Distance Over Time DT14th ALBUM

DREAM THEATERのニューアルバム『Distance Over Time』が2/22に発売された。
今回の特徴はリリース前からの動きからもうかがえる。
レーベルの移籍をしているが、これは特段珍しいことでもない。
前回のアルバムから3年、その間に音楽業界で重要なポイントとしてはストリーミングサービスの拡大であろうと思う。
DREAM THEATERもまた各ストリーミングサービスに作品を提供している。
私が使用しているのはSpotifyだが、アップルでもラインでもメジャーなアーティストはほぼ聴けるはずだ。

彼らはアルバム発売までに3曲を先行配信している。
私は初めの1曲が発表されたとき、これは相当期待できる、と思った。
その大きな要因はドラムのマイク・マンジーニの存在だ。
私は前任でありDREAM THEATERの創設者の一人でもあったマイク・ポートノイのドラムが大好きだった。マンジーニも素晴らしいドラマーだが、好みからはずれていた。
そのマンジーニがこの作品ではDREAM THEATERのマンジーニを作りあげたと感じさせるのだ。ポートノイファンを納得させる進化を遂げている。

彼の特徴の一つに手数の多さがあり、それに因んだドラムセットはとても異様だ。この手数の多さをこれでもかと入れてきたのが今回だ。
それを可能にしたのはメンバー全員が4か月にわたって寝食を共にし、作曲とレコーディングをしたというエピソードからも納得がいく。
ベテランの域に達している彼らが過去の栄光に甘んじることなく、創造的でアグレッシブな作品を作るには原点回帰は必要だった。

このアルバムはそれらが結実した傑作となっている。
音楽を作る側からもう一点、ミックスがとてもよい。
各パートの分離も心地よく、バランスがとてもよい。

Spotifyでも聴けるのだが、CDも限定版を購入した。
2枚組の限定版はインストバージョンがついている。
歌が乗っていないので、バッキングがよく聴こえる。ボーカル以外の、楽器をする人にとっては勉強になるのだ。

ということで期待を裏切らないばかりかそれ以上の作品を出してくれたことに、ファンとして賛辞を贈りたい。
よい刺激をいただいた。

Dream Theater - Distance Over Time (Album Trailer)
https://youtu.be/jpvwRFMjD0M