立浪竜、2024年シーズン前半戦成績まとめ。また落合英二投手コーチが一軍投手コーチへ、山井大介投手コーチが二軍投手コーチへ、大塚晶則投手コーチがブルペン担当に配置転換にどうなる!?
夢の球宴、オールスターでは白熱した試合が行われ、第1戦はまさかの両チーム合わせて33安打6本塁打、さらにセ・リーグ打線が1イニング9得点とオールスター歴代タイ記録を作りました。
さらに第2戦にあってはセ・リーグは16安打10得点、満塁本塁打含む3本塁打。パ・リーグにあっては28安打16得点3本塁打と両チーム合わせて44安打6本塁打という前代未聞となる歴史的な乱打戦となりました。
我らがドラゴンズからは高橋宏斗投手、ライデル・マルティネス投手、松山晋也投手、細川成也選手が出場し、第1戦では細川成也選手がオールスター初のタイムリー2ベース、さらに第2戦でもタイムリー2ベースを放ちました!!
一方で投手陣は撃沈。松山晋也投手はオールスター初登板ながらも1回1失点、高橋宏斗投手もオールスター初登板ながらも1回2失点。そして絶対的守護神ライデル・マルティネス投手すら1回1失点とオールスターの乱打戦に飲まれてしまいました。
そんな夢の球宴も終わり、再びペナントレースが再開し後半戦に突入しますが、実は後半戦にむけてドラゴンズ首脳陣に大きな動きもあり、
落合英二二軍投手コーチが一軍へ
一軍ブルペン担当の山井大介一軍投手コーチが二軍へ
大塚晶則一軍投手コーチが一軍ブルペン担当へ
配置転換となりました。
まさかまさかの配置転換。
ドラゴンズのシーズン中の配置転換といえば2022年の春先にいきなり中村紀洋一軍打撃コーチが二軍へ、波留敏夫二軍打撃コーチが一軍へ配置転換となり、多くのドラゴンズファンを困惑させました。
なお当時の配置転換にあっても、中村紀洋打撃コーチがドラゴンズ退団後、「理由は分からない」と説明しているため、今回の投手コーチ配置転換も邪推ですがあまり良い考えがあるとは感じられません。
なお今シーズンのドラゴンズですが、去年まで一軍ヘッドコーチを務めた落合英二投手コーチが二軍投手コーチに配置転換になったことにより、これまで崩壊していた二軍投手陣が見事に建て直されているので、落合英二投手コーチの手腕は本物と言っても過言ではありません。
また、以下に投手陣の成績をまとめていますが、今シーズンのドラゴンズの投手陣、とくに先発陣の成績がよろしくないので、その一軍投手陣を建て直すための配置転換であると言えるでしょう。
後半戦どう巻き返すか期待しましょう。
なおその後半戦を巻き返すために、まずは現時点、前半戦終了時点のドラゴンズの成績がどのような状態なのか改めて振り返りまとめてみました。
~リーグ順位・チーム成績~
ドラゴンズは開幕直後6連勝する等、勢いに乗り一気に首位に躍り出たのですが、それも束の間、案の定負けに負けを重ね、結果前半戦終了時点でドラゴンズは借金8のリーグ5位と大失速を遂げてしまいました。
チーム得点数はリーグワーストと今シーズンも貧打に苦しめられていますが、一方でチーム失点数にあってもリーグ4位となっており、結果として今シーズンは投打に渡り低迷しています。
バンテリンドームという投手有利の本拠地でありながらこの失点数は厳しいものがあります。
さらに得失点差にあっても、
巨人 +33点
広島 +29点
横浜 +7点
阪神 +18点
中日 -73点
ヤク -8点
とセ・リーグではぶっちぎりのマイナスを叩き出しています。
打てないし打たれるというまさに負のスパイラルに陥っている悪循環。これではチームに勢いが生まれるわけがありません。
それが証拠に3失点以上した試合の成績が
4勝35敗1分 勝率.103
と3失点以上した時点でほぼ負けてしまうという情けない結果となっています。
なお今シーズンはリーグ全体で見てもやはり超投高打低、前半戦終了時点でチーム防御率2点台前半のチームが3球団もあり、チーム得点数が300得点を下回るチームが4球団もあります。
参考までにボールの反発係数が基準値より下回った違反球時代の2011年、2012年のセ・リーグのチーム成績はこちらになります↓↓
単純に比較するなら、今シーズンにあっては違反球時代に匹敵する超投高打低シーズンになっていると言っても過言ではないでしょう。
じゃあオールスターの乱打戦は何?
次に個人成績について振り返りましょう。
~先発~
先発の成績は以上の通り。小笠原慎之介投手、高橋宏斗投手、松葉貴大投手が先発の柱として投げ、特に高橋宏斗投手は圧倒的な成績を残しており、まさに無双状態となっています。
一方で他の投手、特に先発の柱として期待されていた柳裕也投手とメヒア投手が不甲斐ないピッチングを繰り返してしまい、既定投球回達成の先発投手の防御率ワーストですら防御率2.94という超投高環境でそれぞれが防御率3.40、防御率4.24と圧倒的に打たれています。
また抜群の安定感を誇っていた涌井秀章投手も怪我により戦線離脱、トミージョン復帰から2年目となる梅津晃大投手も中10日ローテでありながら防御率4.02と打ち込まれており、結果として現在のドラゴンズの先発陣が崩れてしまっています。
本拠地バンテリンドームという投手有利の環境でこの惨状は由々しき事態。なんとか巻き返しを図ってもらいたいです。
そんな後半戦のキーマンとして期待したいのが育成上がりの松木平優太投手、2年目ドラ1の仲地礼亜投手、そして根尾昂投手の期待の若手先発トリオです。
高橋宏斗投手という若手最強格のエースに続き、若さで今の先発陣を救って欲しいです。
~リリーフ~
リリーフ陣の成績は以上の通り。絶対的守護神ライデル・マルティネス投手、育成出身2年目にしてセットアッパーの座を掴んだ松山晋也投手、去年セットアッパーから敗戦処理起用にまで落ち天国から地獄を見ながらも今季抜群の安定感を見せる7回のストッパー清水達也投手という、圧倒的な必勝リレーを形成しており、ドラゴンズ最大の強みとなっています。
また勝ちパターン以外でも斎藤綱記投手、藤嶋健人投手も抜群の安定感を誇り、さらにはロングリリーフの橋本侑樹投手すら防御率1.64という、リリーフ陣に関してはセ・リーグトップクラスと言っても良いでしょう。
しかしながら懸念材料が登板数の多さ。
これについても接戦が多いがため、さらには今シーズン既に14回もの延長戦を行っているがため、必然的にリリーフの登板過多に繋がっています。
後半戦と名はあれど、ペナントレースは残り53試合。おそらくドラゴンズ球団記録である浅尾拓也投手が2011年に記録した79試合登板を越えることは考えにくいですが、それでもライデル・マルティネス投手や松山晋也投手のシーズン登板数は60試合以上は越える可能性が高いです。
リリーフ陣はドラゴンズの強み。なんとかうまく運用をしてほしいところです。
~捕手~
捕手陣の成績は以上の通り。2021年から正捕手として活躍した木下拓哉選手がまさかまさかの絶不調に陥り、とんでもなく酷い成績となっており、今シーズン思い描いていた計算が一気に狂う最大の要因となっています。
そのためスタメンから外れることが多くなっており、今シーズンの捕手起用の方針が大きく代わったのか、現在特定の選手を正捕手としてスタメン固定することがなくなり、先発投手に合わせてスタメン捕手の起用が異なっています。
その正捕手だった木下拓哉選手の代わりに現在捕手として最も起用されているのが去年僅か10試合起用だった、加藤匠馬選手となっています。
加藤匠馬選手は打力がある選手とは言えませんが、圧倒的な強肩「加藤バズーカ」が売りであり、また打撃でも6月月間打率.389と意外性も見せました。
しかしトータルで打率.165と木下拓哉選手以下の打撃となっており、結果的に捕手陣がドラゴンズ打線最大のネックとなっています。
そんな中でも宇佐見真吾選手は今シーズンも打力を発揮しており、さらに若手捕手筆頭の石橋康太選手も一軍戦力として台頭してきているので、後半戦は両者の起用をどうするかが巻き返しのポイントとなるでしょう。
~内野手~
内野手の成績は以上の通り。実はルーキーの津田啓史選手と育成選手以外は今シーズン一軍出場を果たしています。
今シーズン最大の目玉でもある大型補強の中田翔選手にあっては怪我等もあり、現在成績不振に苦しみ正直期待はずれな成績となっています。
さらに中田翔選手との併用を期待された前主砲のビシエド選手にあっても今シーズンやはり衰えもあるのか、期待された成績を残せなくなっています。
一方で今シーズン活躍を見せるのが2年目の福永裕基選手、カリステ選手であり、起用法もユーティリティ起用であり特にカリステ選手は外野手起用ながらも期待に応える活躍を見せ、今やドラゴンズ打線の要となっています。
さらには3年連続不振に陥っていた高橋周平選手が今シーズンついに復活を果たし、さらにさらに怪我により離脱してしまいましたが村松開人選手がショートのレギュラーを掴み、また去年右肩脱臼によりシーズンをリハビリに費やしていた田中幹也選手が一軍初出場&開幕スタメンを掴み、圧倒的なセカンド守備力で内野守備の要にまで成長しています。
なお今シーズンは去年まで積極的に起用されていた石川昂弥選手、龍空選手にあっては今シーズンは開幕前から「特別扱いはしない」という立浪監督の明言通り、積極的に起用かつ我慢されて起用されることがなくなりました。
それでも石川昂弥選手は持ち前の打撃を発揮しています。
また戦力外から加入した山本泰寛選手、中島宏之選手は明暗が別れ、山本泰寛選手は貴重な内野ユーティリティ選手として活躍を見せる一方で中島宏之選手は代打の切り札として期待されましたが、まさかの今だノーヒットと苦しんでいます。
さらに育成から大抜擢したロドリゲス選手にあっても、元々打撃は二の次で守備を見込んでの抜擢でしたが、その守備でチームの敗戦に直接繋がる致命的なエラーを2回もしてしまいました。
内野手の後半戦のキーマンは福永裕基選手、カリステ選手、高橋周平選手、そして中田翔選手の復活であり、さらに石川昂弥選手をどう起用するかがポイントとなるでしょう。
~外野手~
外野手の成績は以上の通り。
今シーズン最大級の誤算と言っても良いのが、竜の天才打者である岡林勇希選手が想像を絶するほどの大不振に陥り、現在ドラゴンズ打線の1番打者が大きな穴となってしまいました。
しかしながら圧巻の成績を残しているのが細川成也選手。開幕18打数連続ノーヒットに陥っていたのですが、シーズン初ヒットのサヨナラホームランを放って以降、安定して長打や安打を量産し、前半戦終了時点でセ・リーグ安打数トップとなっています。
また、外野手として特出した成績を残したのが阪神戦力外から育成で移籍してきた板山祐太郎選手です。
立場的にも結果以外では評価されない状況から着実に二軍で結果を出し、支配下登録を掴み、さらに一軍でも最初は基本ベンチスタートでしたが、僅かなスタメン起用、ライトやセカンド、時にはファースト起用で堅実な守備力、打撃も猛打賞やタイムリーを放つなど破竹の活躍を見せ、結果として今やドラゴンズ打線に欠かせない選手となっています。
一方でOP戦で活躍し見事プロ入り初の開幕スタメンを掴んだ三好大倫選手は5月に二軍落ちとなってしまい、新助っ人のディカーソン選手も3本塁打を放つも期待された打撃を見せることができず、交流戦終了後に二軍落ちとなってしまいました。
また戦力外からの移籍組となる新戦力の上林誠知選手も期待された成績を残せず二軍落ち、さらに育成からまさかの大抜擢で開幕一軍入りを果たしたルーキーの尾田剛樹選手も代走の切り札として起用されていましたが、ルーキーゆえの未熟さゆえ、代走の切り札とは程遠い結果となり、オールスター直前に二軍落ちとなっています。
なお大島洋平選手は主に代打の切り札として起用、後藤駿太選手も代走守備固め起用ですが、後藤駿太選手は二軍で好調であるため、オールスター直前でスタメン起用されています。
また、この惨状で本当ならレギュラーを奪取してほしいブライト健太選手もイマイチ、鵜飼航丞選手にあっては二軍でもイマイチであり今だ一軍出場がありません。
外野陣の不振のため、現在内野手のカリステ選手がセンターを守るという去年までなら考えられない状況になっており、さらに一時的に内野手の福永裕基選手までもレフト起用となっていました。
後半戦のキーマンですが、細川成也選手、板山祐太郎選手。岡林勇希選手の復活もそうですが、状況によっては大島洋平選手をまたスタメンに戻すという手もあるでしょう。
~采配面~
立浪監督3年目となるシーズンですが、球団史上初となる2年連続最下位というワースト記録を樹立しての続投、3年契約の最終年なのですが、今シーズンにあっては試合中の采配面よりも、選手運用に対し懐疑的な部分がありました。
例えば怪我から復帰したばかりの選手を二軍調整期間を設けず、ぶっつけ本番で一軍起用することがあり、岡林勇希選手、中田翔選手、藤嶋健人投手、橋本侑樹投手がまさしくこれでした。
結果として藤嶋健人投手は復帰後も見事な活躍を見せていますが、岡林勇希選手と中田翔選手にあっては案の定、打撃不振のままで成績を落とし続ける悪循環に陥り、余計選手やチームを苦しめることとなりました。
また毎試合のスタメンにあっても固定されることがなく、今シーズンは毎試合打線が変化する状態になっています。
ただこれについてはオリックスの中嶋監督や名将と謳われた仰木監督も日替わり打線、いわゆる相手投手に合わせて臨機応変に打線を組み換えていたので全く間違いでもないと言えますが、ドラゴンズとしてはまだまだ絶対的レギュラーと呼べる選手が少ないので、毎試合打線が違うと選手に求められる役割も違ってきてしまい、まだまだ経験値が少ない選手にとってはかなり酷な状況とも言えるでしょう。
そして一番問題になっていることは、特定の選手にあっては結果が出なくても一軍起用。結果を出していても少し結果が出せなくなれば二軍落ちという、競争に矛盾が生じてしまっていることです。
例を挙げるなら中田翔選手、中島宏之選手、ビシエド選手、石川昂弥選手の起用法でしょう。
石川昂弥選手は去年主軸として13本塁打、プロ入り初の既定打席到達と積極的に起用していた石川昂弥選手を今シーズンは成績を残しているにもかかわらず、いきなりスタメンから外したり、さらには石川昂弥選手は比較的打っているのに対し、他の選手が打てていないにも関わらず突如として一軍登録抹消するなど不可解な選手起用が目立っています。
これが顕著だったのが交流戦の中盤と前半戦最後のカードです。
当時は一塁手に中田翔選手、ビシエド選手、石川昂弥選手がいましたが、中田翔選手は前述した病み上がり復帰+自打球の影響により身体が万全ではない状態でした。
そうなると本来なら中田翔選手を怪我が完治するまで二軍で調整させ、一塁手をビシエド選手と石川昂弥選手で回すのが普通なのですが、何を血迷ったのかビシエド選手と石川昂弥選手を二軍落ちさせ、万全ではない中田翔選手を固定起用し、案の定中田翔選手が打線の穴と化してしまいました。(それでも決勝打を2回放ちましたが、それ以外ではノーヒットでした。)
結果的に中田翔選手は交流戦後に二軍落ち、石川昂弥選手が再び一軍昇格となり結果を出していたのですが、それでも前述した日替わり打線により固定起用されることはなく、またしても前半戦の最後のカードの前に突如として二軍落ち。そして二軍首脳陣がまだまだ状態が悪いという中田翔選手を一軍昇格させました。
また、中島宏之選手にあっても代打の切り札として期待されていましたが、開幕直後に怪我により離脱。
その後一軍復帰しましたが調整不足で再び二軍落ちとなり、交流戦後に一軍復帰となっています。
しかしながら、この交流戦後の一軍復帰した時に実は二軍の試合でビシエド選手と石川昂弥選手がホームランを放っていたにも関わらず、その翌日に二軍打率1割台の中島宏之選手を一軍昇格という、競争とは一体何なのかとファンを呆れさせていました。
結果的に中島宏之選手は前半戦ノーヒットに終わっていますが、そうなると何故石川昂弥選手、さらには二軍では打率3割のビシエド選手が二軍で、二軍ですら打率1割の超ベテランの中島宏之選手が一軍なのか。
競争とは名ばかりなのかとファンの信頼を裏切る選手運用をしてしまいました。
他にも挙げたらキリがありませんが、采配面という選手運用に関しては今シーズン評価できるものとは言いきれないでしょう。
いくら戦力があってもこのやり方ではドラゴンズの浮上はかなり厳しいものがあります。
ファンとしては後半戦から改善されることを期待したいです。
ドラゴンズは去年の最大借金29から比べたら幾分か良くはなりましたが、それでも他チームと比べたらやはりまだまだ未熟な部分があります。
後半戦といえどペナントレースは残り53試合。
チーム一丸となって戦い抜くことを期待しましょう!!
~おまけ~
去年のシーズン前半戦成績はこちら↓↓
去年のシーズントータルの成績についてはこちら↓↓
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?