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Youtubeで活動を始めたらYoutubeに嫌われて視聴者に救われた話

はじめましての方ははじめまして、現在Youtubeで生き物にまつわるゆっくり解説系動画をアップしている ろう と申します。

2019年2月にチャンネルを設立し、視聴者の皆様のおかげで執筆時点で3.7万人の登録者の方に動画を楽しんでもらっています。

普段は一日中動画制作に勤しんでいるのですが、今まで使用していた霊夢と魔理沙の立ち絵を変更して、新キャラクターを起用し色々と一区切りになる出来事もあったので、活動を振り返る意味を込めて筆を執ることにしました。

ではチャンネルを設立当時から時系列で振り返っていきましょう。

~2019年2月 活動前

「そもそもなんで生き物系のYoutubeチャンネルなの?」という質問も多いので、活動を始める以前の私のプロフィールについて軽く紹介しておきます。

生き物系のチャンネルを運営しているのですが、お恥ずかしながら私はバリバリの文系人間で、頭も別段良いわけではありません。高校も底辺高校出身ですから、生物の授業すらまともに受けていないレベルです。

コメントでも「きっと生物に詳しい博士のような人だ!」と言われる事も多いのですが…ええ、残念ながら中の人はおバカです。しかし、私はネットサーフィンが趣味で、普段から生き物や動物に関するネタやニュースを意味もなくチェックする癖がありました。

なので、生き物に関する雑学知識だったり興味だけは人一倍あったんだと思います。特に好きだったのは早川いくをさんが出版している「へんないきものシリーズ」です。普段知ることのできない生き物だらけのおもしろ図鑑を、子供の頃の私はとてもわくわくしながら読んでいた記憶があります。

2019年2月~4月 活動スタート~修行時代~

(こちらは背景を変更した修正版です)

一作目でアップしたのは早川いくをさんの「へんないきものシリーズ」の本の中にも書かれており、生き物系の話題でも度々名前が出てくるクマムシです。

動画は2,3日に一本のペースでアップしていき、ちらほらと登録者が増えてコメントもつくようになりました。動画投稿を始めた方であれば分かるのですが、Youtubeで広告を付けるにはチャンネル登録者1000人(と総再生時間)の条件をまずクリアしなくてはなりません。

私は「じゃあまずはこれを目標にしよう!」と思い、仕事の合間を縫って動画を投稿していきます…もちろん1円にもなりません。

このときは1日5~10人程度しか増えず「8月ぐらいに収益化出来たら良いなぁ」と長い道のりと思いながら必死こいて動画を作っていました。しかし、たまに付くコメントを励みに、全てにいいねやコメント返しをしながら継続をしていくと…

結果的に予想はいい意味でハズれ、なんと4月後半には収益化の条件をクリアすることが出来ました。

あの時の感動は今までの努力が報われたような感覚でした。目標を決めて努力をしたのは高校受験以来でしょうか。(その時より頑張ってたかも)

2019年5月上旬 Youtubeに玉砕し立ち向かう

実は2018年後半から、ゆっくり界隈では”ある問題”が起きていました。

それは「収益化が突然剥がされる」ということです。著作権違反や問題を起こしてアカウントが停止になるというのはよく聞く話ですが、収益化が剥がされるなんてそもそも聞いたこともありません。

ただ、私は「ゆっくりで動画投稿をしたいなぁ」なんて呑気にスタートしたので当時は対岸の火事のように重く考えていませんでした。よく考えれば対岸の火事に自ら爆走してたのに。

そして「繰り返しの多いコンテンツ」というよくわからない理由で、収益化申請が却下されました。

これは執筆時点でも、どのような問題を意味しているのか分かっていません。Youtube的には「機械的に作ってるもの、機械音声を使ってるもの」を指しているようで、いまいちパッとしません。

この時期、Youtube上でとても問題になっていたのが、週刊誌や雑誌などを無断転載して、機械音声にテキストを読み込ませて動画を量産するいわゆる「文字スクロール動画」です。Youtubeでラクラク稼げる!みたいな胡散臭い情報商材で流行っていたんでしょう

これに憤慨したYoutubeは、広告審査をしているAIで似ているような文字メインの動画を一斉に広告を剥がして淘汰するわけです。お金目当てで違反しまくりの情報商材屋はたまったものではありません。文字スクロール動画が消えてめでたしめでたし…という裏でゆっくりクリエイターたちが悲鳴を上げていました。

これが2018年後半からYoutubeで起きていた問題です。ゆっくり文化はニコニコ時代から何年も続いているコンテンツですが、いかんせん一般の認知度はまだまだなので問題もそこまで表面化しません。

そして、特に問題だと思ったのはクリエイター同士のつながりがあまりにも薄いということです。

現在、Youtuberもヒカキンやはじめしゃちょーなど有名な人が多くなり市民権を得て、事務所所属も当たり前の時代になってきました。そんな顔出しYoutuberも見ていた私としては、数年前からゆっくりを使って動画投稿をしているクリエイターは、ニコニコ時代から目立たず、定期的に投稿だけをひっそりと続ける…という隠居生活のような方が多い印象を受けました(失礼)

実際、気合を入れてTwitterアカウントを運用している人も少なく、クリエイター同士リプを投げ合うこともないため、横のつながりが無い=孤独という状態でした。

そんな状況の中で急にYoutubeからのお告げで「お前今日から広告剥奪な」なんて言われたら相談する相手もいないわけで…何も言わず動画投稿を中止するか、「収益剥奪されました」という動画を上げて泣き寝入りするしかありません。

(ちなみに、収益剥奪の再審査はどんな理不尽な理由であれ強制的に1ヶ月後しか出来ません)

こんな時UUUMなど事務所所属のYoutuberであれば直接、Googleと交渉してもらうことも出来ますし、コラボをするような親しいクリエイターがいればサポートや相談にも乗ってもらえるはずです。

そこで、ゆっくりクリエイター向けのディスコードを作ることにしました。

横のつながりを持っても、クリエイター同士ですぐに収益剥奪の問題が解決するわけではありません。しかし、問題の本質はそこではないと思ったのです。

当時は毎日のようにゆっくりクリエイターたちが収益剥奪を剥奪され、泣き寝入りをして消えていく…というのが日常茶飯事で、このままではYoutubeからクリエイターが消えるのでは?と焦りを感じてました。

もともと、ゆっくりを使った動画が好きな一視聴者でもあったため、こうすることで少しでも情報共有を行い、どんな人が被害にあっているのかまとめて仲間を募ることにしました。

行き詰まっても相談出来る相手がいる、というのはとても心強いものです。広告を剥奪されても「じゃあどうすればいいか?」という建設的な議論になり、色んな意見が出ました。

すると、「背景を動かしていないのが問題なのではないか?」という意見が集中しました。5月はその情報を頼りに、一度アップしていた作品をすべて削除して背景を差し替えて再投稿しています。

2019年5月下旬 視聴者を信じて突き進む

それと同時に機械音声が問題なのか?という疑惑もあり、苦渋の決断で生声での動画アップに踏み切りました。(めちゃくちゃ恥ずかしい)

これをアップした当時は、登録者も2000人未満だったので今のうちに方向性を変えてまた地道にやるしか…と思っていました。不本意でしたがYoutubeで動画を投稿する以上、王に抗うことは出来ないと信念を曲げた瞬間でもありました。

しかし、そのタイミングで過去のゆっくり動画が異様に再生され始め登録者が爆発的に増えるという現象が起きました。チャンネル登録者は1日多い日で2000~4000人増えるという事態になり、コメントにも「こんなゆっくり解説を待っていました」と沢山応援を頂きました。

ですが、目の前に転がってるのは生声でリメイクを始めた解説動画…視聴者の求めているものと自分がやろうとしていることは全然違うのでは…?と、疑問に感じ始め、視聴者あっての動画投稿という原点を思い出しました。

動画投稿を始めた頃は無収入でも、視聴者からのコメントをモチベーションに頑張ってこれたわけですから、贔屓するべきはYoutubeではなく、視聴者です。私は再びゆっくり解説に戻ることにしました。

この辺りの流れについては1万人を記念した動画の中でも話しています。

視聴者の反応も私の決断に賛同してくれて「あぁ、これでよかったのかな」とお金はなくても安心感はありました。

しかし、5月の再審査の結果、私はまた審査落ちすることになります。

2019年6月 視聴者 VS Youtube運営

相変わらず動画投稿を続けても1円にもならない状況は続いていましたが、不思議とこの時期に不安感はありませんでした。

私がゆっくりクリエイター向けの情報共有場所を用意しているという話が、少しずつクリエイターに広がり、DMも頂くようになり、さらに厚みのある議論が出来るようになりました(執筆時点で30名ほど参加しています)

そしてもう一つ、多くのゆっくりクリエイターが広告を剥奪され、引退していく現状を鑑みて視聴者も黙っていられない状況になりました。もはやゆっくり視聴者 VS Youtube運営の構図です。視聴者がこの問題に関心を抱いて、クリエイター側の味方になってくれていたからこそ6月は乗り切れたと思います。

そして、コメントでも丁寧に「立ち絵を浮かせてみたら?」とか「動画素材を使ってみたら?」、「○○さんはこれで戻ったみたいだからやってみては?」など、私だけでは思いつかなかったような収益化対策アイデアも沢山頂きました。(ありがとうございます!)

まとめてですみませんが、この時の一致団結感がこの後の展開をより良いものに出来たと思ってます。

2019年7月 審査通過

広告の審査が通過したのは意外にも2回目でした。

問題と思われたゆっくりの立ち絵、ボイスは特に変更していなかったため、審査通過はもっと先のことだと思われましたが、意外にもあっけなく通過することが出来ました

これでクリエイターの勝利!問題解決!といけば良いのですが、事態はそう簡単ではありません。私自身が通過しただけで、他にも多くのゆっくりクリエイターがいます。

そして、現在も毎日のように誰かが広告が剥がされたり、広告が戻ったりと…目まぐるしい日々が続いています。もし広告がまた剥がされたら…そう思うとかなりの精神的負担になります。

広告が剥がされている間はお金は入りません。仮に再審査で戻ったとしても一ヶ月は出来ないわけですから、丸々1ヶ月分以上の給料を剥奪されながらタダ働きさせられる恐れもあります。

もちろんAIの誤判定というのは誰が見ても明らかですが、Youtubeは大企業。いちいち1クリエイターの意見に耳を傾けてくれません。

もしあなたが会社に行って、突然社長から「君は私の好きじゃない色のスーツを来ているから給料無しにするかも」なんて脅されたら、気が気じゃありませんよね。理由もわからない、反抗することも出来ない、ゆっくりクリエイターたちが現在受けているプレッシャーはそういうものです。

ゆっくりクリエイターのディスコードでは毎日のように、どうすれば広告が戻るか、良いチャンネルが作れるか、そのバランスを取りながら議論を重ねています。

広告を戻すだけであれば、生声にすれば良いかもしれません。でも事情があってそれが出来ない人もいます。いろんな制約や考えなければならないことを踏まえて、各々が出来ること、やりたいことを実現して少しずつ良いチャンネルを作ろうとしています。

その中で、私が唯一Youtubeに譲歩したのがキャラ変更です。これで立ち絵とボイスが変わります。


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本音を言わせてもらえば、元のキャラクターを使ってずっと投稿してきたわけで…変えたくないという一言に尽きます。

しかし、社長に無給にするかも宣言を突きつけられたまま動画投稿を続けるのは間違いなく精神面からおかしくなり、体調を崩します。

視聴者からもよく「体調気をつけて動画投稿してください」と言われますが、一番健康状態に悪影響を及ぼしているのがYoutubeというおかしな状況になってます。実際、広告が付かず先が見えない4月~7月までの間、Youtube名義のメールが来ただけで内容を見る前に動悸が早くなり吐いたぐらいです(病院行くべきだった)

こういった不安を拭い去るためにも、グレーの部分を少しでも減らし、完全オリジナルの動画だぞ!と胸を張って何年も継続して動画投稿を続けていきたいと思っています。

キャラクターの変更は私の一意ではなく、このような歴史や葛藤の上に行った決断ということを理解してもらえると嬉しいです。

そして、新しく誕生したきつねさん・たぬきさんのキャラクターも愛してもらえれば私はもっと嬉しいです!

振り返り

最初に審査した4月からどのような対策をしたかまとめておきます

【4月】
・いいね返しやコメント返しをする
・背景をスローの動くぼかし動画にする
・概要欄を書き込む

【5月】
・背景を動かす
・積極的に視聴者と交流

【6月】
・背景をスローの動くぼかし動画に戻す
・生声のライブ配信をする

色々と試行錯誤をしながらこれからも面白い動画をアップしていこうと思ってます。

そして、この記事を見ているゆっくりクリエイターの方は、ぜひTwitterなどでDMをください。参加条件を満たしていればすぐにご案内します。

生まれ変わったへんないきものチャンネルをこれからも宜しくお願いしますb

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