ジャムの空き瓶
君はティッシュをそっと
目頭にあてて
こぼれてしまいそうな涙を
僕に見せることなく隠せた
誰が見ても気立てがいい君は
それ故の心労も背負ってしまう
歩けないほど重かったら
無造作に降ろして
散らばった荷物は
背負わせた奴が拾い集めればいい
君は気にせず
スキップして行っていい
君は涙は見せなかったけど
涙が出てしまった事実を
伝えようとしたのだと分かったのは
四時間半も後のことだった
君がくれたのはジャムの空き瓶
三つ欲しいと言ったのに
四つ目もどうぞとくれた
僕はまだ何も
お返し出来ていない
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?