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ユーロ圏動向5/30

ユーロ圏の経済センチメント、予想を下回る上昇

ユーロ圏経済楽観指数

ユーロ圏の経済センチメント指標は、2024年5月に96ポイントに上昇し、4か月ぶりの高水準となりましたが、4月の95.6ポイントからわずかな上昇にとどまり、予想の96.2ポイントを下回りました。サービス業のセンチメントは改善し(6.5対6.1)、過去および予想される需要の評価が向上しましたが、過去のビジネス状況の評価は変わりませんでした。製造業のモラルも若干改善し(-9.9対-10.4)、全体的な受注簿の現状評価が向上した一方で、生産予想は大幅に悪化しました。一方、消費者の悲観的な見方は減少し(-14.3対-14.7)、小売業者の信頼感は安定しており(-6.8)、建設業者の信頼感はやや悪化しました(-6対-5.6)。

ユーロ圏消費者の悲観、2年ぶりの低水準

ユーロ圏消費者信頼感

ユーロ圏の消費者信頼感は、2024年5月に前月から0.4ポイント上昇し、-14.3となりました。これは予備推定と一致し、市場予想の-14.2をわずかに下回りました。ロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年2月以来、ユーロ圏の消費者の悲観的な見方が最も小さくなったことを反映しており、その一因はインフレの鈍化とECBによる利下げの期待によるものです。

家計の現状および将来の財政状況に関する見通しは前月からほとんど変わらず、引き続き悲観的なままでしたが、マクロ経済の現状および将来の見通しに対する悲観は和らぎました。しかし、ECBにとって懸念すべきは、消費者が今後12か月間の価格動向に対する見方を過去1年間で2番目に高い水準に引き上げたことです。

ユーロ圏失業率、新たな低水準の6.4%に

ユーロ圏失業率

ユーロ圏の失業率は2024年4月に新たな記録低水準の6.4%に達しました。これは、過去5か月間の6.5%からの減少であり、市場予想の6.5%をわずかに下回りました。失業者数は前月から10万人減少し、1099.8万人となりました。

一方、25歳未満の若者の失業率は、3月の改定値14.3%から4月には14.1%に低下しました。主要なユーロ圏経済の中では、スペインが引き続き最高の失業率11.7%を抱え、次いでフランスが7.3%、イタリアが6.9%となっています。対照的に、ドイツは3.2%と最も低い失業率を記録しました。前年同期の失業率はわずかに高く、6.5%でした。

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