贅沢なのだろうな。

「錆びた黒鳥 (間割愛)
いつの間にか 自分自身を見失っていた」
さユり 夜鷹の詩から
人は、貴女は恵まれているよ。…と、言う。

勿論それは承知の上だし、多数の人に言われるのでそうなんだろうなと思っている。
私は安全な水が飲めるし、安全な住処もあるし、戦争が起きることもそうそう無い。

けれど、…けれど。
自分が自分をもっと好きになるための「努力」を、人は止めろと怒る。
例えば、私は奥二重だから、綺麗な二重を目指してみたら、するだけ無駄、そんなのしなくたって、……と、言われた。
例えば、私の絵はもっと上手くなるはずだと、沢山描けば紙の無駄使い、やる意味あるのか、……と言われた。
私の個性は、一個年がすぎる度に、丹念に丁寧に擦り潰されていく。粉になって、ぱらぱら舞っていく。
どんなに周りが恵まれていると言ったって、心が揺らぐことはあるし、真っ黒に塗り潰されることも普通になりつつある。

嗚呼でも、これも最早夜鷹の様に、
飛べなくなった、という悩みも。

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