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友達の専門店があやしいのですが?#2(風ver)

タイトル:友達の専門店が大変あやしいのですが?
EP2 願いを、かなえてくれますか? 
風version
(目安 30分以上)

©猫寝来緋伽
猫寝来緋伽(@NenekiHitogi)さん / X (twitter.com)
YouthfulMaterial
創作サークル | Youthfulmaterial


――必読事項――
作品【友達の専門店があやしいのですが?】について。|Youthful Material (note.com)
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=======登場人物 略一覧===========
来竹雪    (性別はどちらでも OK)
セネヴィル  (性別はどちらでも OK)
ハジカミ    (男性寄り)
風太子     (男性寄り)
魔・声・クナド (どちらでも)
―精霊皇― (映像なら文章でもいい)
木皇      (男性的)
火皇      (男性的)
土皇      (中性的)
――(セリフ以外のところ) 音
― ―場面転換
= ト書き
=========================
―セネヴィルの店―
セ:いらっしゃい…ま…
雪:へへっ。きちゃった!
―― 一瞬の静寂。
セ:あ…。
=セネヴィル。カウンターにある装置をこっそりスイッチをいれた。
=この装置は、「キタケユキが来店したとき」の仕組みである。
=襖の閉まる音を皮切りに、レジが慌ただしくなる。
=客たちが雪に関わりたくないと、レジに群がったのだ。 
セ:あ、毎度ありとうございます。
 はい。たしかに丁度。包装は大丈夫ですか?
 あっ、こちらは調整終わってます。
 そちらは、そのまま持って帰ってもらって大丈夫です。
 はい、お代金丁度、頂いています。
 ありがとうございます。はい、大切に使ってあげてください。
 また、ご贔屓におねがいしますー!!!
雪:おっと…あ、すみません。
=去っていく客たちにぶつからないようにする雪。
=客たちもぶつからないようにしているが狭い店内と、客たちの幅で、まったくぶつからないわけではない。
=すこしの力でもぶつかると体制をくずす雪だが。それには謝りもせず、目もくれず客は出ていく。
雪:ごめんなさい。よっと。ごめんなさい!ええっと…ありがとうございましたー。
――ドアの閉まる音
セ:接客しないでいいよ。
雪:あははー。ついつい。
セ:(心の声:おかしい…。あれから回路を組みなおして、要石も強いものにしたのになんで店に通じるんだ…)
雪:お客さん、帰っちゃったね。
セ:こういうのは波があるものだからね。―ちょっと店のことしながらだけどいい?
雪:どうぞどうぞ。
セ:えっと、お茶…。市販品しかないや。
雪:全然!お構いなくー。
=雪は、ほけーっと店の上にある品をみている。
=セネヴィルは、店を掃しながら、影からハジカミが顔を出して手招きしいているところへ寄る。
=ハジカミとセネヴィルは雪を気にしながら話す。
ハ:結界回路。今度はなんもなかったぜ。
セ:リンク先が切れてるまま…とか?
ハ:いや、ちゃんと普通の家につながってた。
セ:どういうことだろ…。
ハ:あとよ、ちょうど客たちとすれ違ったところだったから、口止めもしておいた。まぁ。キタケと関わりたくないだろうから、心配ないだろ。
セ:ありがと。
雪:誰か、いるの?
ハ:やべ!!
セ:いやー?
―柱時計の重たい音 秒針の音
=友達同士の無言の空間。
=かといって、心が穏やかにはならず。戸惑うセネヴィルに。あることを切り出せない雪。
雪:看板、飾ってくれてるんだね。
セ:せっかく作ってくれたけど、店頭に飾れなくてごめん。
雪:ううん、いいのいいの!
セ:そういえば、学校どう?
雪:それがさー。―だはー…。
セ:すごでかため息。
雪:いやー…、最近ツイてなくて…。
セ:へぇ?
雪:動画投稿やってる友達の手伝いしてたの。
セ:へぇ。ジャンルは?
雪:ホラーエンタメ。
セ:(せき込む)
雪:…大丈夫?
セ:平気。続けて。
雪:私は、情報収集と、カメラに。許可取りの電話とかの裏方やってたんだ。ただ…少しでも関わると、投稿できなくなっちゃって。
セ:投稿できないって何?
雪:機材トラブルでしょ。ヒトコワでしょ。編集で加工したように、くっきり写っったり。がっつり声がはいったり。…これとか。
セ:うげ…。すごいな…。それで?
雪:で、会議でさメンバーのひとりがさ。関わる動画がおかしいって言いだしたの。コメにも、やらせだ。編集がある回ってなっちゃって。
セ:…。
雪:メンバーも私の動きは知ってるから、そんなことできないって理解してるけど。クビにしないと、毎回収集がつかなくないくらいに炎上して…。
セ:たしかに心霊系は。写ってる写ってないっていう話ができるくらいがいいんだろうけど。
雪:毎回くっきり写ったら、幽霊 屋敷のほうがいいわけでね。私はクビ!    
  はぁ。― 暗くなっちゃったね!―。
  あ。このペットボトル、そこの自販機の?
セ:うん。
雪:クナド様って知ってる?
セ:そういうのにクビ突っ込みすぎて、収入源なくなったんだろうがー。
雪:こういう話をするのは好きなんだよう!!
  ホラーにも、色々あるでしょー!!
セ:はいはい。どんな話なの?
雪:あそこの曲がり角に、クナド様って神様がいて、力を貸してほしい人は、自分の鏡を持ちながら、お願いするの。
セ:ふーん。
雪:どう思う?
セ:どうって…。ただ鏡を持ってお願いするだけでいいの?
雪:えっと。持ちながら合わせ鏡にしてたって。
  聞きたい事を強く頭に思い浮かべてから
 『苦など無い道を、教えてください』って3回いうの。
  祈りが通じると、鼻の高いお面をかぶった
  いかつい大きい男の人が現れて
  ゆっくりと優しい声で教えてくれるんだって。
  ―でもさ!? その割には、ちょっと変だよね。
セ:珍しい。鵜呑みにしてないんだね。
雪:もちろんだよ!痛い目をもうみたからね!!
セ:…で、何したの? 
雪:あは…ははは…。私と友達2人で実際やったんだ。すごく不気味だねって終わったんだけど―
=時計の音に遮られる
―時計の時報音 15分毎になる古い時計の音
雪:こんな時間!?やっばちょっと抜けてきただけなんだよ。帰りにまたくるよ!!! うお!
=お茶をこぼす
セ:あーあ。やった。ほら。
雪:きれいなハンカチよごれちゃうよー…。高そうだから!!!
  今度はちゃんと洗って返す!!
=雪、店を去る
=セネヴィル。ずんずんと奥の襖に向かい、扉をあける
=風太子が小上がり和室に座って涼しげな顔で、和菓子を食べている。
風:行ったか。
セ:仕事しろ。
風:報告ならもうしたぞ。
セ:そっちじゃなくて…。ちゃんと対応するとかあるだろう?。
風:会ってはいないからな。襖を隔てていたのでな。
セ:お前。気付いてて、自分で襖しめてたろうが。
 …たく。雷のほうが熱量もって仕事してるよね…。
風:『比べるな』甘味はそう言っている
セ:和菓子食べると仕事投げ出し気味になるのどうにかしたほうがいい。
風:日本の甘味は、繊細で、目でも楽しませ。
  その程よい甘さで、解きほぐして―――
セ:あー。もういい。前もいったけど、銀鈴は鳴ってない。
  それは見たでしょう?
風:確かに。なってもいないし。検知をした気配もなかった。
セ:はぁーーー…。
ハ:なぁ、話の場所って、すぐそこだよな。
セ:場所的にはそうなるかなぁ。えっと…回覧板―。
  一件だけ注意喚起あるね。
  『通行時危険なので、曲がり角には、立ち止まらないように』か。
ハ:地域会長の小言かよ。鏡って魔を跳ね返す力があるんじゃねーの?
  日本は特に縁深いはずだよなぁ?
風:八咫鏡のことか。
セ:まぁ、鏡にも色々な話があって。
ハ:鏡にも色々??
セ:たとえば鏡の形や材質はいままでいろいろ変わってきたとか…。
  この鏡とカーブミラーも材質は違う。
ハ:そうなのか。でも鏡じゃん?
風:その口ぶりは、もう原因がわかってるんだろう?
セ:実は、そう。あとのことは言うより見た方が早いな。
―場面転換。雪の学校 校舎―
雪:おかしい。誰もセネの事知らない…。今度は写真みせる??
 んや~。また編集したときみたいに変になってたしなぁ。
 これは見せられないよなぁ。
  うーーーーーん…同窓会。どう誘おう…
―激しくなる心臓の音
=まるで何人もの心臓の音。不安をあおる音。
―自分の鼓動が耳にへばりつくような声。
=『知ってる?』多くの声。ほとんど雪の声のように聞こえる。
=雪は、少し憑りつかれたような目をしている
声:知ってる? ねぇ。知ってる??
雪:-…何を?
声:クナド様のこと
雪:クナド様。
声:苦を肩代わりするやさしい神様の話。
雪:それ本当かな?神様ってそんな簡単にくるの…かな…。
声:本当?本心?真実?嘘?揺れているのはあなたの心。
  騙されてない?利用されてない?そのお友達は本当にお友達かな?
=昔にある童謡のような口調になる
  鏡よ鏡 純粋な想い いろいろな願いがあるけれど
  鏡よ鏡 のぞけば。願いが叶うのなら。
  鏡よ鏡 嘘のない国へ連れて行っておくれ。私の願いをかなえておくれ
―場面転換 クナド様付近―
セ:ここですね。
風:なるほど…。辻か。
セ:回覧板のここ。注意書きの下。
ハ:んー。石のやつがねえな…。
風:―…。ゴミステーションの移動のおしらせ。…なるほど移転先で、そこに資材か。
ハ:ほんとだ。資材の後ろに石碑がある。
 …無理やり抜いたか、倒してあるな。
セ:会長は、昔の知識がある人で。それをみて不安になったんだろうね。
  そうしているうちに、クナド様なんて話もでてきた。
風:だから何か触りがあるまえに、言葉を選んで…そこに留まるな。
  ―と回覧板に書いたのか。
セ:先手を打とうかなって思ってたんだけど。
  雪のことがあったから、後回しになってた。
ハ:ほかの住民は、それを小言として、スルー…したと。やれやれだな。
  よっと…。よし。直したぞ
=ハジカミ、石碑を丁寧に直していく。
セ:クナド様は、久那止神。「苦など無いように」じゃなくて。
 『来な処』来てはならない所って意味。
 辻は、魔物が出入りしたり、住み着いたりする。
 久那土神は、それらから守ってる。いる場所が、危ないってこと。
ハ:いいやつじゃん…。伝説も本当だったりして?
セ:それはないかな…。話が混ざってるんだよ。まず、カーブミラーの鏡は、天岩戸伝説からもってきたんだろうね。それを合わせ鏡にする?
ハ:場所的に、まずしないか…。
風:赤い面は、天狗か、天手力男神を連想させてると?
セ:おそらく。
ハ:じゃあ、誰かがつくった話ってか。
風:誰か来る。飛ぶぞ。
―場面変化 セネ・ハジカミ・風太子。屋根の上。 下。雪ふらふらと、鏡の前に来る―
セ:雪…?
=雪はすこし泣きそうな顔をしている。
雪:クナド様。セネは、ずっと私の友達ですよね…?
セ:…っ。
―重い音 拡がる
=雪には聞こえない 
=雪の体から出る黒い闇がすべて鏡に移動していく。
=雨が降り始る
雪:今日降るっていってたっけ…。おっと…。え?
=鏡から重たい鈴の音が響いてくる
=雪は気付いている
―ズモモモ
=鏡から、黒い闇をまとった人がでてくる。
雪:うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
  恐怖!!怪奇!!珍現象!!!
=走りながら、手荷物をなげる雪。セネヴィルから借りたハンカチが、おおきくなり包み込む 魔物がうごけなくなる
=雪は投げ終えるとまた泣きそうな顔をしている。
雪:投げられるもんはもうない!!ダッシュだ!!
=闇に目もくれず走りにげていく雪
=魔、追いかけようとするが、ハンカチによる魔法が発動していて動けないで苦しむ
=セネヴィル・ハジカミ、風太子が道路に降りる。
セ:木綿さんの布はすごいねぇ。
ハ:木綿って。…あれ一反木綿の一部か?
セ:そそ。知り合いに妖怪のお医者さんがいてね。
  ダメになって手術した切れ端をもらって、細工をしたんだよ。
  これはもちろん了承を得ているよ。
風:そして、加工した。黒曜石の糸で刺繍。
セ:黒曜石は、昔、鏡にもつかわれたことがあるもので。縁はある。
  そして、守りにも攻撃にもつかえる。
ハ:なるほど…。
=魔に向かいなおる。
セ:お前、言霊から生まれた妖怪だな?
魔:セネ…ヴィル…め。
セ:お前もか…。なんで名前知ってんだ
風:風太子だ。私も理由が聞きたい。
魔:風…。太子…。
風:俺は知られていないらしいな。セネヴィル。
  核がこれ以上浸食されるまえにやったほうがいい。
セ:魔法流動…安定。黒曜石 元の姿に戻れ。
魔:こんな姿に…あぁ。…いで…が…にくい…にくいぞ!!!
=セネの魔力でまきあがる音と重なり大事なところがよく聞こえない
ハ:セネ、あぶねえ!!
魔:効かんわ!!
=何度か攻撃をよけるが、後ろからの一撃をくらい、くずれていく
魔:ハハハ。脆いのう!!
セ:ハジカミ。ご苦労。…射貫水流― 黒曜破魔矢
=糸は黒曜石の矢になり、一反木綿の切れ端は羽根になる。
=黒曜破魔矢が魔を貫く。
魔:アアアアアアアアアアアアアアア
=魔の部分が消え、久那土神が姿を現す。
ク:あぁ…やっと戻れた。手間をかけたな道具屋。
セ:この度は、申し訳ありません。
ク:よい。道具屋その年でよく気付いたな。あとは私が引き受けよう。
=争いのおこったあと。壊れたハジカミに寄る 崩れた木片に糸を通すように、魔法を流していく。
=手首からくるくると回し、魔力の流れをつくる。
=ハジカミの新しいからだをつくるセネヴィル
セ:ハジカミ、ほら…息をしろ。ゆっくりな。
ハ:ゲッホゲホ…。ぷはーーーー!!!
  何度目でも壊れる気分はいいもんじゃないな!!
  なぁ、もっと丈夫なもので体作り直そうぜ。
=セネヴィル。ハジカミの言葉が届いていない。悲痛と混乱の顔を浮かべている。
セ:(小声)なんで、名前を知っているんだ…。
  しっかりと知っているなら…。雪と同じレベルで忌み嫌われるはず。
  魔族や魔物は、魔力の臭いで識別する。
  個体名を覚えることは通常しない。
  正気に戻った久那土神も、この名前は知ってる感じじゃなかった。
  噂話程度から力をもった者が、名前をしり、憎悪を抱いているのは…。
  ハ:おい、セネ…?
セ:―ん?
ハ:胃、つらいか?薬もってくるか?
セ:いや、大丈夫。
ハ:一反木綿の切れ端がよう、医者のいる山で黒曜石を弔ってくれるっていうけど、どうする?
セ:お願いしようか。
ハ:じゃあ、頼むぜ!切れ端!!おいおいくすぐってーよ!!
セ:友達になったのか?名でもつけてくれって。
ハ:おれが?えっとじゃあ…。黒木綿!!気に入ったか!!!
  おう、まーたーなーーー!!
セ:じゃあ、そろそろ戻るかぁー。雪がうちに避難しにきてるだろうからね
ハ:あいつ、また来てるのか!?
風:甘味を食べながら話を聞こう。
セ:記録装置置いていけばいいだろうが。甘味はわけてやるから報告をしに帰りやがれ。
――場面転換 皇宮にて――
――(映像編集があるなら、文章だけうつるというのも可)―――
=木皇の視線は、地上にむけられている。
火:木皇、いるかー!! おう。ここにいたか。風太子、雷太子から愛ある報告書があがってきてな!!
木:視ていたので大丈夫ですよ
土:はい、木皇さんは、さっきから視ていらっしゃいました
火:そうか。なんだか、居ても立ってもいられなくてな
木:おそらく。五皇の座に居るものは、感じとっているでしょうね
火:…はじまるのだろうな
土:そうですね はじまってしまうのでしょうね…
木:早急に手を打とう
EP2 願いを、かなえてくれますか?
==============ep2 Fin================

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