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3つの“い”場所を 調布市青少年ステーションCAPS

調布市青少年ステーションCAPS(以下 CAPS)は「家」、「学校」でない、中・高校生世代が「安心安全」に過ごすことができる第三の居場所施設です。


どのような年齢層を対象にしていますか?
中学生、高校生世代向けの児童館です。小学生も来館はできますが、利用時間が17時までとなっています。中学生以上の利用者にCAPSカードを発行しており、小学生は入館票を書いて入ります。中学生高校生世代を対象にした施設なので、小学生が自由にどんどん来館できてしまうと、中学生高校生世代の居場所がなくなってしまうので、小学生はなるべく地域にある児童館を紹介するようにしています。

CAPSにはどんな施設がありますか?
バンドなど楽器の練習ができる音楽スタジオ、ダンスの練習ができるダンススタジオ、クラフトルームや、自習スペース、スポーツをする施設があります。
クラフトルームは美術室と家庭科室が一緒になったような部屋で、絵を描いたり、工作したりミシンや編み物などの手芸関係のことができます。

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コンセプトなどはありますか?
3つの居場所というものを掲げていまして、
1.居場所  安心・安全に過ごすことができる場所
2.活場所  音楽、ダンス、クラフト、スポーツ、サブカルチャー等の活動ができる場所
3.生場所  中高生世代が自主的にイベントの等の企画・運営ができる場所
この3つの居場所をコンセプトにしています。

イベントなどは行っているのですか?
CAPSでは年に何回かイベントを行っているのですが、夏祭りやクリスマスなどを大きいイベントと位置付けて、CAPSにきている中学生高校生世代で実行委員会を作ってそのイベントに向けて計画して実施しています。
今まではそのイベントに向けて実行委員会を組んで、イベントが終わったら解散という形で行っていたのですが、それとは別に今年から「CAPSでイベントを実現する会」を発足させました。定期的に話し合いをして、みんなからCAPSでやりたいことを聞いて少しずつ実現させていくということを行っています。今まで行ったその会の発案のものは、カラオケ大会、ハロウィンイベントの中のゲーム大会などです。

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職員さん以外に学生のボランティアなどはいるのですか?
CAPSを利用していた卒業生にイベントの時に手伝いに来てもらったり、イベント以外でも自分の特技をいかしたワークショップとか練習会のようなものをお願いしてやってもらったりしています。
世代によりますが、バンド活動がさかんで音楽系の進路に進んだ子が多い世代はCAPSを卒業してからも、ギターレッスンをやってくれたり、教職をめざす卒業生がいるとテスト前に勉強会をやってくれたりするのですが、今は日常的に関わってもらっていることは少なくて、イベントの時に手伝ってもらっているという感じです。

お祭りはどんな感じでやるのですか?
飲食出店、普段CAPSで活動している軽音部の子たちのバンド発表や弾き語りの発表、ダンスの発表、最近はマジックをやっている子がいるのでマジックショーなどのステージパフォーマンスと、射的やストラックアウトコーナーなどのゲームブース行っています。

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CAPSとして、調布市との地域連携はありますか?
はい。地域に出ていくことはCAPSとしても力を入れている部分で、地域の盆踊り大会でゲームブースを出したり、社会福祉協議会が主催している市民イベントで焼きそばのお店を出したりしています。中高生を一緒に連れていくことが多いです。あとは調布市にはCAPSの他に地域の児童館が11館あるので、その地域の児童館の年に1回のお祭りにCAPSも参加し、クラフトブースを出したりしています。

来館している中高生たちの変化のようすなどはありますか?
私の感覚だけではなく、昔からいる館長、副館長も感じているようですが、音楽やダンスなど実際その道でプロになって食べていきたいという利用者が減っているように感じます。今まではテスト前だからこそスタジオで練習ができる!という子や、プロのバンドを目指して、毎日放課後にここで練習している子たちがいたのですが、今は少なくなりました。テスト前になるとテスト勉強、高校3年生の春になるともう引退、と切り替えていますね。

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CAPSといえばダンスというイメージがありますが、そういう文化はまだ残ってますか?
私が勤め始めたころはストリートダンサーと呼ばれる人たちがいて、部活に入らずにCAPSやいろんな場所で練習をして大会に参加する、という子たちがいたのですが、今はその利用はほとんどありません。今はダンス部がコンクール前とか体育祭前に練習をして、それが終わったらピタッと休止に入るみたいな、そんな感じです。
そのため、そういった子たちがどうすれば練習しやすくなるのか、ショーケースをメインでやってる子たちのイベントやコンテンツを考えたいと思っています。

館運営、中高生と関わるなかで大事にしていること、CAPS職員でもっている共通のスタンスというものはありますか?
私個人としてはアンテナを張って利用者と関わるということを意識しています。児童館という誰でも来館ができ、公共性が高い施設ということで、そのスタッフだからこそ気づけるSOS、子供たちの変化があると思うので、そこを研ぎ澄ませ、気づけるということを大事にしていますね。

法人全体としてはCAPS以外にほかのこともされているからできる支援もあると思うのですが。
CAPSともうひとつの柱の事業が就労支援なのですが、調布市の観光案内所の運営の委託を受けています。CAPSの卒業後、社会に出ていく際につまづいていてしまったりした子に働いてもらったりしています。

調布市の中高生をCAPS一館だけでカバーするのは大変だと思いますが・・。
CAPSは調布市の西端にあるのですが、東部地区の方に中高生の居場所が少ないということで調布市の施策として、週に1回、調布市東部の児童館ホールに出張CAPSのような感じで赴いています。また、東部地区の他の児童館に中高生タイムがあり、2週間に一回、その時間帯に我々スタッフが出向いて、中学生と遊んだりしています。2週間に1度なので、なかなか関係づくりが難しく、最近やっと覚えられてきたかな、というところです。

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取材日2021年2月26日

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