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彼以前、彼以降

先日。
子どもたちがまだ小さい頃に何度か行ったことのある場所に、家族で久しぶりに行く機会がありまして。とある観光地なんですけど、平日だったにもかかわらず多くの人で賑わっていました。
子どもらはある程度大きくなったので、
ティーンエイジャーにありがちな笑
「もー帰ろーよー。」
みたいなね。
それを見た夫が、
「もう5年くらいは来なくていいだろ。」
と言っていました。
まあ、それ自体は確かにそうだと思ったんですが。

「5年後かぁ…」

遠い目になってしまいました。


5年後って言ったら、
子どもらも巣立ち間近。
約束の離婚時期までも間近。
その頃の私、
どんな気持ちでいるんでしょうね?
そして何より一番気になるのは、

「まだ彼と続いているんだろうか。」

そんなの有り得ない夢みたいな気もした一方、出会いからここまであっという間だったし、この調子で行けば、なんだかんだぬるっと5年くらい経っていた、みたいな感じでクリアできるような気もしました。

そう考えると、
5年ってすぐのようでもあり、
5年って果てしない時間のようにも思えました。
またいつものネガティブが頭をもたげ、
黒い雲が立ち込めて来た。
こんなにも彼を失くさないように
日々心を砕いているのに、
5年なんて彼を繋ぎ留められるの?
5年が無理なら、その先は当然ない。
それはこの恋愛がどこかでは終わるって意味だ。
分かってはいるけど。
いつでも目の端に居るけど、
見ないようにしているだけなんだけど。


そんな思いに囚われそうになったとき、
ふと彼の顔が浮かんだ。
それで、
「そうだよなぁ…。」
って思った。


5年も10年も続くなんて奇跡かも知れないけど、
「彼に出会う」
っていう奇跡はすでに起きている。
今の私は、
彼という人に出会ったあとの時間を生きている。
彼と出会い、
彼と愛し合い、
それが終わろうと続こうと、
これからの私は、
そういう私としての時間を生きて行く。
彼が愛してくれた私として、
これからの時間を生きて行く。


彼に出会う前の私が聞いたら、
「すごいね。良かったね。」
って言ってくれると思う。
「大事にしなね。」
って言ってくれると思う。
うん、そうだね、ほんと。
彼がおはようって言ってくれる毎日を、
私がおやすみって言う毎日を、
大事に生きようと思う。
「続けたい」
「終わりたくない」
もちろんそう思うけれど、
それよりも、
「ありがとう」
って思いながら生きたい。
「出会ってくれてありがとう」
そう思いながら生きたい。
そしてそれらは多分、
同じ意味なのだ。

この先がどんな未来でも、
彼が解ってくれた過去も一緒に、
これからの私を生きたい。
私の中には彼が居る。
私の中にはもう、彼という人が居る。
だから大丈夫!!!

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