宿命

いつも車の中では、ゴスペラーズかV6かが流れていたが、たまたまFMをかけていた。
たまたま流れた「ノーダウト」
イントロにおったまげた

なんだこの歌、カッコいい。
アーティスト名は、さっぱり聞き取れなかったが、カッコいい曲と、ボーカルの声だけは記憶に残った。
昔なら、すぐに調べてCD買ってとなっていたが、まったく気が向かわないまま過ぎた。

ある日また、FMから流れた曲を聞いて、ピンときた。

あ、あの声だ!(タイトルの記憶はなくなってたので)
アーティスト名、今度は聞き取れた、というか、ヒゲダンと言ったことだけわかった。
うん、ヒゲダン気になるかも。

そんなこんなで過ごしていたら、テレビから流れてきたのは、夏の甲子園のテーマが決まったとの話。

あ、もしかして、この人らが「ヒゲダン」?
しかし、曲を聞いて軽く泣いた。
なんだろう、胸に刺さるって言葉すら軽い感じ。
高校野球好きなこともあって、おかわり~、誰かもっと聞かせてな状態。
でもまだ、聞かない。
この頃の私は病んでいたのか?
いつものテンションで飛び付かなかったが、ABCのテレビ中継を見てたら、「宿命」流れるやん!
そこから、家にいる時は毎試合見た。
というか、宿命聞くために試合終了後こそ釘付けになった。

当たり前だが、高校野球は終わる。
しかし私の「宿命」は、ここから始まった。
ありがたい世の中、今はYouTubeで見られる。
宿命を聞くために観始めたが、どんとんハマった。
CDも買った。
Wikipediaも見た。

え?
ボーカル、銀行員だったの!?
うちの渉外だったら、全預金預けたわ。

なんてうちに、どうしてもliveに行きたくなった。
YouTubeみたせいでもあるが、一人でも行きたい!
いい歳してと思われるかもしれないが、そこからの私はすごかった。
ファンクラブに入り、チケット申込(落選)、会場行ってグッズ購入(一人で)、Twitterも始めた。
なんで今まで、何もしなかったんだろう。
不思議なくらいだ。

ダンナの誕生日、sumikaとのツーマンが決まった。
恐る恐るダンナに聞いた。
好きにしたら、なかば呆れていたんだろう。
申込んだが落選。
でも、どうしても行きたかったので、最後の申込に賭けた。
私と髭男の縁、こんなに毎日聞いてるんだもん、途切れる訳ない。
当落発表、当たった…
その前にアリーナも当たっていたので、このまま死んでしまうんじゃないかとすら思った。

初めてのライブハウス、一人で行くのが怖かったが、Twitterで呟いたら、一緒に行ってくれる人がいた。
初めて会う人とランチをして、live会場ならんで。
そしたら、その人繋がりで、髭団さん(髭男のファンの呼称)たちと、たくさん繋がった。
liveは、もちろん最高だったし、終演後の出待ちに答えてくれた両アーティストも素晴らしかったが、なにせ、髭団さんの優しいこと…

髭男と出会った後の私は、人間が変わったようだった。
LINEのオープンチャット、髭団さんとのミーグリ、一人旅…
今までに経験したことないことを、たくさん体験した。
生きてることが楽しくて仕方ない。
毎日笑顔しかない。
嫌なことも、そりゃあるけど、考えがポジティブになったのか、幸せでしかない。

コロナウイルスのため、楽しみにしてたliveが中止になり、家に閉じ籠る時間がふえた。
音楽と出会う環境は、昔のそれとは違うものだろう。
だけど、音楽が与えてくれる力は、きっと変わらない。
歌って素晴らしい。
笑うって素晴らしい。

ヒゲタンは、私の人生だ。
ヒゲタンと私。
出会うことがきっと決まっていた「宿命」なのかもしれない。

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