできて、写真も撮れて……彼にできないことは一体なんなんだ。また、私がフェンファンくんの素敵だなと思うところは、彼の作るすべてのクリエイティブに彼なりの信念や思いがしっかりあるところなんですよね。通常は表題曲以外の楽曲のティザーとかって作ってないと思うんですが、今回はフェンファンくんが「『Walkie Talkie』にアイデンティティを持たせたかったから、自分なりのイメージで撮影をした」と言っていました。(2024.07.02インスタライブより)しかも、撮影小道具のケータイも自分で買いに行ったらしい。カメラマンどころかプロップススタイリストまでこなす男……彼にできないことは一体(2度目)。
そもそも振り返ると『THE FRAME』期は、フェンファンくんのブログが話題になったことからスタートしたような気がしています。
FCの有料ブログなので詳細は載せることができないのですが、メンバーの中で唯一外国籍であるフェンファンくんが日本で活動をする中で感じた違和感が丁寧に綴られていて、最後はスマートに『THE FRAME』の宣伝につなげていました。このブログがXで話題になっていたのが気になって、私もFCに入ったんだよなぁ。
また、YouTubeコンテンツの『INIフォルダ』“新しい魅力”発見旅〜ep.2〜では、恐怖に打ち勝ちキャニオンスイングに挑戦し、飛ぶ前に「6thシングル爆売れ!もう、大ブレイク!INI、大ブレイク!!」とヒット祈願を叫んでくれたのでした。
その言葉通り6thシングルはINI過去最大の売上を記録したわけで。更にリリース直後に全国のタワレコに直筆メッセージを送ろうと提案したのもフェンファンくんだったっぽい。本当に『THE FRAME』期の功労者だったなぁと思います。
木村柾哉くん・髙塚大夢くん・藤牧京介くん・尾崎匠海くん・許豊凡くん
これは直接『THE FRAME』に関わることではないのですが、この5人でYouTubeの「THE FIRST TAKE」にも初出演しました。プロモーションの一環ですね。
今回歌ったのは、『I'm a Dreamer』と、INIの代表曲的な『FANFARE』の2曲。特に『FANFARE』は割と激しめの曲調で、ティザーが出た時にファーストテイクで歌う曲か…!?と界隈がちょっとザワついていたのですが、蓋を開けてみるとファーストテイク用にハモリやコーラスアレンジがかなり細かく入っていて、聞き応えのある楽曲に仕上がっていました。
で、なんとこのハモリ・コーラスアレンジは、本人たちの希望で急遽入れることになったそうなんですね。冠ラジオ「From INI」で、藤牧くんと匠海くんが裏側をちょこっと話してました。
「自分たちが納得するクオリティじゃなかったら納得するまでやる」という、ある種の頑固さが出ていて凄く好きなエピソードです。普段は物腰柔らかいのに、実は全員頑固な職人気質の集まりなのがINIの面白いところ。
アレンジを入れたい!となってプロの方にお願いしたのか、それともアレンジまで自分たちで考えたのか、そのあたりは分からないのですが、コーラスの雰囲気がどことなくアカペラバンドっぽくて、もしかして大学時代にアカペラサークルに入っていた大夢くんを中心に、自分たちで考えたアレンジもあったんじゃないかな〜と妄想したりしています。そもそも大夢くんは普段からボーカルリーダーのような役割を担っていると匠海くんがインタビューで以下のように語っていました。
このままいけば未来のINIは、西くんが作曲した曲にフェンファンくんが歌詞をつけて、柾哉くんが振付を考えて、大夢くんがボーカルディレクションして、理人くんがCDジャケットの絵を描いて……100%自給自足できるクリエイティブ・アイドル集団になってしまうのではないでしょうか。何度も言いますが、視聴者の人気投票で集まったのに、こんなにバランスよく才能を持っている人が揃うって……本当に奇跡みたいな11人だよ〜(涙)。
バラエティ番組や配信、イベントで見えたメンバーの優しさ
クリエイティブ以外にも、このカムバ期間はいろんな偶然が重なって何度もメンバーの優しさに触れる機会がありました。そのたびにINI好きだ……となって、その気持ちを届けたくて、CDを(略)。特に印象に残っているエピソードをいくつか書き残しておきたい。
6月22日に放送された音楽番組『Venue101』(NHK)にて。事務所の後輩である女性アイドルグループ・IS:SUEについて、MCの濱家さんに「後輩、すごいね」と振られた迅くんが「誇らしいです!」とハキハキ答えた様子が話題になりました。これまで男性グループしかいなかったラポネに突然増えた女性グループ。既存の男性グループファンから拒否反応もあったりなかったりして、それも知っているだろうに、とっさに真っ直ぐこう言える迅くん、なんて美しい心の持ち主!!この件のお礼として『THE FRAME』を買ったよ〜とポストしてるREBORN(IS:SUEのファンダム名)さんのアカウントもけっこうな数見つけて嬉しかったです。
6月23日には『千鳥の鬼連チャン』(フジテレビ系)に藤牧くんが初出演。惜しくも10連チャンは逃してしまいましたが、番組内で藤牧くんが発言した「MINIの皆、めちゃくちゃ強い」というパワーワードが、カムバ期間中、かなり我々の背中を押してくれました。
CD発売日当日に行われたプレミアムショーケースも最高でしたね。この日はすでにフラゲ分の売上とランキングが発表されていて、INIは2位という結果になってしまったのですが、最後のコメントでまず迅くんが「MINIの皆は本当にすごい!自分を褒めてください」、続けて雄大くんが「MINIが僕らの誇りです」と我々を優しく労う言葉を。かと思えば匠海くんや柾哉くんは「もっとたくさんの人にINIを知ってもらうため、活動の幅を増やしたい」というような、既存のファンの大量買いだけではすぐに限界が来ることを理解してるようなしっかりしたコメントを言っていたし、理人くんはショックを受けてるMINIの心に寄り添う形で「悔しい思いさせてしまってごめんね」という言葉から始めてくれたり。わりと、どの立場から何を言っても難しくなってしまう日だったかなと思うんですが、それぞれがそれぞれの立場に立って真摯なコメントをしてくれて、バランスのいいメンバーだなぁと思いました。この言葉で残りの期間、MINIはさらに頑張れたわけだし、発売日当日にイベントやることの大事さも感じましたね。
他にも、主にTikTokでいきなり愚痴垢が蔓延したり、柾哉くんがUPした動画がきっかけで謎にインドネシアでINIがバズったり、FCラジオで藤牧佐野が叩かれたことを匠海くんが華麗にフォローしたり……といろんなことがありましたね(全部謎の展開でウケる)。愚痴垢とか叩かれてることとかマイナスなこともきっとこちらが思ってる以上にメンバーには届いていて、でもそれを深く受け止めすぎずにスマートにいなす姿も、INIって大人だ!かっこいい〜!!と好きポイントでした。
きっとこれからも色々大変なことはあると思うけど、INIには自分たちがやりたい表現を納得するまで追求していってほしいな。個人的に、今のINIってSMAPでいうと『Fly』とか『朝日を見に行こうよ』期、嵐でいうと『時代』とか『a Day in Our Life』期くらいのニッチさを感じるんですよね。間違いなく質の良いものを作ってるんだけど、マニアックすぎてこれじゃあ大衆にはウケないよねという(笑)。でも本人たちが希望してこの路線を追求してるなら、それがいちばんだと思います。今後、何かのきっかけでINIにとっての『夜空ノムコウ』や『Love so sweet』が爆誕するのかもしれないし。これからどんな景色を我々に見せてくれるのか、楽しみです。
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