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「なんでそうしたいの?」 尼崎市立ユース交流センター

尼崎市立ユース交流センター
兵庫県尼崎市にあるユースセンター。尼崎ユースコンソーシアムが運営。

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どのような年齢層を対象にされていますか。

 中高生向けの施設ですが、全世代でもが利用でき使えます。尼崎市では29歳以下が青少年と定義されているので、29歳以下の青少年は貸会議室、音楽スタジオ等を無料で利用できます。

どのような施設があり、またその施設で何ができますか。

 アマブラリとあまぽーとという2つの館がり、アマブラリ(学びの拠点)には図書館、自習室があり、会議室、多目的室といった貸会議室が合計3部屋あります。あまぽーと(活動の拠点)にはオープンラウンジ(誰でもいつ来てもOK)があり、ボードゲーム、ビリヤード、ダーツ、スイッチがおいてあり、いつでも遊べ、みんなでしゃべったりできます。また音楽スタジオとホールがあり、バンド練習、ダンスの練習ができます。

 尼崎の「ひと咲きプラザ」には5つ建物があり、そのうちの2つがあまぽーと、アマブラリです。ほかに子どもの育ち支援センター「いくしあ」と、教育総合センターがある「ひと咲きタワー」、尼崎看護専門学校があります。

 各センターが揃ったことで「教員・職員の人材育成機能」と「子どもの育ちを支える機能」、「市民の交流・学習機能」の3つの機能が有機的に連携した、学びと育ちの支援拠点「あまがさき・ひと咲きプラザ」がオープンして、1年がたちます。

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施設の設置や運営をしている貴団体についてご教示ください。

 4つの団体がコンソーシアムを組んで運営しています。
こうべユースネットとNPO法人ブレーンヒューマニティの2つが職員を出してセンターを運営していています。NPO法人ブレーンヒューマニティは、西宮市という隣の市にあるNPOで、阪神・淡路大震災で被災した子ども達の支援からはじまり、現在ではキャンプなどの野外活動、海外でのワークキャンプ、不登校の子ども達の支援などを行っています。また、こうべユースネットは、青少年の健全な育成活動に取り組む事を目標に、神戸を代表する16の青少年団体が中核となり設立され、現在では、神戸の青少年施設の運営、野外活動支援、指導者研修などを行っています。

 そのほか、NPO法人み・らいず2と一般社団法人ポノポノプレイスが入っています。NPO法人み・らいず2は、大阪のNPO法人で、障がい児や障がい者の支援事業や子ども若者支援事業を行っています。センターには、障がい児や不登校の子ども、家庭内暴力を受けている子どもなど、あらゆる方が利用されます。センターでは、職員に専門的な研修や相談・利用者との面談を行っています。
 一般社団法人ポノポノプレイスは、尼崎市における青少年や親子の居場所支援を行っており、こども食堂や育児に関するイベント、居場所運営等を行っています。センターでは、地域住民との連携や、食堂・放課後カフェなどでのサポートを行っています。

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どんなイベントをやっているのですか?

 大まかにわけると2つのジャンルに分けられます。1つは居場所支援系で、その場所が居場所になるようにみんなが楽しめるコンテンツを行っています。一緒にボードゲームで遊んだり、ハロウィンパーティなどを企画したりしています。もう1つは自己実現系で、中高生の学びになったり、成長につながるようなコンテンツを行っています。講座がそれに該当するのですが、例えばギターのプロの方を呼んできてギター講座を開いたり、プロマジシャンによるマジック講座など、中高生がちょっと興味があるけど、自分ではどう学んでいいかわからないことをプロと繋いで学んでもらっています。

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地域や学校との連携ではどんな活動を行っていますか。

 尼崎市は6地区に分かれています。サテライト事業という、私たちが出張してそれぞれの地区で活動する事業があるのですが、その6地区に地域課というその地域で活動する市の職員さんがいて、その地域課の方とその地域にどのような居場所を作るかを話し合いながら活動しています。

 
 もともと「青少年センター」という施設があって、それが老朽化でなくなってしまい、移転したのが当施設です。もともと青少年センターは小学生の利用が多く、中高生の居場所がないことが尼崎市で課題となっていました。6地区それぞれにも、小学生が遊べる学童や地域の公的な施設はありますが、中高生が行ける場所がほぼ無かったり、一応公的な施設はあるけれど誰も知らない、という現状でした。


 そこで、ユース交流センターを作って、中高生の居場所支援の拠点を作り、そこから各地区それぞれに中高生の居場所を作っていくことで、市全体で中高生の居場所を確保しようという取り組みが進んでいます。私たちが各地区に出張していき、地域課さんに「ユースワーク」研修を行いつつ、公的な施設の中に中高生の居場所を作っていくことを頑張ってすすめています。
また、活動的な先生で、地域や行政のイベントにも積極的な先生方とは、定期的に交流があります。


 他にも、ポノポノプレイスさんが月に1回居場所カフェを開催している高校があるので、そこに私たちも手伝いに行って学校の中でケーキやジュースを楽しみながらおしゃべりしたり相談聞いたりと交流を深めています。
学校には、こちらが大きなイベントをやるときに連絡させていただくことが多いので、「音楽イベントやります、フェスします!」って時には軽音の先生と連絡を取るなどをしています。

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中高生委員会や、中高生自主企画はありますか。

 中高生主催のイベントで、スケボーとけん玉をすごく好きな高校生が、「かっこいいけん玉として知ってほしい」と言っていて、「じゃあそれ、ここでやろう」と。8月に「かっこいいけんだまを教える」を小中高生に対して主催しました。

 b-labでいう中高生スタッフのような組織は作りたいな、と思っていて、募集が始まりました。尼崎は居場所というニーズが高かったので、中高生スタッフ的なことはしなかったのですが、オープンして1年経って行く中で、こういうことを実現させてみたい、こんなことをやりたいとかもっと施設をこうしていきたいという声がどんどんでてきたので、2年目は組織だったものを作ろうと、動き出しました。

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中高生と接する上で大切にしていることは?

 ユース交流センターとしては、中高生が多様な選択肢の中から自ら物事を選択して最後までやり遂げる力を養おうというミッションをかかげています。来ている中高生と接する時も、何か質問されたときにすぐ答えをいうと、自分で考えて選択して行動できなくなってしまうから、逆に質問で「なんでそうしたいの?」というのを返してします。自分でいろんなことを見つけて、選択して頑張ってやりきるようになれるのかを、大切に考えています。

概要

取材日 2020年10月2日

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