はじめに〜ポケカバブル崩壊!?そもそもバブルって?〜(無料)

こちらは、ポケモンカードの遊び方や上手な集め方、上手な売り方について考えながら、Twitterだけではお伝えしきれないことを気が向いた時にお伝えするノートです。


さて、初回のテーマは「ポケカバブル崩壊」についてです。

そもそもポケモンカードバブルとは何かと言えば、2021年1月〜2月中旬にかけてプロモカードやSRなどの高レアリティカードが加熱的に高騰したことを指します。

では、バブルとは何か?投資熱が加熱した結果、本来の価値に関わらず、相場が急上昇する状態の事をバブルと言います。

例えばある商品群の中に人気商品Aがあったとしましょう。Aの人気と価値はもともと高かったのですが、Aが絶版になることがきっかけにAの相場が上がります。

すると、Aを買えなくなった人たちが、Aと似ているけど、同じ商品群の中でわずかに価値の劣るBを買い求め、市場からBも減り、Bの相場も上がっていきます。

ここに目をつけるのが投資家と言われる人たちです。ファンの間でAとBが人気になったことに目をつけ、AとBを買い込み、さらに相場は高くなります。

バブルのはじまりはこの後です。AとBの価値が上がり切り、仕入れても利益が見込めなくなった頃になると、次に高騰するものは何かを期待するようになります。

そこでAとBに似た商品C、D、さらにその下のE、Fとどんどん下位互換の商品を買っていき、商品群そのものの相場を上げていきます。すると、それまで商品群に興味を持たなかった層も転売目的に買い求め、さらにF、Gと下の商品にまで値段がついていきます。

FやGはもともと商品群のファンであった人間にとってはあまり価値がないものです。しかし、転売目的で売り買いを続ける人たちの取引だけで相場だけが上がっていきます。

これがバブルです。

今回のポケモンカードゲームの場合、きっかけはレギュレーション変更によるBレギュカードのスタン落ち発表と、とハイクラスパック「シャイニースターV」の発売でした。

ポケモンカードゲームでは、1年に一度レギュレーション変更が行われます。今年1月22日以降「B」レギュレーションより古いカードが使えなくなりました。そのため、Bレギュレーションカードの中でもイラストがかわいく、封入率が低かったカードの絶版が確定し、ルチアが急高騰しました。

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ルチアの高騰は、シャイニースターV収録のマリィSRやリザードンVMAX SRの初動買取が高かったことも後押ししました。

ルチアの特徴は、デッキに必ずしも採用される強カードではなかった点です。キャラ人気・カードの強さを考えれば、Bレギュのサポート筆頭はシロナのはずです。


ルチアは単純なイラストの可愛さとレギュ落ちという2点勝負で高騰したのです。


ルチアをきっかけに、同じさいとうなおき先生がイラストを手がけた「かんこうきゃくsr」をはじめ、女性キャラサポートが軒並み高騰。

一部投資家の行き過ぎた吊り上げ行動の露呈、遊戯王への資金流入などをきっかけに、これらのカードたちが天井から降りたのが現状です。

これを指して「バブルが弾けた」と言われています。


少し前まではポケモンカードゲームでは古いカードは値段がつかなくなるというのが常識でした。そもそも、ルチアのようなカードが現れたのはいつからなのでしょうか。



大きなきっかけは2019年ではないかと思います。2018年にポケモンカードゲーム自体の再ブームが到来してから1年が経ったタイミングです。

少し脱線しますが、2018年にポケモンカードが現在に続くブームとなったきっかけは、夏に発売された「GXスタートデッキ」。これは、500円でポケモンカードゲームをはじめることができるとてもお得な商品でした。

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そして、ブームとともにはじめたプレイヤーがより強くなるために買い求めたハイクラスパックは2017年発売の「GXバトルブースト」です。

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先ほどお話したレギュレーション変更。この多くの新規プレイヤーが買い求めた「GXバトルブースト」に収録されているカードが、2019年冬には使えなくなってしまいました。

多くの新規プレイヤーがせっかく買い込んだカードが使えなくなることに愕然としました。

例年ですと、このタイミングで売り圧力が強まり、使えなくなったAレギュレーションのカードは軒並み暴落するのが常識でした。

しかし、その年は例年とは違うことが起こります。もう使えないカード=2度と再販されないカードとして、コレクター需要が高まり、一部のレアカードが価格を維持、または逆に高騰しはじめたのです。

中でも抜きん出ていたのがこちら。

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おなじみ「リーリエ SR」です。

リーリエは、山札を最大で8枚引くことができる当時の強カードで、環境にも入るカードでした。しかも、「サン&ムーン」の人気キャラ。

このリーリエは2019年冬以降相場を上げ続けて、現在は20万円を超える超高額カードとなっていることはこのノートをご覧のみなさんはご存知かと思います。


このリーリエが作った実績から、「女の子サポートカードのSRは高く売れる」という新しい常識が生まれ、現在に至ります。

リーリエは売れるための要素が完璧です。

人気キャラ・環境で使える強カード・イラストが良い

それが2度と手に入らないかもしれないとなれば、是が非でも手元に一枚残したいというのがコレクターの性ではないでしょうか。


こうして一人歩きした「女性サポートカードのSRは高騰する」というイメージが、現在でもポケモンカードゲームの売買では支配的です。



2月中旬の女性サポートを中心としたパック産カードの大暴落。バブルが弾けたと言う意見も頷けます。

しかし、ここでもうひとつ疑う心を持ってみましょう。本当にバブルは弾けたのでしょうか?


今回お話しした、ポケモンカード高騰の歴史とバブルについてのお話を踏まえて、一度考えてみてください。


私の考えは、また別の機会に。





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