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動物と話せるということ

あなたは動物と話せる?
私はあんまり
ペットを飼ってる人はペットとは話してるよね
野生動物と話せるのはドリトル先生
山極先生みたいな研究者は研究対象(ゴリラとか)と話せているのかしら


Case1. 叔父叔母

私の叔父叔母は昔から動物と話している。犬を飼っていた頃に犬と話すのはまあ受け入れやすいが、野生のカラスとかにも「カー!」って言ったり、普通に日本語で「ねー、この前結構遠くまで来てたよねー。気がついたよー」とか大きな声を出したりして話す。うちの中でも、「いつものあのカラスがこんなことしてこう言ってた」と実しやかに話している。
それが当のカラスにとって合ってるとか合ってないとか関係なく、コミュ二ケーーションが取れている前提で話をするし、聞く方もそのように聞いている。

Case2. 父

私の父母は動物とは話さない。叔父の兄である父は人間以外と言葉を使って話すことはしない。だから私の家と、叔父の家の習慣は違うんだと思っていた。大人になってから父と山登りをした時、ふと鳥の声が聞こえた。その途端、ありえないほどの大音量で鳥の声を模した音が聞こえた。父が鳥の声で鳥たちに呼びかけている。鳥が返事をしたり、飛び立ったりするのを興味深そうに見ている。この風景は子供の頃から見覚えがあった。後から「あの鳥はこんなこと言ってたよ」という話を父はしないのでその瞬間まで気が付かなかったが、父も鳥と話をしていた。

Case3. 息子

私の息子は動物に話しかけない。鳥の声を真似したりもしない。動物園、水族館で動物を驚かすようなこともしない。熱狂的に動物が好きだった幼児期、虫取りや自然観察が得意だった小学生時代を過ぎてからの彼は動物たちとの縁も終わってしまったように見えている。でも時々彼の口から放たれる独特の立ち位置からの動物たちの生態に関する考察は、まるで自分がその動物での一生を経験したことがあるかのような、目の前で見てきたような臨場感がある。
「(お菓子のパッケージについていたコラムを読みながら)ラッコが持ってる石を変えないから道具を大切にする職人気質だって?石落としたら海底まで拾いにいったり、ちょうどいい別の石を探すが面倒なだけだろ」
「有袋類は基本的に一度に1匹しか子を産まないけど、圧倒的に未熟な子を産んで身につけておくことでその1匹を山火事とかから守るのに有利だったからオセアニアの哺乳類は有袋類ばかり」
「(道を歩いていて突然)その葉っぱの下にトカゲいるよ。この時間はいつも日向ぼっこしてるから」
どれも専門家から見た事の真偽はわからないけど、面白い。


人語で話す、コミュニケーションとる、理解する方法は色々だけど、我が家の面々は動物との関わり方が面白い。私は、その人間たちを面白がる専門だと思ってるけど、他人から見たら動物との独特な距離感があるのかなぁ。


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