見出し画像

YSS 『日常の花時』 結果発表!

yousawscenesでは、春の特別企画として「#日常の花時」をテーマに、皆さんが撮られた花々の写真を募集しました。

以下、その1位から3位までと、YSSのキュレーター8名がそれぞれ選んだ個人賞を発表します……が、その前にひとつ。今月(2022年5月)から新たにYSSキュレーターが1名加わりましたので、その紹介をさせてください。

自身の祖母を中心に、家族の写真を取り続けている川原和之さんです。
Twitter:https://twitter.com/kazkawahara
Instagram:https://www.instagram.com/kazuyukikawahara/

どうかお見知りおきくださいね。

それでは、YSSフォトコン「#日常の花時」の結果発表です!

              

金賞

Fujio Akimotoさん

https://twitter.com/fafb794/status/1512020980742651908

審査員からのコメント

MASA
牡丹が茶色く朽ちていくまで動かされていないであろう、クラシックカーの存在にすごく惹かれる一枚。スモーキーリーフの今はなさそうな温かみのある色と、牡丹の色の対比がすごく美しく時間の経過を思わさせてくれます。

KenTanahashi
応募されている写真のほとんどが綺麗に咲いている花の写真でした。そんな中で、「咲いている花」が一切写っていない、むしろ「落ちて枯れてしまった花びら」に注目している視点の鋭さと、構図と古い車、花びらの組み合わせが心地よく、いつまでも見ていられる写真だと思いました。

shimizu_nobu
様々な種類の花びらが散った姿で車を覆い尽くす
その姿に面白みを感じつつ、花の散り際を垣間見える写真がとても印象的でした
花という主題でも切り取り方次第でこういう風になるんだなと実感しました

Pan_nu
この写真の素敵なところが丸ごと落ちる牡丹の花と花びらで散る桜の花のまばらなサイズの粒感だなと僕は思いました。
それに追い討ちを掛ける木漏れ日と霞んだ光が絶妙です。
とまぁそれらは写真の要素を分解したに過ぎないのですがふらりと町を歩いて「これかっこいい」とか「なんか撮りたくなる」
と言うものに出会えるのも、それらを写真に収めることが出来るのも、日常に写真という文化が染み付いてる人ならではですよね。なお名前を見ずに写真だけ見て選んでいるのですがFujioさんは大体入ってます(笑

TOYOKI
朽ちてもなお美しさを失わず輝きを最後まで残す花。それに寄り添うように落ちる花を受け取るクラシックカー。構図、光の入り方も絶妙でとても美しい写真と思いました。

kawamon
流れる時間を具体化したような、いつまでも魅入ってしまう一枚です。花は咲いては散ってゆく、そのような自然の営みが私たちの日常の側にあることを改めて感じることができます。そして人工物との対比が、流れる時間の儚さをより際立たせているところも秀逸です。

トモコスガ
ビンテージカーと落花の侘び寂びコンビネーション、最強説ですねこれは。花が朽ちる過程というのはグラデーションで、どの瞬間を撮っても同じ写真が生まれないことから、咲き誇る絶頂期と比べても、実は被写体としてのポテンシャルが高いのですが、それとビンテージカーを重ねてくるあたり、Fujioさんの審美眼と狩人としてのセンサーに脱帽です。朽ちる一瞬間を永遠に眺められるのも写真の特徴であり、そうしたことも感じさせてくれるこちらはまさに金賞にふさわしい1枚と言えます。


銀賞

Fujio Akimotoさん

https://twitter.com/fafb794/status/1512197883747258369

審査員からのコメント

MASA
リュックにすぽっと収まりのいい刺さり方をしている花束と、老婆の白髪の対比がとても気持ちいいです。この老婆は手で持つよりも萎れにくく、両手も空くという合理的な判断を取られているんだなという面も感じさせてくれます。

KenTanahashi
リュックから少しだけ頭を出している花束の様子がとても可愛らしいです。光のあたり方が絶妙で、この瞬間を見逃さなかった撮り手の感性にも惹かれました。

Pan_nu
ご老人のリュックに花束、こうなって来るとこの花の行き先はどこだろう?自分で飾るのかな?誰かにあげるのかな?菊だったらお仏壇かな?日常に花をちゃんと飾ってるのって文化的でいいな。とか色々なストーリーが想像されますね。

トモコスガ
なんとも神々しい瞬間です。白髪で小柄なおばあちゃんの後ろ姿がまずグッときました。その身を包んだジャケットとリュックの色が地味な茶色で統一されたことから、リュックから飛び出た菊の花が映えます。
この写真がとりわけ素晴らしいと感じられたこととして、老婆と菊という組み合わせが一般的に示唆するのは「老い」や「死」といったイメージだと思うのですが、この1枚においては老婆に陽光が差し込むと同時に、その前に白い横断歩道が続く場面となっていることで前向きに読み解くことができます。1枚の写真で様々な物語を想像させてくれるという点で、優れた1枚。


銅賞

加藤ゆかさん

https://twitter.com/yuka1093/status/1516304934152859650

審査員からのコメント

MASA
撮影者とご家族でしょうか?二人の足と、多分使われていないであろう店のガラス越しに見える花。何か実家に帰って挨拶をしているかのような気持ちになります。
赤く強い色の花とチラッと見えるシャッター収納の赤色がマッチしているところも気持ちがいいです。

shimizu_nobu
写真の真ん中に2人の姿、右には一輪の花、左にはシャッターこの構図とこの瞬間を切り取る完成に感銘を受けました
自分では思いもしない発想の写真で何度も見返しました

TOYOKI
家の中から外に向かって、見て!と叫んでいるかのようです。それに気づいた二人はしっかりその声を拾い、シャッターを切ったのでしょう。3ショット。花も嬉しそうです。

トモコスガ
加藤ゆかさんはパートナーさんとのツーショットを、自分たちの影や反射を使って様々な角度から写し続けている方です。今回もそんな1枚が印象的で銅賞となりました。被写体としての花と、それを見つめる自分とパートナー。撮影行為における主体と客体の関係だけでなく、自身とパートナーの関係さえも、さらりと1枚の写真に現してしまう底力が感じられます。


Fujio Akimotoさんが、金と銀をダブル受賞という結果でした。
おめでとうございます!

続きまして、YSSキュレーター8名それぞれが選んだ個人賞の発表です!


Ken Tanahashi選

斎藤れおんさん

https://twitter.com/leon_saito_/status/1516406044561666056

選出理由:部屋の片隅に飾られている花に光が当たる様子を写した写真です。「妻に贈った花」というタイトルから、奥さんへの贈り物であることは想像できるのですが、さりげなくテーブルの上に置かれたお子さんの写真が写っていることから、大切な家族の存在が感じられる温かい1枚に感じました。


MASA選

榎本由奈さん

https://twitter.com/yuinaenomoto_/status/1516068255844438018

選出理由:一見奥の桜に目が引かれるが、手前に落ちている牡丹の花に哀愁を感じる一枚。
春はいろんな花が移ろいゆく忙しい季節だけれど、さまざまな花が共存していく様子も見ることができる季節。栄える横でひっそり衰退していく時間の移ろいを感じる写真でした。


トモコスガ選

しましまさん

https://twitter.com/shima_shimmer_/status/1512831720453722113

選出理由:人の後ろ姿というのは不思議なもので、写真の中では決して振り向くことがないことから、一体どんな人なのだろうと考え出したら止まらなくなる魅力があります。そこに桜の花びらが舞い落ちたことで、より一層、瞬間芸とでもいいますか、写真でこそ捉えられる瞬間に仕上がりましたね。


Pan-nu選

muTAさん

https://twitter.com/__mu_ta_____/status/1514736710340726784

選出理由:カーネーションと言えば母の日に送る花の代名詞。
この写真では砂浜の波打ち際にカーネーションが一輪、植物と相性の悪そうな海水を想起させる波打つ水面。その属性のチグハグさが、ここに至る経緯はなんだったのだろうと写真と言う時間を止める媒体の中で動きを見せている様に思えました。

               

TOYOKI選

小田凪徹平さん

https://twitter.com/teppei_photo/status/1517316760474587137

選出理由:キッチン、というより台所と言った方がいいのかもしれない。雑然と整理された食器たちに囲まれて、大きな花びらはより一層華やかさ増しているように感じます。日常に花を添える。ほんのちょっとしたことが気分を上げてくれる。毎日が楽しくなる。やがて人生そのものが豊かになる……のかもしれません。この写真を見て、そんなことを考えてしまいました。


kawamon選

榎本由奈さん

https://twitter.com/yuinaenomoto_/status/1512368634961993732

選出理由:花そのものを写していない作品も数多くありましたが、その中でも特に印象に残ったのがこの一枚でした。心が温まるような、ポップで可愛らしい花の絵ですね。ここから広がる様々なストーリーも想像できます。 振り返れば、誰しも花の絵を描いたことがあるのではないでしょうか。私は小さい頃によく花の絵を描いていた記憶があります。また、多くの画家が花をモチーフにした作品をつくっています。それだけ花というものは、人々の日常と深く関わり、人々にとって普遍的な魅力を持つものだと改めて考えることができました。 素敵な一枚を共有していただき、ありがとうございました。


shimizu_nobu選

KAMANOIさん

https://twitter.com/HKakaGraffito/status/1516025862834950147

選出理由:日常の花時の写真達を見ていた中で最も印象に残ったのがこの写真です
壁面に描かれた色とりどりの花と飛行機が印象的なこの一枚
実物の花ではなくて、カラフルな花の絵なのですが
僕はこの写真にとても考えさせられました
見方によっては色んな解釈ができる
ポジティブな花なのか、それともその逆なのか
ご時世柄様々な解釈の余地がある忘れられない写真です

いくら・チャーン選

Fujio Akimotoさん

https://twitter.com/fafb794/status/1512197883747258369

選出理由:私もやった事がある!と思い選ばせていただきました。スーパーなどで売っているお花ってカットが出来ないので少し長いんですよね。鞄に入れようにも花が潰れてしまう、お花への思いやりを感じる一枚です。冬の寒さとは対照的に、太陽の光とお花への思いを感じ、生活の中に潜む春と人の温かみを感じる素敵な写真だと感じました。


以上、YSSお正月特別企画「#日常の花時」の結果発表となります。たくさんのご応募ありがとうございました!

昨年末に始動した、ユーザー参加型のフォトプロジェクト「yousawscenes」、おかげさまで多くの方々に参加いただいております。

皆さんの写真をTwitterとInstagramで毎日紹介しています。

【yousawscenes応募の手順】
1.TwitterもしくはInstagramにて「yousawscenes」をフォロー
  Twitter:twitter.com/yousawscenes/
  Instagram:instagram.com/yousawscenes/
2.ハッシュタグ「#yousawscenes 」をつけて写真を投稿(組み写真可)

yousawscenesのヴィジョンと参加方法
過去に開催したフォトコンの審査結果

今年も様々なイベントを企画していきますので、yousawscenesをどうかよろしくお願いします。

yousawscenesメンバー一同

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?