刑訴法・再審 条文

 今日夕刻、再審法改正実現議連の2回目総会があります。入会者は205名になり、多くの国会議員に理解が広がっています。刑訴法の再審に関する条文、規則をあらためて読み直してみると、再審は、裁判官の職権、裁量と言われていますが、445条に「必要があるときは、、、できる」とあるだけで、決して、裁判官に絶対的な権限が与えられているわけではありません。検察の協力義務もありません。規則の最後に相手方の意見を聞かなければならないとありますが、具体的にどのような内容、期限などの定めはありません。条文はがあるものの少なく、中身も抽象的だという指摘はその通りかと感じます。以下条文です。

刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)
第4編 再審
第435条 再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
一 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
二 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
三 有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
四 原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
五 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
六 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
七 原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。但し、原判決 をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。
第436条 再審の請求は、左の場合において、控訴又は上告を棄却した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることが できる。
一 前条第1号又は第2号に規定する事由があるとき。
二 原判決又はその証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官につい て前条第7号に規定する事由があるとき。
2 第一審の確定判決に対して再審の請求をした事件について再審の判決が あつた後は、控訴棄却の判決に対しては、再審の請求をすることはできない。
3 第一審又は第二審の確定判決に対して再審の請求をした事件について再審の判決があつた後は、上告棄却の判決に対しては、再審の請求をするこ とはできない。
第437条 前2条の規定に従い、確定判決により犯罪が証明されたことを再審の請求の理由とすべき場合において、その確定判決を得ることができ ないときは、その事実を証明して再審の請求をすることができる。但し、 証拠がないという理由によつて確定判決を得ることができないときは、この限りでない。
第438条 再審の請求は、原判決をした裁判所がこれを管轄する。
第439条 再審の請求は、左の者がこれをすることができる。
一 検察官
二 有罪の言渡を受けた者
三 有罪の言渡を受けた者の法定代理人及び保佐人
四 有罪の言渡を受けた者が死亡し、又は心神喪失の状態に在る場合には、 その配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹
第435条第7号又は第436条第1項第2号に規定する事由による再 審の請求は、有罪の言渡を受けた者がその罪を犯させた場合には、検察官でなければこれをすることができない。
第440条 検察官以外の者は、再審の請求をする場合には、弁護人を選任することができる。
2 前項の規定による弁護人の選任は、再審の判決があるまでその効力を有する。
第441条 再審の請求は、刑の執行が終り、又はその執行を受けることがないようになつたときでも、これをすることができる。
第442条 再審の請求は、刑の執行を停止する効力を有しない。但し、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止することができる。
第443条 再審の請求は、これを取り下げることができる。
2 再審の請求を取り下げた者は、同一の理由によつては、更に再審の請求をすることができない。
第444条 第366条の規定は、再審の請求及びその取下についてこれを準用する。
第445条 再審の請求を受けた裁判所は、必要があるときは、合議体の構 成員に再審の請求の理由について、事実の取調をさせ、又は地方裁判所、 家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。 この場合には、受命裁判官及び受託裁判官は、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
第446条 再審の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にさ れたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。
第447条 再審の請求が理由のないときは、決定でこれを棄却しなければならない。
2 前項の決定があつたときは、何人も、同一の理由によつては、更に再審の請求をすることはできない。
第448条 再審の請求が理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない。
2 再審開始の決定をしたときは、決定で刑の執行を停止することができる。
第449条 控訴を棄却した確定判決とその判決によつて確定した第一審の判決とに対して再審の請求があつた場合において、第一審裁判所が再審の 判決をしたときは、控訴裁判所は、決定で再審の請求を棄却しなければな らない。
2 第一審又は第二審の判決に対する上告を棄却した判決とその判決によつ て確定した第一審又は第二審の判決とに対して再審の請求があつた場合に おいて、第一審裁判所又は控訴裁判所が再審の判決をしたときは、上告裁 判所は、決定で再審の請求を棄却しなければならない。
第450条 第446条、第447条第1項、第448条第1項又は前条第 1項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第451条 裁判所は、再審開始の決定が確定した事件については、第44 9条の場合を除いては、その審級に従い、更に審判をしなければならない。
2 左の場合には、第314条第1項本文及び第339条第1項第4号の規 定は、前項の審判にこれを適用しない。
一 死亡者又は回復の見込がない心神喪失者のために再審の請求がされたとき。
二 有罪の言渡を受けた者が、再審の判決がある前に、死亡し、又は心神喪失の状態に陥りその回復の見込がないとき。
3 前項の場合には、被告人の出頭がなくても、審判をすることができる。但し、弁護人が出頭しなければ開廷することはできない。
4 第2項の場合において、再審の請求をした者が弁護人を選任しないときは、裁判長は、職権で弁護人を附しなければならない。
第452条 再審においては、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。
第453条 再審において無罪の言渡をしたときは、官報及び新聞紙に掲載して、その判決を公示しなければならない。


刑事訴訟規則(昭和23年最高裁判所規則第32号) 第5編 再審
(請求の手続)
第283条 再審の請求をするには、その趣意書に原判決の謄本、証拠書類
及び証拠物を添えてこれを管轄裁判所に差し出さなければならない。
(準用規定)
第284条 再審の請求又はその取下については、第224条、第227条、
第228条及び第230条の規定を準用する。
(請求の競合)
第285条 第一審の確定判決と控訴を棄却した確定判決とに対して再審の
請求があつたときは、控訴裁判所は、決定で第一審裁判所の訴訟手続が終
了するに至るまで、訴訟手続を停止しなければならない。
2 第一審又は第二審の確定判決と上告を棄却した確定判決とに対して再審 の請求があつたときは、上告裁判所は、決定で第一審裁判所又は控訴裁判
所の訴訟手続が終了するに至るまで、訴訟手続を停止しなければならない。
(意見の聴取)
第286条 再審の請求について決定をする場合には、請求をした者及びそ
の相手方の意見を聴かなければならない。有罪の言渡を受けた者の法定代 理人又は保佐人が請求をした場合には、有罪の言渡を受けた者の意見をも聴かなければならない。


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