これ以上分かりやすく書けない、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)入門


DCF(ディスカウントキャッシュフロー)入門

DCF(ディスカウントキャッシュフロー)?なにそれ?

画像2


DCF法とは株式の価値を調べる際に便利な極めて本質を突いた評価方法であり、単に流行で中身の無い指標とは一線を画すものです。

画像3

画像6

画像4

画像5


DCFを端的に要約すれば、株券や不動産を国債や銀行預金のように評価する方法という事です。

つまり、株式や不動産を銀行預金と考えます

変な考えですが、利子を生む銀行預金収入を生むビジネス(株や不動産)を同じように考える方法(DCF法)です


DCF法を
もっともっと分かりやすく表現します
ここを徹底的に解説します

まずは、数式を使わずにディスカウントキャッシュフロー法の本質を学びましょう。


DCF法とは、避雷針を発明しドル紙幣の表紙にもなっているベンジャミン・フランクリンの有名な言葉

画像1

画像7

「時は金なり - TIME IS MONEY」

から派生(発展)した考え方です。

つまりどれだけDCF法が小難しくても、本質は「時は金なり」なのです。


それを数式で表したのがDCF法なのです。これは多くのプロが知らない知識です。


これでDCF法の学習は50%終了しました。

あなたは出だしからいきなりDCF法の本質を掴んでしまいました。

この先少しだけ難しくなります。ここでページを閉じて立ち去っても良いですよ!

高校を二回留年して二十歳で卒業した私が出来る限り優しく解説しています。



第二部 割り引くという考え方

画像8


5年間満期の15%複利の100万円特別待遇銀行預金できる権利
(預金者10000人に一人当たるキャンペーンに運良く当たっちゃった!!とします)
1年目 1,115,000円

2年目 1,320,000円

3年目 1,520,000円

4年目 1,749,000円

5年目 2,010,000円

(分かりやすくする為に、細かい金額は省略してます。おおよその数字です)

で、5年後には年利15%複利で100万円が約201万を手にすると思いますね?

1.15(1年目)X1.15(2年目)X1.15(3年目)X1.15(4年目)X1.15(5年目)X100万円=201万円(5年満期)


もし現在の時点であなたが緊急を要する事があり
口座を手放さなければならないとしたら!
誰かにこの預金を売ることができればいいですよね?

さていくらで売るといいのでしょうか?
5年満期の201万円でしょうか?
それとも最初に入金した100万円でしょうか?


特別優遇金利にせっかく当たったのですから
100万円で誰かに売り渡すには馬鹿げています!
それでは満期の201万円が正解でしょうか?

いいえ
この特別待遇銀行預金の価格を考えると201万とは違うのです。

DCFの考え方からすると、現在の時点においては201万まるまるは手に入りません。

結局157万が現在価値という答えになるというわけです。201万からずいぶんと少なくなり、寂しい限りですね。


なぜなら、「現在」の時点での価値を出そうとしているので、「5年後」の金額からはだいぶ「割引く」必要が出てくるからです。割り引くなんて難しい言葉かもしれませんが

画像9
「現在の適正価格に正しく鑑定する」

と考えていただければすんなり理解して頂けるのではないでしょうか


ではいくら割引け(鑑定すれ)ばよいのか?

まずはこの表をご覧管下さい。

5年間5%複利の100万円の銀行預金
1年目 1,050,000円

2年目 1,100,000円

3年目 1,150,000円

4年目 1,200,000円

5年目 1,270,000円

(分かりやすくする為に、細かい金額は省略してます。おおよその数字です)


これはごく普通の銀行預金で「無リスクな安全な金融商品」でも5年も経てばこれくらい増えちゃいますということです。
結局「5年後」ならば1.28倍されてますので、「5年遡る」ならば1.28で割らないといけないのが、この表の要点です。

5年間我慢すれば誰でも100万円が127万円になります。
5年後の127万円は利率1.28で割引き、現在価格に鑑定しなおす必要があります。
結果100万円となるわけです、だってごく普通の銀行預金なんだもん
プレミアなんかつかないでしょ?

ということはさっきの「5年後には約201万」は「現在の時点」の価値に直すためには1.28で割らないといけないので
201÷1.28=157となるわけです。

で、結局157万が現在価値という答えになるというわけです。

ですから、先ほどの
5年間満期の15%複利の100万円特別待遇銀行預金をすぐ売る必要があった場合


157万円で売るというのが合理的な判断となります

画像10


馬鹿げていますが、思考実験にお付き合い下さい

5年間満期の15%複利の100万円特別待遇銀行預金をすぐさま
他の投資家に157万円で売り、それを直ちに普通の銀行預金(5%)に預金したとします。

5年後の結果は

157万円 × 1.28(28%の利息) = 201万円となるわけです

片や、5年間満期の15%複利の100万円特別待遇銀行預金を満期まで持っても
201万円となるわけです。


DCF法がややこしいポイントは
銀行預金100万円に利息がついて、一年後105万円になるというのは
日常生活で体験しているので理解しやすい。しかし・・・・・・・


一年後の105万円の銀行口座を現在の価格に評価しなおすという
考え方は「時間をさかのぼるの」で

日常生活でありえないから混乱するのです。

画像11

お分かり頂けたでしょうか?

金融商品の価値を判断する鑑定眼を持っていないと株式市場ではボッタクられるので、ぜひとも鑑定眼を身につけてください

画像12


まあこれは美術や骨董品でも同じ事ですが・・・・・・・・


リスクプレミアムという考え方もあります。
これは投資や社債などの将来お金が返ってくるかどうか分からない金融商品の鑑定の時に使うに割引率を上乗せして使うのです。


身近な例では

友人などにお金を貸したのなら沢山利子をつけてくれると約束されても返ってくるかどうかわかりません。友人に書いてもらった借用書の価値を鑑定するには

危険負担のお駄賃(リスクプレミアム)
をつけて割り引く必要があるのです。

画像13





よく頑張りました!
これで貴方はDCF法の基礎を学んだという事です


これでDCF法の80%は終了です。


残り20%は徐々に難しくなっていきますので、今回は扱いません。

ここまで完全に理解できれば、DCFの要点を抑えた事になります。お疲れ様でした。

ここまで読んでなんだか分かったような分からなかった人達に救いの言葉があります。

画像14

正確に間違うより
概ね正しい事のほうが良いのです

ウォーレン・バフェット


これはディスカウントキャッシュフロー法にも当てはまる。ここまで解説しておいてなんですが
DCFを正しく理解しなくても大丈夫!ただし概念として概ね把握する事は決定的に大切である

なお、全米NO1の大富豪になった事もある偉大なる投資家ウォーレンバフェットもDCF法を愛用している。

画像15



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?