「【C97】『あなたの「今」になれてたら。』 - Kagahiro Kasumi 1st Photobook」を読んで

 本を読んだら感想は述べた方が好ましいということを聞いたので、それならと思ってまとめてみようとしたところ、思ったよりかはちょっと長くなってしまったのでnoteにしてみました。以下がその感想です。

感想1:文章で想像がふくらんでエモい

 まず、タイトルの文でだいぶエモ感があるので割と文章中心でエモくしてくるのかな?と思っていたのですが、実際に見てみると、文章は写真にそっと添えられていて解釈のヒントぐらいになっている感じでした。

 だからこそかもしれないですが、写真に添えられた文章に誘われるようにして、写真の中に写る人がどういう気持ちなのかとか自分の想像がますますかき立てられる感じがしてエモかったです。

感想2:撮影するひとの視点・関係性

 次に、撮られた人がこちらを見つめていたり、反対にこっそり撮るようなアングルになっていたりで、撮っている人と写真の中の相手との関係性が感じられました。しかも写真がどれも綺麗に撮られていているので、たぶん撮影者にとって大事な一場面の数々だったんだろうというような想像が働いて、ますます切ない気持ちになりました。

感想3:「二人」の関係の接近と喜び、そしていま

 それから、話として「初めは遠くから見るだけなのが次第に夕方まで一緒に話をするようになり、その関係性が徐々に近づいて……」という中で、一緒に話せることの嬉しさが二人の間で高まっていく感じが視線や頬の感じから想像できるような気がして、どきどきする感じがしました(更に背景の時間も流れていて、その間も想像が膨らむ)。

 そんなふうに6-7頁、10-11頁と来て、12-15頁と畳みかけてからの18-21頁の流れ……😭

 最後の場面もいつのことかはハッキリとは示されていないですが、多分こうやって思いだすことを何回か繰り返しているのだろうと思えて、その度にそれがやっぱり思い出に過ぎなくて、その最後を知ってることに切なくなっていそうだと思うと……。

 また、見返してると、最後の場面もただ自分のことが相手の中に残っているようにというだけではなくて、あとがきで書かれている優しさの話が重なるように見えてくるような気がして、いろいろと考えられました。

その他思ったこと

 読み終えたあと、この作品の中で自分はかすみさんを見ていたのか、かすみさんの見ていた相手を見ていたのかを考えてみて、自分としてはちょっと飛躍している気もしつつ「現在のかすみさんの姿や振る舞いの中に過去の相手のものが幾らか移っていて、だからかすみさんが見ている相手の姿が現在のかすみさんの姿の中に重なって見えている」と解釈してみると、ちょっと淡い切なさを感じられる気がしました。

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