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22歳 漏斗胸手術の記録

2021年10月に漏斗胸の手術を受けたため、同様に悩んでいる方の参考になればと思いこれまでの経験と手術について記そうと思います。

まだ入院中ですが、結論はやって良かったです。悩んでいる方は少し長いですが読んでください。

経緯

私が漏斗胸と初めて診断されたのは中学2年生の時でした。それまでも症状はあっただろうが特に誰かに言われたことも無く、自身も不審に思ったことはありませんでした。なので病気であることを知り、それから少し意識してしまうようになりました。

運動部に入っていて体力は多い方では決してありませんでしたが、特別息切れがすごいとかでは無かったので凹んでるだけという気持ちでした。

しかし、中学生の終わりから高校生にかけ、形変だな。かっこよくないなと思うようになりました。人前で着替えることが少し嫌になり、プール入る時は上に何かを着るようになりました。筋トレや姿勢、呼吸法など、半年ほどがんばってみましたが効果を実感することはありませんでした(かなり頑張って続けて結果を出している人もいるので努力不足です)
中学生のとき一度本気で手術を受けるか悩みましたが、2、3年は激しい運動の制限がかかると言われ、かなり悩みましたが、両親は反対だったのと高校生でも部活はしたかったのでしないことにしました。

大人になれば気にしなくなる。そう当時も励まして貰いましたが、それから8年間自信が付くことはありませんでした。幸いにもこの事が原因でいじめられることは無く、お付き合いさせて頂いた方にも気にしないと言われていたのですが、コンプレックスとしてずっと自分の中にありました。何度も友人と温泉にも行きましたが、見ないでくれと願いながら入る事がほとんどでした。

そんなこんなで来年には社会人という歳まで来ました。社会人になっては長い間入院は出来ないですし、少なからず仕事に支障が出ます。最後のチャンスだと思い今後もう大学生で激しい運動は出来なくなりますが、受ける決心をしました。

手術について

手術は日本で一番漏斗胸手術の件数が多い病院で受けました(検索すればすぐ出ると思います)
Nuss法というバーを入れる手術をうけました。
手術2日前から入院し、PCR検査、血液検査等を終え入院します。術後は9日間経過を見たので全部で12日間でした。

入院も初めてで、ほとんど恐怖心もなかったのですが、詳しい説明を受けるとバーを2.3本入れること、感染症などの合併症や全身麻酔のリスク、かなりの痛みを伴う。とだんだん怖くなってきてしまいました。
 そして手術当日、朝一の手術でしたので、特に考え込むような時間もなく、任せるしかないという気持ちで緊張はあまりなく手術代に乗りました。すげー。ドクターXで見た機械だ。とわくわくしているうちに麻酔で記憶は飛びました。

「おわりましたよー」目が覚めるともうHCUにいました。まだ麻酔が効いていたので違和感はあるけどよく分からないという感じでした。そのまま少し寝てしまったと思います。

私は重症ではなく私生活には支障がない中程度と診断されていましたが、鎖骨から下の方まで広範囲だったのでバーを4本入れたそうです。

 次に意識が戻った時には、胸の上を人に踏まれているような圧迫感と骨折した時のようなズキズキとした激痛がありました。鎮痛剤の副作用で頭はぼーっとしていますがかなり苦しかったです。

しばらくして人工呼吸器が外れるとほとんど空気が自分では吸えない事に気づきます。全力でやってもスッと微かに入るだけでしかも辛いです。痛みに耐えながら意識しないと出来ない呼吸を繰り返し続けるわけですからほとんど全く寝れません。

やっと寝れたかと思い起きると5分しかたっていません。何度も繰り返し、そろそろ次の日の朝かなと思って確認すると1時間しか経ってない。

術後2日はかなり辛いと言われていたので早く時間が過ぎて欲しい気持ちと全く進まない現実に手術した事を後悔し続けました。こんな苦しいならやらなきゃよかった。ずっと気にしてるほうがまだマシだ。と気が狂いそうでした。

寝れても1時間、数十分毎に起きてしまうのを30時間ほど繰り返していたと思います。何度も痛み止め効かない、他に入れれる薬は無いかとナースコールをしてしまいました。

熱も38℃、身体をほんの少し動かすだけで激痛が走りますが、歩いて肺を動かした方が早く良くなると言われたので変な汗を流しながらリハビリしました。熱は5日ほど続きました。

術後3日目にはご飯を食べれるようになり、少しずつ食べますが、呼吸が浅いのでとても疲れます。体勢を起こしているのは苦しく、食事の時間は億劫でした。
4日目は前日よりは少し食べれるようになって、
5日目にはそれなりに食べれるようになって、何もしなければあまり痛みは感じなくなりました。
 点滴が外せたのでついにお風呂に入ることが出来ました。歩けはするもののほとんど痛くて上半身は動かせないので洗うのもかなり辛かったです。

6日7日目はコンビニにも歩いていけるくらいまで回復しました。(数十メートルで息は上がってしまいますが、、)
 しかしこの間もずっと圧迫感はあり、日によっては1時間ごとに呼吸が浅いのもあって、苦しくて目が覚めてしまいます。それと起き上がる時にはビキッという痛みが伴います。

書いてる今は8日目ですが何もしなければ痛みは無いです。しかし苦しさはずっとあり、同じ体勢でいると辛さに耐えれないので30分毎に座ったり寝転んだりを繰り返しています。

今はやってよかったと思う

ここまでずっと辛い事を書きましたが、これは私が甘く見ていたのもありますが、これだけ辛い手術であることを一応事前に知っておいた方が良いと思ったからです。

自分で立てるようになるとまず鏡を見に行きました。見た瞬間涙が出ました。ああ、綺麗だ。とても辛い日々でしたが一気に気持ちが楽になりました。それから毎日鏡の前でじっくり見ています。早く動けるようになって筋トレして綺麗な身体を作りたいです。本当にこれからもう気にしなくていいと思うと気持ちが楽です。なんならみんなに見て貰いたい。

一旦長くなりすぎたのでここで終わろうと思います。写真のビフォーアフターや今後の経過も追記していこうと思います。

やった方がいいとは言いませんが、何年もコンプレックスに思ってきて悩んでいる方はする価値はあると思います。かなり脅すような事を書いたのでそれでもという方は一度受診されると良いと思います。

皆様の手助けになれば幸いです。お付き合いありがとうございました。

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