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根尾昂選手が投手転向に球界騒然!?~根尾昂選手は何故投手転向に至ったのか、何が問題なのかファン目線で考察~

令和4年6月14日、球界を騒然させる一報が全国へ渡りました。

ついに根尾昂選手が野手から正式に投手転向となりました。

これに関しては賛否両論、むしろ批判の方が数多いというのが現実、正直言って根尾選手のファンである私にとっても困惑しかありません。

投手から野手転向というのはプロ野球では数多く聞く話ですが、野手から投手転向というのは実例がほぼありません。

そもそも何故このような経緯になったのか、これに関しては根尾昂選手がどのような選手なのか理解する必要がありますまずは根尾昂選手について説明しましょう。

根尾昂選手とは?

2000年4月19日生(22歳)
岐阜県飛騨市出身
2018年ドラフト1位
右投左打
遊撃手→外野手→投手
推定年俸1300万円

今季成績
26試合 打率.211(38-8) 0本 4打点
投手成績
2試合 防御率0.00 0勝0敗

通算成績
109試合 打率.172(232-40) 1本 40打点

根尾昂選手はプロ4年目の選手であり、まだまだプロとしての実績はありませんが、実は甲子園常連校である超名門の大阪桐蔭高校出身であり、高校3年生の時には遊撃手と投手の二刀流選手として甲子園春夏連覇を果たしたスター選手でした。

ちなみに中学時代には球速146キロを計測しており、実は中学時代からも有名な選手でした。

2018年ドラフト会議において、根尾昂選手は巨人、日ハム、ヤクルト、中日から1位指名を受け、見事に中日が交渉権を獲得し、プロでは遊撃手で勝負したいと宣言し、1年目は二軍で108試合も起用される等、将来のスター選手として期待されていました。

その後は去年のシーズンにあたるプロ3年目に8番レフトで開幕スタメンを掴み、さらにプロ入り初ホームランが満塁ホームランとスターの素質を遺憾なく発揮していましたが、結局成績が奮わず6月に二軍落ちし、シーズン終盤まで一軍昇格することはありませんでした。

ここまでが根尾昂選手についてです。次に根尾昂選手が投手へ転向するに至った経緯を説明しましょう。

何故投手転向へ?

今シーズン、与田監督から新体制となった立浪監督の下、春季キャンプ中に今シーズンは遊撃手ではなく外野手一本で勝負させると明言され、去年の内野手登録から外野手登録へ変更されました。

またOP戦もスタメン起用はほぼ無い中にも関わらず代打で結果を残し、2年連続で開幕一軍を掴み取りました。

でしたが、今シーズンは外野手として岡林勇希選手、鵜飼航丞選手という若手選手の台頭、助っ人のアリエル選手の活躍もあり、外野手としてチャンスが無いこと、さらに遊撃手のレギュラーである京田陽太選手が成績不振なことから、京田陽太選手の遊撃手の競争相手かつ、将来の遊撃手として、外野手ではなく遊撃手に再コンバートされることとなり、そのため二軍で遊撃手として調整していました。

しかしながら、5月に京田陽太選手の成績が一向に上がらないことと、守備でのミスが増えたことから、京田陽太選手を試合中に二軍へ強制送還、さらに大島洋平選手が死球の影響で負傷し二軍降格、鵜飼航丞選手、石川昂弥選手、木下拓哉選手がコロナ陽性一軍の主力が軒並み離脱したため、急遽一軍へ緊急昇格、大島洋平選手や鵜飼航丞選手が復帰するまで外野手としてスタメン起用されていました。

その後は大島洋平選手、鵜飼航丞選手も復帰したため、外野手としてのスタメン起用は減ったのですが、遊撃手としては立浪監督の評価は厳しく、守備力が物足りないと評価され、遊撃手としてスタメン起用されることはありませんでした。

そして二軍に落とされることはなく、何故か一軍の控えとしてまたもベンチを温める日々が続き、ついに5月22日の広島戦、さらに5月29日のオリックス戦に敗戦処理ながらも投手として起用されました。

その時の根尾昂選手のピッチング内容は私の過去の記事を参考にして下さい。

実は根尾昂選手の投手としての起用は開幕前から伏線はあり、春季キャンプではブルペンで投球練習させ、球速145キロを計測していました。

ただこの時は他に石川昂弥選手、岡林勇希選手、鵜飼航丞選手と一緒に気分転換がてらにブルペン入りさせたと説明されていましたが、後の中スポで、立浪監督が落合英二ヘッドコーチに根尾昂選手を投手としての運用を考えてるから投球練習をさせてほしいと指示したところ、落合英二ヘッドコーチは根尾昂選手一人をブルペンで投げさせたら注目を浴びすぎるから、他の投手経験のある若手と一緒でならブルペンで投球練習させても良いと立浪監督に意見をし、結果このようなことが実現していたという記事がありました。

外野手としてはチャンスが無いこと、遊撃手としては守備力が物足りないこと、さらに投手としては敗戦処理という起用ながら、プロの投手としての実戦経験が皆無にも関わらず、球速150キロを計測し、ストライクゾーンで勝負できていたこともあり、立浪監督は根尾昂選手を投手の方が根尾昂選手の持ち味を発揮できる、また中途半端は良くないという考えから、交流戦が終わった6月14日に、根尾昂選手を野手から投手へ転向させることになりました。


何が問題となっているのか?

まず投手転向の経緯を説明した通り、方針が一転二転三転しており、あまりにも朝令暮改すぎること、さらに立浪監督の言動に矛盾があることです。

開幕前は外野手一本、開幕したら外野手争いが激しいのでチャンス無し、遊撃手レギュラーの京田陽太選手が成績不振だから遊撃手に戻す、さらに一軍がコロナ蔓延で主力が離脱したから一軍に再昇格、主力が復帰しても遊撃手では起用しない

さらに投手起用についても突然の敗戦処理起用かつ、これまでの育成方針では投手運用は一切されていないこと。また現在の投手陣の成績不振も相まって、立浪監督が思い付きで投手に転向したのではないかと思われていることです。

また、遊撃手に再コンバート中なのに、二軍に落とさず一軍の控えのまま、さらに守備力が物足りないと言いつつ、成績不振の高橋周平選手を8年ぶりの遊撃手として起用させたこと、さらに立浪監督は若手は結果が出なくても我慢して起用すると言ったにも関わらず、根尾昂選手についてはスタメン起用が僅か8試合だけと、そもそも我慢すらされていないことが問題となっています。

確かにこれでは批判もやむなし、さらに中村紀洋コーチの降格や成績不振の福留孝介選手を代打起用し続けていたことも合わせ、最早立浪監督が暴走していると感じてしまうのも無理はありません。

また今後の方針としても、基礎を固めるために二軍で投手育成するのではなく、一軍帯同、主にリリーフ起用とし、場合によっては代打起用もあるという、端から見たら中途半端かつ育成する気はあるのかという起用法にも批判が飛んでいます。

もはや迷走かつ暴走、理解が及びません…


プロ野球で野手から投手転向した選手は誰がいるのか?

しかしながら投手転向は変えられようが無い事実、ファンがあーだこーだ言っても変わることはありません。

それではプロの世界で野手から投手へ転向した選手は誰がいるのか調べたところ、NPBには現役選手で2人おり、日ハムの姫野優也投手とオリックスの張奕投手がいます。

姫野投手は2015年ドラ8で外野手として日ハムに入団、2020年に戦力外通告を受け、育成選手として再契約し、2021年のシーズン中に外野手から投手へ転向し、球速154キロを計測するなど、投手として支配下登録を目指しています。

張投手は2016年育成ドラ1で外野手としてオリックスに入団、しかしながら2軍で全く成績を残せなかったことと、2年目に外野手登録ながら投手として二軍で5試合登板し、5イニングながら防御率1.80を記録し、2019年のシーズン中に外野手から投手へ転向、さらに育成から支配下登録されフレッシュオールスターにも選出されました。
ちなみにですが今シーズンのドラゴンズは交流戦で張投手と対戦しています。

メジャーでは野手から投手転向は珍しくない!?

また、海の向こうメジャーリーグでは意外と野手から投手へ転向することは珍しいことではなく、代表的な選手として、ケンリー・ジャンセン投手がいます。

ジャンセン投手は2004年に捕手としてドジャースに入団、2009年にはWBCオランダ代表に選出され、同年秋に強肩を活かすために投手へ転向。
2010年にメジャーデビューすると、そこからはドジャースのリリーフとして活躍し、2016年にはオールスターに選出され、さらに最優秀救援投手を受賞、さらに2017年には最多セーブを獲得し、2年連続で最優秀救援投手を受賞し、2022年にブレーブスへ移籍しています。

実はドラゴンズにもいた!?

ドラゴンズに野手から投手へ転向した選手はいたのか調べたところ、やはりいました。
それがドラゴンズの永久欠番「10」を着けていたレジェンド、服部受弘投手です。

服部投手は1939年に名古屋軍(後の中日)に捕手として入団、1941年に本塁打王を受賞するも1942年から第二次世界大戦の影響もあり、兵役へ、戦後は阪急に復帰するも、1946年に再び中部日本軍(後の中日)へ移籍し、同年6月に捕手から投手転向し14勝をマーク
その後は1949年には24勝、1950年には21勝をマークし、1958年に引退
投手としては10年しか投げていませんが、それでもプロ通算112勝をしていました。

また、服部投手の伝説としては、1952年の8月2日の巨人戦では、2-5の3点ビハインドの6回表、満塁の場面で代打に起用され、別所毅彦投手から逆転満塁ホームランを放ち、そのままマウンドに上がって勝ち投手になるという偉業を達成しています。


ファンとして正直に思うこと

私は根尾選手については、岐阜に怪物中学生がいるということから知っており、大阪桐蔭でのプレーから根尾昂選手の大ファンです。

ドラゴンズがドラフトで交渉権を獲得した時はかなり喜びましたし、コロナ前にはナゴヤ球場で根尾昂選手を応援しに行ったりもしました。

そのため、根尾昂選手の投手転向は正直言って困惑、最早意味がわからないと思っていましたが、ただ客観的に考えると、今の根尾昂選手は人気と実力があまりにも乖離しすぎているのではないかと薄々感じていました。

さらに今年の岡林勇希選手と石川昂弥選手の成績と去年の根尾昂選手の高卒3年目の成績を比較してみても、根尾昂選手の方が劣っているのではないかと感じていました。

岡林勇希
62試合
打率.241(232-56) 0本 9打点 OPS.581

石川昂弥
37試合
打率.225(129-29) 5本 19打点 OPS.675

根尾昂
72試合
打率.178(169-30)1本 16打点 OPS.482

また、他球団のスター選手と呼ばれた選手の高卒4年目の成績と今季の根尾昂選手の成績を比べてみると、

根尾昂
26試合 打率.211 0本 4打点


イチロー
130試合 打率.342 25本 80打点 49盗塁
(MVP&首位打者&打点王&盗塁王&最高出塁率&GG賞&B9)

西岡剛
115試合 打率.282 4本 27打点 33盗塁(2年連続盗塁王)

中田翔
143試合 打率.237 18本 91打点

浅村栄斗
144試合 打率.317 27本 110打点(打点王&GG賞&B9)

坂本勇人
144試合 打率.281 31本 85打点

岡本和真
143試合 打率.309 33本 100打点

今宮健太
144試合 打率.240 3本 42打点(2年連続GG賞)

森友哉
38試合 打率.339 2本 18打点
(3月に骨折、8月に実戦復帰)

鈴木誠也
129試合 打率.335 29本 95打点(GG賞&B9)

山田哲人
143試合 打率.329 30本 100打点 34盗塁(MVP&本塁打王&盗塁王&最高出塁率&B9)


村上宗隆
143試合 打率.278 39本 112打点
(MVP&本塁打王&B9)

もはや根尾昂選手とは雲泥の差…誰もがレギュラーかつ個人タイトルを獲得するレベルの選手となっています…

これで投手の可能性があるならば、根尾昂選手を投手に転向させるのも納得せざるをえません…

最後に

根尾昂選手のファンである以上、根尾昂選手がどのような立場になっても応援するだけです。

また、根尾選手はこんなに努力してるのにポジションをたらい回しにするなんて可哀想だと思うかもしれませんが、プロ野球選手は全員努力していますし、勝負の世界では結果が全てです。結果が出ない以上はどれだけ努力していてもクビになる厳しい世界です。
それこそ、いつまで甘えてるのか、と批判もされてしまいます。

よって、野手としてイマイチな成績かつ、根尾昂選手の長所を活かすための投手転向ならば、それを受け入れるしかありません。

もしこのまま野手で大成しなかった場合、何故あの時すぐに投手転向しなかったのかと言うファンも少なからず出てくることでしょう。

批判も賛成も様々ですが、吉と出るか凶と出るか、全ては根尾昂選手の努力と結果次第です。

あの大谷翔平選手の二刀流ですら、栗山監督は何を考えているのか、無謀だ、プロを舐めるなと散々批判されていましたが、大谷翔平選手のたゆまない努力と結果により、二刀流を確固たるものにし、今やメジャーを代表するスーパースターとなりました。

一番は投手として結果を出し、ドラゴンズでプレー出来て良かったと根尾昂選手が思ってくれれば万々歳です。今後も根尾昂選手を応援しましょう。

 


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