魔女の秘密〜魔女は急の事態に戸惑う。1

今から30年前、2人の魔女は大学の留学で人間界にやって来た。
 その2人は、元から仲の良い親友同士だった。
 そして2人は、留学を1年し大学卒業後、人間界に戻って来た。
 2人は、互いに好きな人(魔法使い)と結ばれ子供を産んだ。
 そして、偶然なことに同じ年に女の子と男の子を産んだことを知った2人はとある約束をした。
 それは、いずれ果たされることになる。




 "いつも"と違う学校生活。火夏目線

 火夏は"いつも"の日々が"いつも"通りに来ると思っていた。
 だが、目を覚まし居間に行くと、朝食と一緒に1枚のメモ書きが残されていた。
 その紙には、こう書かれていた。
『火夏へ
 ごめんね。家出します。
 だから、あなたはこの地図に書いてあるお宅に預かって貰うことになってるから。
 今日からそのお宅に帰って下さい。
 ※荷物はもう送っているので、安心して下さい。
                母より』
(・・・。家出?預かって貰う?一体何があったんだ?とりあえず母さんに電話を)
 と思い電話をかける。
 が、母さんが電話に出ることは無かった。
 なので火夏は、とりあえず母さんの言う通りにしょうと思い、いつも通りに学校に行く準備をして家を出た。



 部活が終わり、火夏は大親友の大谷花崗おおたにみかげと母さんの地図に書かれている最寄り駅まで、話しながら帰った。
 そしてその時に、母さんが家出したこと、これから知らない家に預かられることを言うと花崗は、
「へぇー。明日詳しく教えて。」
 と言うと汽車から下りていった。


 それから火夏は地図に書かれている最寄り駅で汽車から下りると、地図を見てこれからお世話になるお宅に向かった。



 どうやらここがこれからお世話になるお宅らしいが、表札を見た途端、
「・・・。嘘だろう。」
 と、呟いた。
 なぜなら、その表札には、[飛龍]と書かれていたのだ。
 それだけでも期待してしまうのに、良く考えると母さんの大親友は、好きな人の母親だった。
 まさか、好きな人の家に預かって貰うことになるとは、まるで夢のようだった。
 思わず自分の頬を抓っていると、いきなり玄関が開いて中から母さんの大親友であり好きな人の母親である飛龍栗さんが出て来て、
「早く入って、早くしないと咲良が帰って来ちゃうわ。」
 と言われたので火夏は、とりあえず家の中に入った。
 そこから自分の部屋と居間、洗面所、トイレに案内され、居間に戻ると玄関ドアが開く音がした。