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私の愛する「日本映画」「日本のアニメ」「テレビドラマ」。

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私のスキな日本映画、日本のアニメ、日本のテレビドラマをご紹介いたします。かなりマニアックです。
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2021年10月の記事一覧

黒澤明監督「七人の侍」を久しぶりに観賞する。

面白い。何回観ても満足。しかし、いつも思うのだが音声が聞き取れない。これだけデジタル技術が発達したのだから、なんとかして、もっと「セリフ」を聴きとれるようにできないものか。 ・・・ セリフがわからないので、シナリオを買った。アマゾンジャパンで「黒澤明シナリオ集」を古本で。6000円以上した。うう、文庫本で出してくれればなあ。。。 「生きものの記録」「蜘蛛巣城」「隠し砦の三悪人」なんかも収録されている。まあ、中期の黒澤作品というのであろうか。複数の脚本家と黒澤明が組み立て

いつの間にか「カルト映画扱い」になっていた「太陽を盗んだ男」。

先日、IGN・JAPANの動画を観ていたら「太陽を盗んだ男」の紹介をしていた。どうやらネットフリックスで配信されるようになったので取り上げた様子。 で、IGN・JAPANに若い連中は、この傑作を「カルト映画である」とのたまっている。 ロートルの私たちにとって、長谷川和彦監督の「太陽を盗んだ男」は、「王道」の「ロードショー大作映画」という印象を持っている。ただ、ロードショー公開時は、客が入らず、大コケしてしまったのだが。 このころの、沢田研二は「TOKIO」をヒットさせて

川島雄三監督「幕末太陽伝」を鑑賞する。面白い!

何度観ても面白いのが、川島の旦那の「幕末太陽傳」。カラーライズされないかな、と密かに期待しているのですが。 川島雄三監督が1957年に発表した名作喜劇。幕末の文久2年、品川の遊郭で飲めや歌えやの大騒ぎを繰り広げた佐平次は、一文の金も持ち合わせておらず、遊んだ分を居残りで働くことに。しかし、お調子者の佐平次は自らの困難をものともせず、遊郭に立ち寄った高杉晋作らとも交友し、巻き起こる騒動を次々と片付けていく。物語のベースは古典落語の「居残り佐平次」。脚本を手がけた今村昌平が助監

関西人なら「浮草」から。小津安二郎作品、入門編。

関西弁バリバリの中村鴈治郎(二代目)が主役ですから。ときどき珍妙な関西弁をしゃべる関東出身の役者がいますが、そんな心配は不要です。 舞台は三重県。小津安二郎が子ども時代を過ごし、お気くなってからは教師として勤務した、小津の第二の故郷であります。 ・・・ 『彼岸花』(1958年)の制作で大映の女優山本富士子を借りた見返りに、大映で、この作品を撮影することになったそうです。 ・・・ 嵐駒十郎(中村鴈治郎)率いる旅芝居の一座の乗った船が港に着く。実は駒十郎はこの街で一膳飯

東映「真田風雲録」が好きな人と、友達になりたい。

「SF」+「ミュージカル」+「時代劇」、そして悲しくてやりきれない「青春ドラマ」。それが、東映の加藤泰監督が生んだ大傑作「真田風雲録」である。私はこの傑作を「嫌いだ」という「ネトウヨ」とは友達になりたくない。「真田風雲録」の素晴らしさを理解できないバカは消えてなくなれ。 この映画、先日、ユーチューブの「東映エクストリーム?」で、一週間、無料で配信され、多くの人が鑑賞した。アホのネトウヨは「左翼映画だ!」などと騒いでいたが、そんな料簡の狭いことでどうする、と問いたい。ネトウヨ

「仁義なき戦い・広島死闘篇」観賞。山本太郎が千葉真一で、北大路欣也が吉田はるみ。昨日の友は今日の敵。

で、結局、警察=自民党が勝つ。えっ!不吉な話でゴメンなさい。野党共闘がハッキリしないのでスカッと映画でも観ようか、ということで、「れいわ」と「立憲」の闘いのような「仁義なき戦い」の第二作目を鑑賞。 あ、菅原文太は、あんまり出てきません。ちょこっとだけです。 ・・・ 北大路欣也のワガママで「仁義なき戦い 広島死闘篇」は主役交代したという曰く付きの映画です。 ・・・ 基本的に狂犬の「千葉真一」と、何気に真面目な「北大路欣也」がW主演。 とにかく、千葉真一の狂いっぷりが

東映「ひばり・チエミの弥次喜多道中」を鑑賞。ミュージカル時代劇だ。

チャキチャキの下町娘、お君(美空ひばり)とおとし(江利チエミ)は芝居小屋の下足番だが、ひょんなことから、奈落に地獄の熊吉、三太、法界坊などの麻薬密売団が、巣喰っていると知った。折も折、南町奉行所与力片山軍次兵衛配下の手入れがあり、一網打尽となった一味の中に、まきぞえを喰ったお君とおとしがいた。法界坊こそは、密売団根絶を狙う南町奉行が放ったオトリで、実は筆頭与力秋月七之丞なのだ。法界坊は更に捜査をつづけるため熊吉を欺いて破牢を図った。お君とおとしは民間協力の表彰状を貰ったが、密

相米慎二監督「台風クラブ」を鑑賞。

なんと、ユーチューブに「台風クラブ」が転がっていたので、勢いで鑑賞してします。面白いなあ。中学生のころって、頭がおかしいんだよね。私もすだったのです。 今回、初めて知ったのですが、美術を、実相寺昭雄組の「池谷仙克」が担当しているんですね。「シルバー仮面」! ・・・ ワンカット長回し、横移動多めのカメラワークと不思議なアングル、印象的な構図、唐突な場面転換…技法てんこ盛り! 思春期は知識と好奇心のバランスがまだ未熟で、その未熟さで痛い目に遭って大人になっていったことを思

「ジョゼと虎と魚たち」(監督:犬童一心)を鑑賞。

池脇千鶴が良い。「三井のリハウス」の女の子がこんな良い女優になるとは。心に残る映画でした。エンディングも良い。教養として観るべき日本映画のひとつ。 ・・・ 下肢麻痺の山村クミ子はジョゼと名乗り、生活保護を受ける祖母と二人暮らし。祖母はジョゼを人前に出すのを嫌がり、夜しか外出させない。ある夜、祖母が離れたすきに何者かがジョゼの車椅子を坂道に突き飛ばす。車椅子を止めたのは大学生の恒夫だった。それをきっかけに恒夫はジョゼの家に顔を出すようになる。ジョゼは恒夫を「管理人」と呼び、

昨夜「ルパン三世」の傑作たちを「金曜ロードショー」で観る。

いやあ、面白かった。ファースト・ルパンの大隅正秋さんの演出は大人っぽい。「死の翼アルバトロス」と「さらば愛しきルパンよ」の演出・・・照樹務=宮崎駿・・・は「痛快」「爽快」である。いやあ、どの作品も素晴らしい。 ・・・ 「ルパンは燃えているか・・・・⁈」見どころは、スコーピオンのボスが、峰不二子をもてあそぶHなシーンでしょう(苦笑)。いやあ、よろしいなあ。 ・・・ 「死の翼アルバトロス」大型飛行艇による大空中戦が痛快!大型飛行艇『アルバトロス』に立ち向かうルパンたち。ル

中原俊監督「櫻の園」(1990年)を鑑賞する。

東京で暮らしていたとき、公開初日に劇場へ観に行きました。初回を観ようと劇場へ入ると、なんと、監督の中原俊さんが関係者と談笑しているではありませんか! あー、あのとき、サインでももらっておくんだったなあ。 1986年にフジテレビ系列で放送された傑作青春ドラマ「桃尻娘」「帰ってきた桃尻娘」を観たときから「この監督はタダものではない!」と思っておりまして、予想は的中。1990年にこの「櫻の園」でブレイクを果たすのでした。 ・・・・・・ 毎年同じ演劇をする学校のわずか数時間のド

市川準監督「BU・SU」を鑑賞する。富田靖子が良い。

主人公の麦子が、転校して初めて新しいクラスの教室に入っていくシーン。黒板の前に立つ麦子。好奇心いっぱいで麦子を見つめる見知らぬ「オスガキ&メスガキ」。その異様な視線を、市川準監督は「ピント送り」という技法で表現する。めまいを感じるほどの「不安感」「恐怖感」が、観客側にもつたわる。技巧派の市川監督らしい名シーンだ。 ・・・・・・・・・・ これは 富田靖子の記録映画ともいえるぐらい 色々な表情の彼女が見られる映画。 特に「アイコ16歳」のような ただただ明るい女子高生じゃな

実相寺昭雄監督「歌麿~夢と知りせば~」を鑑賞する。岸田森!

珍しく「岸田森」が主役です。だから、出番が多いです。他にも、名脇役が総出演! 山城新伍、成田三樹夫、内田良平、菅貫太郎、堀内正美・・・昔で言うところの「性格俳優」を使って、実相寺昭雄監督が絢爛豪華が映像アクロバットを魅せてくれます。 ・・・・・・・・・ 浮世絵師・歌麿(岸田森)が女を画けないことに悩み、覗きやエロスな体験を重ねていくという、東映異常性愛路線「徳川いれずみ師 責め地獄」のようなプロット。カメラワークはATG時代と同じく凝りまくった構図とドリーの多様、美術は後

岩井俊二監督「Love Letter 」を鑑賞する。

「中山美穂が可愛い」これにつきます。映画もカワイイ作品に仕上がっており、好感が持てます。それにしても中山美穂、あんな変なエセ小説家なんかと結婚しなければよかったのに…とつい、愚痴がでます。苦笑 ・・・・・・・・・・ 中山美穂の演技が素晴らしいし、1人2役なのに別人にしか見えない。 なによりストーリーが秀逸。 何回観ても泣ける映画の一つです。初恋とか学生時代とか切なさとか、とにかく言いようのない感情がリンクしちゃって、ハッピーエンドじゃないことがたまらなく悲しいと思ってし