我々は人間ではない。納税者だ。
我々は人間ではない。納税者だ。
僕は国というものを心底尊敬している。国の為政者も同時に尊敬しているよ。
これは、右翼だとか左翼だとか、そんな大それた話ではないよ。
だって、為政者たちが処理している事柄の複雑さって、ものすごいじゃない。
国を治める人たちにとって最も重要なことは何か。
国民の幸福、国力の充実、戦争の回避、国際社会への貢献、どれも少し違くて、
一番重要なのは現状維持。具体的に言うと、国内では反乱を起こさせないこと、国外からは攻撃してされないこと。これがすべて。
自民党は改憲したいんじゃなくて、軍隊を作りたい、と考えるとすべてわかりやすいし、決して首相の個人的な承認欲求で動いているわけなんかじゃないことがわかる。
つまり、軍隊を作るのは、先に言った国外から攻撃を受けないためであり、税金を上げるのは反乱を起こさせないためだ。国民の幸福なんてミクロな問題よりも、そもそも、"国"というものを維持させること。それが為政者に課された最重要課題だし、その現状維持というものがいかに困難なことか、自覚している人は少ないから、なんの面白みもない批判が繰り返されるよね。(森友とか加計とか税金の使い道とかどうでも良すぎる、というかそこが改善されても何一つ問題は変わらないのは先に言った理由ゆえ)
そうは言っても、我々は人間だし。ただ国の維持のために働く納税者だとは思いたくはない。
すべては矛盾しているよ。そりゃそうだよ。ごまかしだからね。でももうそれも限界なのかもしれない。対策を考えなければいけないかもしれない。
いつかなるときも、どんな困った人、弱者をも、最終的に「納税者」の域まで高めよう、という傲りがみられるのかもしれない。
死ぬまで保護される存在、というのがいてもいいのではないか。そしてそれを認めることで、到達できる新たな価値観というものがあるような気がする。
「つらかったら逃げよう」「好きなことなんてなくていいんだよ」というやさしい言葉が最近は流行りだ。フォロワー数至上主義という宗教が生んだビジネスだ。概ねクリスマスやバレンタインと同じだ。
しかし、その言葉は、裏に「つらさが収まったら、またお金を稼がなくちゃだめだよ」「好きなことがなくてもお金は稼げるんだよ」という、レースへの再挑戦の前提がある。
選ばれなくてはいけないよ。
暗記と整理と質の高い生産によって。
選ばれなければ、またいつか納税者への復帰が要請される。
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