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『CRYSTAR』 をクリアしました(ネタバレなし)

セールで買ってよかった〜
かなり丁寧にやりましたが、クリアまでのプレイ時間は25〜30時間ほどでした。ティアキンの半分ぐらい。

CRYSTARとは?(あらすじ・ゲーム紹介)

あらすじ 少女が目を覚ましたのは、死せる魂の集う「辺獄」。そこを彷徨う中で、彼女は幡田 零(はただ れい)という自分の名前を思い出す。一緒に辺獄に来ていた妹のみらいと再会した直後、突如悲劇が襲いかかる。悲しみに暮れる零は、ヘラクレイトスと名乗る「守護者」の声を聞き、その力を受けてみらいを救うことを決意する。 みらいが全ての記憶を失って転生する前に現世への「ヨミガエリ」を果たすため、零はメフィスフェレスという二人の悪魔と契約し、自我を失って辺獄を彷徨う幽者や幽鬼の魂を集める「代行者」となる。辺獄で待ち受ける数々のシレンを、少女は涙とともに乗り越えてゆく–––––––––––– My Nintendo Storeの謳い文句は「涙に意味を、与えてあげて。理不尽に涙し、それでも抗い立ちあがる少女たちを描いた"泣いて戦う"アクションRPG」。詳しい話は後述しますが、ゲーム面も涙を強く意識したデザインになっています。

犬を撫でることもできます。ただ犬ゲーと思って買わない方が良い。
こうして見るとポリゴン数とかギリギリな感じするし。

ゲーム性

ゲームの根幹自体は敵を倒しながらマップを移動し、(場合によってはボスが待つ)ゴールを目指すというシンプルなシステムになっています。アクションRPGなので敵を倒すごとにキャラクターは成長し、新しいスキルを覚えます。
戦闘パートの大きな特色は「断末魔」と「涙ゲージ」の二つでしょう。断末魔は敵の幽鬼(いわゆるザコ敵が幽者、ちょっと強い敵やボスが幽鬼)を倒した時に得られる「死念(しねん)」を取得するとエフェクトが出て、画面が雑な「ごめんねオラもう」みたいになるというものです。

雑な「ごめんねオラもう」の例。丁寧な「ごめんねオラもう」なんてあってたまるか。

ゲーム上特に意味はないどころか、画面が一瞬暗くなるのでむしろ邪魔といえば邪魔なんですけど、零たちは敵も元は生きた人間だということを痛感しながら進んでいるということがよく分かると思います。
「涙ゲージ」は画像の左下にあるものです。攻撃したり、ダメージを受けたり、泣いたりするとこのゲージが溜まります。
そう、このゲームは戦闘中に泣くことができます。泣くとスキルを使うために必要なSPが消費され、さらに泣いている間は無防備になって防御力も下がります。その代わりに涙ゲージが溜まるというわけ。
そうして涙ゲージを最大にすると、好きなタイミングで一定時間「守護者」を召喚できます。画像にいるでっかい鎧のやつは常にいるわけじゃなくて、ちょうどこの時召喚していたわけです。守護者は自分の攻撃に合わせて自分よりちょっと威力が高い追撃をしてくれます。一緒にいる友達があらゆる場面で自分よりちょっと上を行ってくるみたいでなんか嫌ですね。守護者を召喚している間には必殺技を放つこともできます。必殺技を撃つと守護者は定時だと勘違いして帰るので、ゲージがなくなる直前に使うのが吉。感覚としてはFE無双の覚醒や世界樹の迷宮のフォースのような感じ。例えの手札が少なくてごめんなさい。
戦闘パートの説明はこんなところにして、そろそろ感想を述べていきます。他のレビューを見るとまあこの戦闘パートはえらい不評なんですけど、それを知った上でやった僕も「これは確かになあ……」と思いました。詳しいことは不満点・問題点の項目で書きますが、端的に言えば、「捻りがない」ことがそう感じる原因だったと思います。ゲーム自体が悪いわけじゃなくて、そのゲームをより面白くするためのエッセンスが圧倒的に足りていなかったという印象。僕は意地で最後まで難易度ノーマルでやりましたが、難易度を上げても報酬が増えるとかはなくてただ敵が硬くなるだけっぽいので特にこだわりのない人はイージーでさっさと進めちゃって良いと思います。感覚的にはハーヴェステラよりはちょっとテンポ良いかなって感じ。分からない人はハーヴェステラをやってください。アクションRPGを名乗るならもっとテンポ良くあってほしかったというのが正直なところです。ただ、アプデでめちゃくちゃ色々改善されたらしいので、発売直後のレビューとかはあんまり信じすぎない方が良いかも。まあやってられないほどひどくはないよってことです。
ちなみに断末魔は部屋にも響きます。

知らなかったのか?罪悪感からは逃げられない。

この断末魔をどうにかするのが「断末魔浄化」です。涙を流して整理することで、死念を零が装備する「思装」に変えてしまうことができます。

この人……この記事を書くために女の子の泣き顔をスクショ……!?
ふざけるのも大概にしてください……
警察を呼びますよ!

シナリオを進めると、手に入る思装も強力になります。どんどん断末魔を集めて、幽鬼を狩るための道具にしよう!!

シナリオ

本作最大の売りであると思われるシナリオ。まあまあ……良かったと思います。ただ、ハーヴェステラとか十三機兵防衛圏みたいに「最高〜!!」って感じでもなかった。良くも悪くも期待通りって感じでした。というのも、王道すぎて先が読めてしまうところが結構あったんですよね。こういうシナリオ自体が王道というものでもないんですけど、「これ系」の中では王道というか……そんな具合。僕でも先が読めるってことはバカでも分かるように十分な考察材料が与えられているってことだからシナリオとしては親切なんですけど、その答え合わせに留まらない驚きの要素がもうちょっとほしかったなって感じです。そういう面で見るなら、個人的には1周目終わりから2周目の中盤ぐらいまでがピークだったかな。
あと、4周しないと全部のシナリオ見られないってレビューを見て慄いてたんですけど、2周目以降はかなり終盤からのスタートになるのでその辺はご安心ください。ただそれでもダレると思います。僕は2周目の最後まではイベントが入るなどして強制的に終了にならない限りマップを全部踏破し、全部の敵を撃破してから次に進んでいましたが、寄り道してもせいぜい得られるのは経験値と回復アイテム1個とかなのでこんなことしない方が良いです。こだわりを捨て、少女たちの結末を見守ることに集中する。それがこのゲームを楽しむコツと言えるでしょう。

グラフィック・デザイン

僕はあんまり詳しくないんですけど、まあ良かったと思います。メインキャラクターのデザインはもちろん、一部の幽者や幽鬼の得体の知れない化け物みたいなデザインなども魅力的だったと思います。中学の時の美術の成績ほぼ2だったのでこの意見に説得力とかはないです。
プレイアブルのキャラクターは衣装を着替えることができます。制服やら水着やら着ぐるみやら色々ありますが、物によってはシナリオのイベントが台無しになるので、僕は一通り見た後はデフォルトの衣装を着せていました。まあそれはこのゲームに限った話ではないので何ともって感じですが。ちなみに衣装が違うと泣く時のボイスもちょっと違うみたいです。

BGM

マジで良いです。これが1000円以下で聴けただけでも酷評を振り切って手を出して良かったと思っています。こういう賛否両論あるゲームってBGMの評価は軒並み高いの何なんだろうな。調べてみたら、かの「削除」氏が楽曲を担当しているそうです。確かに音ゲーっぽい感じは結構した。
あとゲーム内に音楽鑑賞機能があるのも良いです。大抵あるだろって思うか?与えられている環境が当たり前だと思うなよ、マジで(ハーヴェステラは今からでも遅くないからサウンドルームをつけてください)

問題点・不満点

いつも通り、問題点や不満点についても述べておきます。
シナリオ
・特になし。強いて言えばフルボイスなのでちゃんと聞こうとするとテンポ悪いし飛ばすと中途半端な感じになっちゃうということと、テキストログがないことぐらい。フルボイスって結構売りにされがちだけど、別にそんな良い物でもなくないですか?

戦闘パート
・敵の種類が少ない→雑魚敵の種類が8種類しかいません。ドラクエでもここまでしないぞってぐらい色違いによるかさ増しがあるし、何なら一部ボスの行動も雑魚と同じかちょっと強化されてるぐらいのものです。ボスの方から先に作って、その一部を雑魚に流用してるって感じなのかもしれない。

・爽快感に欠ける→道が単調ってのもあるんですけど、その割に敵が硬い。あと守護者もあんま強くなくて効果時間も短い(せいぜい発動した時にいる部屋の敵を全滅させる程度)。アクション自体はそこそこ軽快なんだけど、そういう事情で進みが遅い。単調なら単調で、無双シリーズみたいなゲームデザインにしちゃって爽快感に特化しても良かったんじゃないかなとやってて思いました。

・戦略性に欠ける→これも無双シリーズみたいな爽快感を重視したゲームデザインだったら解決したと思うんですけど、「敵を正面から殴って倒すだけのゲーム(その割に難易度が低いし、難易度が低い割に敵が硬い)」になってしまっているのがもったいないと思いました。属性攻撃とかがなくて物理か魔法の区別しかないので、ボス戦も回復アイテムを持ち込んで殴り続けるだけになっちゃってるんですよね。多すぎてもややこしいですが、せっかくキャラも複数いるし自由に切り替えられるんだからそこら辺はやり方あったんじゃないかなと思います。

・ゲームバランスが不安定→複数のキャラを使えるんですけど、その性能差が結構大きいです。まあそれはしょうがないことではあるんですけどね……これも属性攻撃とかで差別化を図っていればバランスよく使い所を用意できたんじゃないかなという感じ。

その他
・死念を捨てられない→このゲームには「死者回想録」というものがあって、敵の幽鬼を倒した時に得られる死念を手に入れるとその幽鬼のエピソードを読むことができるんですけど、死念を10個までしか持てない上に捨てられないせいで貴重なボスの死念が手に入らなかったことが結構ありました。まあもう一回やればいいだけの話なんですけど、マップを全部回って敵を全部撃破して、と丁寧にプレイしたことが仇になるのはちょっとな……と思いました。こういうこともあるので、意図的な寄り道はあんまりおすすめできません。ゴールが見つかったら素直に進んじゃいましょう。

総評

問題点も多いけれど、魅力も多いゲームだったと思います。特にBGM。
書いててふと思ったんですけど、アクションが簡単で単調なのは攻略見なくても良いようにしてるのかもしれないですね。ゲームの難易度を落として先の展開をゲーム外で見せないことで、シナリオを最大限楽しんでもらえる作りになっている可能性はあります。ちょっと好意的すぎる解釈かもしれませんが。
色々言いましたが、僕はセールで買った身なので値段以上に楽しめたと思います。僕が買った時みたいな激安セールが今後行われるかどうかは分かりませんが、やってたら買ってみてはいかがでしょうか。

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