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きみは短歌だった

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#本

【作者解説】歌集の「あとがき」について

「あとがきの解説」というのも妙な話だけれど、このシリーズのタイトルはすべて【作者解説】で始めてしまっているので統一する。関連する記事は以下の通り。 この記事を書くことにした経緯→ 20首連作「ぺらぺらなおでん」解説(Amazonから無料で作品が読めます)→ 第1回笹井宏之賞を受賞した連作「母の愛、僕のラブ」解説(作品未読でも読める内容です)→ 本記事では歌集『母の愛、僕のラブ』の作者解説シリーズ最終回として、「あとがき」について書く。作者解説そのものが無粋とも言えるの

【作者解説】短歌20首連作「ぺらぺらなおでん」

本記事を書くことにした経緯はこちら→ 柴田葵(私)の歌集『母の愛、僕のラブ』(書肆侃侃房 2019年)の冒頭に収録されているのが、短歌20首連作「ぺらぺらなおでん」だ。Amazonの試し読みから20首すべて読める。 これは第2回石井僚一短歌賞に応募し、次席(2位)になったものだ。なお、第1回石井僚一短歌賞に応募したのが、同歌集に収録されている別の連作「より良い世界」である。第1回石井賞は「20首以下」というめずらしい規定だったため、一首とでもどうとでも解釈できる「うん」だ

第1回笹井宏之賞大賞受賞から今までの話

2018年のある日、見たことのない電話番号から着信があった。一瞬、ある心当たりが頭をよぎったけれど、いや、そんなことはないだろう、と思いなおす。折り返すと、書肆侃侃房の藤枝さんという人が出た。 「第1回笹井宏之賞にご応募いただいた件なのですが」 と藤枝さんが言う。 「はい」 はい、としか言いようがない。否定した心当たりが踵を返して戻ってくる。もしかして、候補になったけれど不備があったのだろうか、まさか個人賞だろうか。 「柴田葵さんの『母の愛、僕のラブ』がこのたび、大賞に選