戸籍謄本を取ってルーツをたどる話(その1)
目的
先祖の戸籍を遡れるだけ遡る
理由
なんとなく内容と手法に興味があった
昔の情報とかあまり聞けてないので取得できる方法を探る
来たるべく遺産相続にあたって家族以外に相続できる人がいるのか情報がないので下調べ
遡る方法
戸籍謄本的なものを取って、そこに書かれている情報を遡るとルートにたどり着けるらしい。ITで喩えると戸籍の終わりまで再帰問い合わせを続ける。
取得すべき情報
先祖のデータを辿るために必要となるものは以下の通り。
除籍謄本
死んだ人のデータがずらりと記載されている。祖先はだいたい死んでいるのでこれが主。
改製原戸籍謄本
平成以前のデータはこれらしい。
現在の戸籍は戸籍全部事項証明書というものになっているようだが、現在の戸籍については把握しているつもりで、必要ないので請求しない。パスポートとか遺言とか普通に必要なときにはこれを取得する。
誰のデータが取得できる?
戸籍に関しては直系親族のものなら特に証明なく取得可能だそう。
父系だけでなく母系も取得可能。
直系親族以外だと直系親族の委任状が必要になるそう。
実際にやってみた
ということで実際に先祖の戸籍を取得してみる。
ステップ1-1 自分の出生時の本籍地(美咲町)
自分の場合はもともとの本籍が岡山県久米郡柵原町(現在は美咲町)ということころにあり、結婚の時に新しい戸籍となったので、まずはそこから遡ることにする。ちなみに美咲町には誰も住んでいない祖母の家が現在もある。長らく実家だと思っていたが、父一家はそこに住んでいたわけではないということを葬式で聞いた。
美咲町のサイト
問い合わせる
サイトを見ても今ひとつよくわからないので、家系図を作りたいから戸籍謄本を取得したいがどうすればいいのですかと正直にフォームから問い合わせる。
直系親族なら特に問題はないので恥ずかしがらず堂々と正面から問い合わせたい。
美咲町から返事が来る
するとすぐに丁寧な返信と記入例をメールでいただいた。ありがとうございます。
戸籍の請求には使用目的を記載する欄があるので悩んでいたが、記入例によると家系図作成でいいとのこと。
以前の筆頭者であるところの祖父の名前すらわからない状況であったのだが父の名前から自動的に遡ってくれるらしい。
封書で請求
プリントアウトした戸籍謄抄本等郵送請求書に必要な情報を記入して、免許証のコピーと定額小為替3000円と返信用封筒と一緒に封書で送付する。
どうして3000円なのかというと、除籍謄本、改製原戸籍謄本ともに1通750円なので4通分になる。いくつかの役所のサイトを見ると先祖をたどるには普通4通くらいになるのでとりあえず3000円分送れと書かれていたのでそれに従っている。
なお、請求者と必要な戸籍の人物との続柄が役所で確認できない場合、続柄が確認できる戸籍謄本等の添付が必要となるが、筆者は以前の戸籍が請求地だったので必要なかった。
4枚の改製原戸籍謄本と除籍謄本が届く
数日待っていると美咲町役場から電話がかかってくる。
すると3000円を超過しそうだったので、しないように現在(自分が抜けている状態の)の戸籍謄本を1枚減らしてもいいかという確認だったのでOKする。
そして祖父は勝田郡勝間田町というところより転籍してきたということなので、以降についてはそちらを参照してくださいとのこと。
数日待つとずっしり重い封筒が届いた。
告知通り全部で4通。自分の名前に×が付いた改製原戸籍謄本が1通と全員×が付いている除籍謄本が3通だ。除籍謄本戸籍からいなくなった証明なので基本的に×が付いているはず。
届いた謄本
届いた謄本は以下の通り。
父母が結婚したときに新しい戸籍を作った際の父が筆頭者の改製原戸籍謄本
昭和35年に編製された、祖母が筆頭者の除籍謄本(いわゆる二次改製)
筆頭者が祖母なのは父方の祖父は戦病死しているため
昭和32年に編製された、曾祖父が筆頭者の除籍謄本(昭和23年民法改正によるいわゆる一次改製)
曾祖父が戸主の改製原戸籍。昭和13年勝田郡勝間田町からの転籍により作成される
このあたり、内容はほぼ変わらないにせよ戸主制から筆頭者制に変更が行われた関係で変更が多いようだ。これ以前の戸籍については転籍前の場所に再帰問い合わせを行う必要がある。次は勝田郡勝間田町のDNSサーバー町役場に問い合わせる。
判明した情報
送られてきた謄本等により判明した情報。
時系列を追って若い順に記載していくが、他の人にとっては全くどうでもいい情報だと思う。
母の母の名前が「ヒテ」濁点がない
自称「松代」だった祖母の名前は「とらよ」だった。葬式の時は「とら代」だった気がする。
父方の祖母の父の名前が亜の下の横棒がない文字なのだがよくわからない
たまに祖母の家で見かけたり年賀状が送られてきて名前だけ記憶にある苗字は、祖父の妹二人の家だった
祖父は明治44年生まれ。昭和18年に亡くなったので31才で亡くなっている
曾祖父の妹(二女)が結婚により一旦戸籍から出て離婚して入り直している
曾祖父と曾祖母は大正11年に婚姻。時系列が!?
婚姻による認知って何だ?
曾祖父の戸籍に長女(祖父の姉もしくは妹)がいない
戸籍謄本を取得することで、祖父の生まれた日よりずっと後に曾祖父と曾祖母が結婚しているのを知ったり、離婚して出戻ってきた人がいたことがわかる。戦前もいろいろあったのねと思う。
そして、血縁的には曾祖父は繋がっていない可能性がありそう。知らんけど。
かかったお金 3000円
ステップ1-2 分家して柵原町に本籍地を変更するまでの戸籍を取得する(勝央町)
美咲町役場からの電話でも話があったのだが、祖父が勝田郡勝間田町というところより転籍してきたとのことなので、これより先代の情報はそこから取得する必要がある。
柵原町同様に現在は勝間田町という町は存在しない。町村合併により現在は勝央町になっているとのことなので、取得した情報を使い勝央町に請求する。
勝央町のサイト
美咲町は定額小為替を送付する必要があったのだが、勝央町はクレジットカードで支払い可能だ。為替を郵便局に買いに行く必要はないし、費用の不足を心配することもない。
送付書類だが、美咲町と違い、自身がその地の戸籍に掲載されていない場合、自分と請求したい人の関係性を証明する必要がある。そこで美咲町に送った書類一式に加え取り寄せた除籍謄本等の書類のコピーを全部送りつけた。
数日待つと電話がかかってきた。
内容の不備というわけではなく部数がよくわからないということなので1通と伝えると、すぐにカードでの支払い先がメールで送られてくるので支払う。750円ということなので1枚だけだ。
届いた謄本
予想通り、送られてきた除籍謄本は1枚のみ。勝田郡勝間田町に本籍があったのは高祖父の戸籍から分家して柵原町に本籍を変えるまでの短い期間だった。
除籍謄本により判明した情報
こちらについても知らない情報がいくつもあった。
除籍謄本には祖父の妹の
女長女がいた。昭和10年に婚姻で籍を離れていた模様長男であるところの祖父より後に生まれた長女だが
女長女 になっている長女も曾祖父母の婚姻前に生まれている(大正4年)がそのときに認知されている
祖父の認知は婚姻時(大正11年)
二女は長女の嫁ぎ先の近所の同じ苗字の人と婚姻していたものの後に離婚。何があった。
分家前の本籍は英田郡楢原村というところになるので、ここから情報を辿るために英田郡楢原村に再帰問い合わせを行う。
かかったお金 750円
ステップ1-3 曾祖父が分家する以前の戸籍を取得する(美作市)
英田郡楢原村と言う住所は案の定ない。美作町になり、現在は美作市になっているようだ。自分が最後に住んでいた25年前の記憶で言うと美作は柵原同様にびっくりするほど田舎でだいたいが山だ。それが市になっているというのも何やら不思議な気分だ。
それはともかく請求を行いたい。
美作市のサイト
ここで問題が発生する。誰の戸籍を請求すればいいのかよくわからない。請求すべき直系親族(ここだと父系の高祖父)は戸主ではないようなのだ。直系親族ではない人の情報は取れないはずなのでいったいどうすればいいのか。
請求すべき直系親族と戸主が違うのでどう請求すればいいのかよくわからないが、ここまででとりあえず書類を送りつければ電話でなんとかなるという悪い学びを得ているので、気にせず送ってから考えることにする。
すると数日後、特に何の連絡もなく1通除籍謄本が送られてくる。様式は「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」があるいわゆる明治31年式戸籍。戸主は曾祖父の兄だったことがわかる。高祖父が死去したため兄が戸主を継いだらしい。昔の戸籍の特徴なのか曾祖父の兄一家の情報が列挙されている。
除籍謄本により判明した情報
祖父の妹が戸籍にいる
祖父の母(曾祖母)も戸籍にいないが祖父の妹の父としての記載がある
それより前に生まれているはずの祖父が戸籍にいない
高祖父は戸主の父として記載。明治41年に死亡。その他の情報はなし
高祖母は安政元年生まれ
高祖母の父は自分と同姓
もしかして高祖父は養子?
まだ奥がありそうなので曾祖父の兄の前の戸主である高祖父の除籍謄本をもう一度美作市に請求してみるが、電話がかかってきて、探してみたがもうこれ以上古いものはないとのことだった。
ということで父方の父系についてはいったんおしまい。祖母、曾祖母の情報がまだ未取得だが一旦個々で止めておくことにする。
かかったお金 750円
これまでのまとめ
父方の先祖を戸籍がある限りたどった
手紙と電話で何とかなる
家庭の事情が垣間見えた
祖母と曾祖母の情報は今後がんばる
かかったお金は4500円と郵送料
(その2母方編につづく)
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