【日記】家にいる記録4

【月】
今のスマホを2年半使っていることに気づいて新しいスマホを買った。
動きも鈍く、いつ壊れてもおかしくない状態だった。

新しいスマホにアプリをインストールしながら、自分に関する情報が詰まりすぎていると思った。
メッセージのやり取りや写真、SNS、書き散らかしたメモ、読んだ電子書籍、見た映画、通販の記録、カードの使用履歴、銀行の残高、体重のグラフ、自分の身体のバイオリズムまで。
この小さな端末に、私がどんな人間であるかが詰まりすぎている。

【火】
自分で作ったご飯を直前に食べたくなくなる現象は一体何なのだろう。
そうめんをゆでて、野菜を切って、お肉を炒めて、出来上がるものは特別美味しくもなく不味くもない。

私は太りやすいから慎重に食べ物を選ばなければいけない。野菜多め、糖質と脂質は少なく、揚げ物は控えて、おやつは果物。
だけどそうやって注意深く食べ物を選ぶことが、ときどき猛烈に嫌になる。
健康でいることに面倒くさくなる。

【水】
テレビ東京の番組「家、ついて行ってイイですか？」を見ながらずっと泣いていた。知らない誰かの人生にどうしてここまで心を震わされるのか。
この番組は見る度に、丁寧に作られた良いコンテンツだなと思う。

【木】
自分の職務経歴書を作るために前職の会社のHPにアクセスした。
採用情報のページをうっかり開いたら、同じ部署だった同期が在籍社員としてインタビューに答える記事が出てきた。

彼女は今も頑張っているんだなと思うと、少しだけ心がざわついた。ぐっと身体が緊張するような感じがした。
夜になっても目がさえて、なかなか眠れなかった。

【金】
「ご飯を作りたくない」と夫に言い、昼食にお弁当を買いに行った。
自分では作らないアジフライ弁当にした。誰かの作ったご飯は美味しかった。