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パン屋にとって死活問題の暑さ【思いつく限りの対策】

noteお久しぶりになってしまいました。2店舗目を足立区竹の塚にオープンしましたが、とてつもない暑さと宣伝不足により、苦戦しております。

今年は災害級と言われるほど暑く、さらにこれが長く続くと言われています。従業員を抱えていなければ長い夏休みをとっているところです。

というわけで、僕が思いつく限りの対策を挙げてみたいと思います。対策と言っても、おそらく上手くいっても多少マシになる程度で、一番いいのは思い切って長い休みを取ることです。

ただし、僕のように従業員を抱えているとそれにも限度がありますので、今回のnoteでは休む以外の方法をなるべく挙げていきたいと思います。


営業時間を伸ばすorずらす

当店が採用する方法です。現在11:00〜18:00(竹の塚店は17:00)の営業時間ですが、暑さのピークが12〜16時の為、営業時間の半分以上が災害中という状況です。

今は従業員の人数が一番集中している時間帯が一番暇という、ものすごく勿体無い状況になっております。もちろん従業員の了承を得た上ですが、出勤時間を少しずらしてもらい、お店を開けている時間を長くします。

売上を上げる対策として営業時間を長くするというのは個人的に悪手であると考えていますが、今季に限ってはそうも言ってられないと感じます。お客さんが少しでも外に出やすい時間帯に買い物が出来るようにするべきだと考えました。

ちなみにこの対策は、僕がやっているお店のように歩いてお店に来るお客さんが中心の場所で効果を発揮すると考えています。基本が車での来店の地域に限っては、効果は限定的であるかと思います。

半無人営業をする

営業時間を伸ばすと仕込みなどの仕事が圧迫される恐れがあるため、例えば閉店後の時間は簡単に持ち帰れる商品だけの状態(セットにするなど)にしたり、PayPayのみの支払いにしたりして、奥で仕込みはしてるけどパンは販売出来る状態にする。という方法も考えられるかと思います。

小岩店では現在こちらを検討&テスト中です。

配達をする

この暑さでお客さんが来ない理由はほとんど「外に出たくないから」です。危険な暑さですので当然ですね。

炎天下の中での配達は車が必須ですが、車を所持している人は採用してもいいかもしれません。インスタのDMで受付をして、車で配達します。配達の時間帯は予め設定しておきます。(短めがいいと思います)

購入が少量でしたら配達手数料を取り、一定の金額を購入してくれた人には配達料無料にすると単価が上がると思います。

配達時間帯やメニューを提示した上で、DMで
・名前
・住所
・商品
など必要事項を聞き、配達に行きます。PayPayなんかだとQRコードを持っていけばいいので支払いも楽ですね。

車を持っていない場合は、配達を閉店後の夕方や夜にして自転車で行ける範囲のみ。という方法も出来なくはないと思います。(都内や郊外向け)

翌日の仕込みを圧迫してしまう可能性があるため、従業員に配達役を頼めるといいですね。

車で来た人にサービスをする

これは来客が車中心の地域で効果が見込めるかなと考えている方法です。

ターゲットは「車なら買いに行こうかな」と迷っている人です。人間は行く理由が増えると足を運びやすくなるので、お店に行く理由をいかに増やしてあげるか。という考え方になります。

あくまで一例ですが、お客様用の駐車場がないお店の場合、近隣のコインパーキングに停めて来てもらい、一定以上購入してくれた人にコインパーキングの金額分のサービスをする。という方法が考えられます。

ただしこの方法では、わざわざ歩いてきてくれた人が相対的に損をする形になるため、歩きの人には別のサービスを提供するなどの考えも必要かもしれません。バランスを見て有効そうなら採用を検討してみてください。

クーポン付きのチラシを配る

無闇なセールなどは悪手であると考えておりますが、今季に限っては話は別と考えている人は、「お得」で訴求する方法も検討してみてください。

クーポン付きではありませんが、竹の塚店は来週の朝刊の新聞にチラシを3000枚折り込む手配をしました。(認知が圧倒的に足りないため、すぐに用意出来るチラシを新聞の営業所に持ち込み、折込をお願いしました。)

ラクスルなどでは高額になってしまいますが、プリントパックなどで印刷→直接新聞の営業所に持ち込みでしたら、割と低価格で新聞折込をお願いすることが可能です。

また、僕がよく提案する手法ですが、クーポン付きのチラシを配った結果来店したお客様に、次の月に使えるクーポン券も渡すという方法は有効です。(いつもは周年企画などで提案します)

一例としては
・1000円以上購入で10%OFFになるクーポン付きのチラシを配布
・1000円以上購入してくれた人に、来月使えるクーポンを配布
・期間中品切れで閉店した場合、その時間に来店した人に来月使えるクーポンを配布(不満を和らげる為)
と、このような流れです。

また、ここに期間限定の高単価メニュー(冷やして食べるドライフルーツ入りのパウンドケーキなど)を入れるなどをすると効果的かと思います。

チラシの制作は有料ですが当スタッフが承れますので、必要でしたらTwitterのDMなどでご相談ください。

※参考までに今回、白黒の1色刷りでA5サイズのチラシをプリントパックで5000枚位印刷が税込¥6000程度。そのうち3000枚を読売新聞の折込で×¥2.7だったので税込¥8910、3000件の新聞折込だけにかかった金額は¥15000以下でした。

冷たい麦茶サービス

数少ない来店してくれたお客様の在店時間を少しでも長く快適に過ごしてもらい、客単価を上げる方法です。

必要経費は麦茶パック代と、小さな紙コップのみで出来ますので、スタッフが暇疲れするよりは良いと思えれば採用を検討してみてください。僕はこれを昔のカルディ方式と呼んでいます。

麦茶のサービスをしていることを店頭で張り紙などで出せば、たまたま歩いている人で喉が渇いた人が来店してくれる可能性もあります。思い切って「麦茶だけでも来店OK」と書いても良いかもしれません。

試食or試供品サービス

そろそろコロナも世間的に影を潜め、試食を再開しても良いとも思います。

試食を提供する理由としては、味を知ってもらう事と、先にサービスを提供して1品多く購入してもらい単価を上げる事です。

まだ試食の提供に抵抗がある場合は、オススメのパンを小さい状態にして個包装しておき、来客者に試供品として提供する方法です。

次回来店以降に客単価が上がる可能性がありますが、この場合は即効性はありません。

この機会に手を付けていなかった事に時間を使う①

暇なのは割り切って、まとまった時間がないと出来ないことをやるのも良いかと思います。

例えば原価計算をあまりちゃんとやっていない方は、この機会にぜひ原価計算を細かくやってみてください。

パン屋さんの原価計算に関しては、僕のYouTubeの動画がオススメです。

https://youtu.be/dAagc9njqxc

1時間半もあるめっちゃガチのやつですので、ゆっくり取り組んでみてください。

この機会に手を付けていなかった事に時間を使う②

スタッフの教育なども、普段腰を据えて取り組めないことの一つです。

例えば、普段レジ専門のスタッフにカスタードを作ってもらえるようにする。明太フィリングやダマンドクリームを作ってもらえるようにする。などです。

そしてそのためには、分かりやすいマニュアルを作るということが大事になります。一度マニュアルをしっかり作れれば、教えたスタッフが辞めたとしてもマニュアルはお店の財産になります。

おわりに

ひとまず思いつく限りをバーっと書きました。お店の状況などにより効果があるもの・無いものがあるかと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。

こういう時に大切なのは、とにかくなんでも色々やってみる事、変化を恐れない事です。失敗したらまた戻せば良いだけなので。

逆にあまり良くない乗り越え方は、人件費などの節約です。そもそも節約程度で乗り切れるレベルでは無いのと、労働環境が悪くなったりして長期的にスタッフが離れる原因にもなります。

また、「助けてください」とSNSで情に訴えるのも、最初は応援してもらえるものですが、長くやってしまうと見放されてしまいますので、やりがちな人は気をつけてください。

短期と中長期の目線を両方持ち、スタッフやお客さんの目線に立ち、秋まで頑張って乗り切りましょう。

僕が実際に自分のお店で行っていること、試行錯誤している事の詳細は、現在YouTubeのメンバーシップ内でコラムとして投稿しています。コラムは一定期間を過ぎると一部を残して手動で消している為、興味がある方は覗いてみてください。

https://www.youtube.com/@youtubebakery

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