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「ギャンブラーの誤謬」はなぜ進化したのか、いや、進化しなかったのか? #Cogbias Ⅱ |進化心理マガジン「HUMATRIX」


人間のアタマには思考の落とし穴が備わっている。

認知心理学者や行動経済学者たちは、数々の研究や実験によって実証された、その “バグ=リスト” を俺たちに惜しみなく提供してくれる。

しかし、それを見て「ヒトの脳みそは愚かだ」とはっきり言い切ってしまう前に、進化心理学者のG.ギーゲレンツァーやP.トッドらが主張するように「 “愚か” であることこそ適応度が高く、生物個体に賢い選択を促すものだったのだ(少なくともわれわれホモ属の長い歴史において)」──ということについて深く考えてみる必要がある。   

認知バイアスが自然淘汰されなかった理由、認知バイアスが自然選択され続けてきた理由を探ってみよう。

認知バイアスの進化〟というテーマを取り上げるのがこの #Cogbias シリーズだ。

進化論のレンズを通してみれば、"設計ミス" は→設計に、"不合理"は→生物学的合理性へと転ずるかもしれない───。


> #Cogbias シリーズ前回の記事はこちら;

『損失回避バイアス』が進化した理由。 ─── 不合理な認知バイアスの裏にひそむ、生物学的に"合理的"な論理を暴け#Cogbias⑴ |エボサイマガジン

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【「サピエンスの心と行動のロジックを隠れた生物学的動機から読み解くマガジン。進化心理学のフォースを身につければ、世界が変わって見えてくる。】

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