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受賞の向こうがわ⑦……改稿その2

2回目の打ち合わせのあと、すぐにまた2度目の改稿に取り掛かりました。

今回はまず、不要といわれた部分を全部切るところから始めました。すると当然、ぼこっ、ぼこっ、と話のなかに空白ができます。前後を無理やりつないでも、きれいな話の流れにはなりません。

単純に考えると、その空白を埋める方向で進めるか、全体を大きく書き直すか、取るべき方法はどちらかになります。

でも今回は必要最小限の加筆でとどめるようにしました。

というのも、ばっさばっさと加筆部分を切られはしたものの、さすがに全ボツということはなく、百枚中三十枚くらいは書き足したシーンが残っていたんですね。

なかには「ここはよかったですよ」とNさんがほめてくださった部分もあり、それらをうまく活用して、エピソードの順序を組みなおすことで、作品の質を上げられると判断しました(できればもう少し枚数を削ってほしい、とお願いされた影響もあります。あまり分厚いと、そもそも読者に手に取ってもらえないので……)。

なので、加筆というよりは話の中のごつごつした部分を整え、丁寧に全体を研磨していくイメージです。

さすがに前回のように自信のないまま送ってはいけない、と思い、ああでもない、こうでもない、と頭を悩ませ、改稿は無事終了。今回は体調を崩すこともなく、3月中旬、〆切より少し早く提出できました。

それなりにうまくいった実感はあったものの、これもダメだったら沼にはまる予感があり、ちょっと暗い気持ちに。この時点ではまだ、出版できないかも、という不安もけっこうありました。

Nさんから連絡があったのは、提出後、二週間ほど経ってからです。

おそるおそるメールを開いたところ、「とてもよくなったと思います」の一言が!いくつか細かい修正指示はあったものの、前2回に比べると取るに足りない量です。その修正を入れたうえで、次回はいよいよゲラに進みたいとのこと。

次はゲラ!

いやあ、うれしかったですね。
さんざん土砂降りの雨の中をさまよったあと、ようやく虹が見えたような気がしました。

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