天辺のその先へ

奇跡と呼ぶにふさわしい9人のアイドルの物語を見届けた。

横浜アリーナには何度か行ったことがあるけれど、あの会場を小さいと感じたのは初めてだった。

メインステージ、センターステージ、サブステージ、それから外周。あんなに大きな会場でたくさんの人がいたのに、座席はアリーナ席の2桁列だったのに、それでも「近い」と思った。それくらい近くまで来てくれた。

一曲目、銀河系クラシック。
武道館で初めて聞いてからこの日まで一緒に駆け抜けてくれた曲。
大好きな9人の名前を呼べた曲。
9色に照らされた星の海を見渡して歌い、踊る彼らが誇らしかった。

ON
実は今回のツアーでセトリ入りしていて一番嬉しかった。
好きになった当初、何度もDance Practice動画を観た曲。
おかげで自然と体が動いて、一緒に踊れた曲。

ソロメドレー、一面の黄色い光とシャボン玉に包まれて歌う推しは天使のようだった。いつも「かっこいい」って褒めてたから、「可愛くて天使みたいだった」って伝えたらどんな顔して笑うのかなと思ったけど、それを直接伝える手段はもう無いんだなと少し寂しくもなった。
「白い服を君と」も「ハネMOONロケット」も明るくてキラキラした正統派アイドル楽曲で、そんな楽曲を聖誕祭に続いて、満面の笑みで歌うあなたが見られて嬉しかったよ。

Chameleon Color、最高~~~!!!!!!
私が推しに出会うより少し前にリリースされた曲。
推しに出会って過去の曲を勉強していく中で好きだなと思った曲。
何度もDance shotを観たから(ほぼ)完璧に踊れる曲。
この曲だってわかった瞬間、絶叫するビーバーみたいな声でた。この曲の前の殺生石セッションで9色の光たちがセンターステージに集まって、Flower Windで花が咲いたと思ったらChameleon Colorって!!繋ぎ方があまりにも良すぎて私死ぬのかな!?って怖くなった。この後もう一回そう思うことになるとも知らずに。

White WolfからのShadow Kissって何?ヲタクの妄想?
あと「俺たちの花園へようこそ」って何?オト○イトかRe○ectのゲームでも始まったのかと思って身構えた。
今年、なんだかんだSKを聴く機会がいくらかあったのだけれど、8/16のスペシャルメドレーで聴いたとき、これが最後なんだと思っていたからまた聴くことが出来て嬉しかった。
バックダンサー紹介もとても良かった。私はReLITのヲタクでもあるから、ReLITの面々が尊敬している先輩に紹介してもらえていることが素直に嬉しかった。彼らが追いかけてきたその背中と同じステージに立っているのが何より誇らしかった。

幕間映像、ローション相撲だってわかった瞬間、結構でかめの声で「やったー!!!!」って言っちゃった。9人が楽しそうでにっこり。
メモリアルな公演のはずの横アリでローション相撲の映像を流すのも、住んでる部屋の面積くらいある大きいモニターに「大股開き」って文字が映し出されるのも、この人たちくらいなのでは……?と思って笑ったし、愛おしかった。
海賊衣装は頼むからトレカかチェキか2Lにしてくださいお願いします。あんなかっこいい衣装を着たかっこいい推しメンを映像(とブログに載せられた写真)だけ擦り続けて生きていくのは無理です。手元にお迎えしたい。それくらい好きでした。

ヨーソロー!
リリース当初は推しメンの歌声がない……(恐らく制作時に活動休止中だったのでレコーディングに参加していない)と思っていたけれど、ツアーとリリースイベントを通してこの曲を歌って踊る姿が見られたことが嬉しかった。
この曲に入るまでのダンスパート、最初にポップアップで上がってくる部分、推しはブログに書くくらい、そしてその様子を他のメンバーからも言われるくらいビビっていたらしいのだけれど、本番はそんなこと1㎜も感じさせないくらいしっかりかっこよくキメていて誇らしかったし、それでこそアイドルだなんて思った。

畳みかけるようなメドレー。
庭の樹。きっと私はこの先、街中であなたに似た誰かを見かける度に探してしまうよと思った。
イイコノママデ。落ちサビは白服さんに歌ってほしかったという話を以前聞いてから、落ちサビを歌う推しがより一層愛おしくなった。優しくて、切なくて、だけどどこか満足気に過去の恋の終わりを歌う姿は何度見ても見慣れない、知らない人みたいだと感じた。
エニグマ。俺たちの死がやってきた。
前日なんとなく「エニグマかVoyager聞けたら嬉しい」という趣旨の投稿をしており、いやまさかないでしょ~と油断していたから死んだ。いやそんなまさか、と思っていたら2番でさらに死んだ。2番のサビ、多分推しメンの持つ歌割で一番長いソロパート。ねえ、あれ現実だった?
そこからのカラメテ。繋ぎのギターリフかっこ良かった。このメドレー単体で音源が欲しいと思った。

そしてYou're the love。
8/16に聞いたときは正直「もうこれ以上一緒にはいられないのに、これからも一緒だなんて無責任なこと言わないでほしいよ」と私は勝手に絶望を感じてしまったのだけれど、 この日改めて聞いて、ここに推しがいたことも横浜アリーナに立ったことも全部揺るぎない事実なんだと思った。推しの姿は見えなくなってしまうけれど、魂はずっとここに、共にあると思えた。
最後の方に「横浜アリーナに立ったという事実は永遠に残り続けます」と言っていて、本当にそうだねとあの日勝手に絶望していた私も救われたような気がした。

陽之鳥→着陸!月面ZENBU
苦しかった。陽之鳥という曲が持つ「重さ」にいつも苦しんでしまう。何度聴いてもこればかりは慣れない。
「君がいない世界に意味などない」と思っていたのは私だ。あなたがいなくなった後の世界でどうやって生きていけばいいのかわからなくて苦しんだ。これからも好きでいることを肯定してもらって、この先もずっとその手を離したくないと思った。
この人たちを好きになってからの7年という月日は短くはなくて、当時中学生だった私も大人になった。この7年間を振り返ると、必ずどこかでこの9人の音楽が鳴っていた。情勢や体調の関係でライブに行くことが出来なかった時期でさえ新曲が出れば欠かさずチェックしていたし、通学中にイヤホンから流れるプレイリストには必ずその音楽が入っていた。
思い出は全部全部あなたたちとだった。


そうやってずっと大好きだった人を見送ってから2ヶ月が経とうとしている。

ご縁があってカウコンにもチェキ会にも行った。推しメンがいないステージも推しメンの名前がない撮影会ブースも全部ちゃんとこの目で見た。

寂しくなかったわけじゃない。
横アリ公演直後は憔悴しきっていて日常生活にも支障がでていたし、ライブ中にもぼろぼろと泣き出して連番していた友人に心配をかけてしまったし、未だにふとした瞬間涙が溢れることもある。

そうやってちゃんと生活できない自分を俯瞰的に見て、1ピースだけ欠けてしまったパズルみたいでなんだか醜いなぁと思うこともある。

それでも、そんな自分をメンバーや友人たちは優しく受け入れてくれている。

推しメンにはこれからも現場に行くよと言ったけれど、正直新曲が受け入れられなかったらオタクは辞めようとか少しだけ思った。

思ったけれど、気がついたらCDを手にしていたし、ずっとリピートしてる。受け入れられないどころか、むしろ新規の時のような気持ちで楽しんで、現場の日を心待ちにしている自分がいる。

物語の第2章をこんな気持ちで迎えられるとは思っていなかった。


ここからは自分の話なのだけれど、とみたけさんはいつだって私が欲しい言葉をくれるような気がする。

ときどきお話しに行くと私が何も言わなくても推しメンの新規エピソード(?)をくれるし、なにより推しメンがいない初めての現場で「推し変しようなんて思わないでよ」と言ってくれたのは紛れもない、とみたけさんだ。

「また遊びにきて」と言ってくれた顔が優しくて、まだここにいることを許されたと思った。

こちらが勝手に救われているだけの話ではあるのだけれど、そのおかげで変わらずこうしてオタクを続けられている。本当にありがたい。

FCの推しメン登録は新しく登録し直す元気がなくて相変わらず空欄になっているけれど、また何度だってこの人たちのことを好きになっていくんだろうなと思う。

バレイベに向けてお手紙書かなくちゃ。


推しメンへ
寂しいけど、意外と元気に生きてるから安心してね。

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