御伽噺じゃもう足りない。

少し前までは日傘を差さないと外を出歩くのもしんどいと思っていたのに、無情にも時間は進んでいって、気がつけば12月。上着がないとつらいけど、重いコートを着たら自分の気持ちも重く沈んでしまいそうな気がして、いつまでも薄いペラペラのトレンチコートに縋っていた。

でももうさすがに耐えられなくて厚手のコートを着てました。風邪ひかないためにもね。

2023年12月8日、横浜アリーナ。
たくさんの人の愛を受けて、推しは卒業していった。

前日の配信も含めて最後の最後まで、ちゃんとご飯食べるんだよ、嫌なことは嫌って言うんだよ、風邪ひくなよと私達のことばかり気にかけてくれる、本当に優しい人だった。

黄推しのことをずっと大切に愛してくれた人だった。

不器用だ、口下手だと言いながらも、ちゃんと言葉にして伝えてくれた人だった。そしてそれが言葉だけじゃなくて、行動でも示してくれて、ちゃんと最後まで幸せにしてくれた人だった。

どんなときも誠実な姿勢でアイドルに、そして私達に向き合い続けてくれた人だった。

どの瞬間を切り取ってもかっこよくてかわいくて綺麗で、最高で最強のスーパーアイドルで、大好きな人だった。

横アリのステージに立つあなたを照らす光の一つになれて、あなたの名前を呼べて、本当に幸せだったよ。


日付が変わって、ありとあらゆる媒体から「アイドル」の推しの姿が消え始めて、長い長い夢を見ていたんじゃないかという気持ちになって、魔法が解けてしまったんだなと勝手に寂しくなってしまった。

人生一悲しい日になると思っていた横アリの翌日、誰とも会う予定じゃなかったけど気がついたら部屋を飛び出して新宿に向かっていた。
武道館の円盤を観て、みんなでキャーキャー言って、ご飯食べて、お酒飲んで、くだらない話をして笑って、かと思えばみんなで大号泣して、でも楽しい日になった。

出会って半年の子もいれば、まだ一週間しか経っていない子もいるのに、みんな同じように推しが、そしてMeseMoa.が好きで、抱き合って泣いた。
そしてまた会おうねって約束をした。

あなたがくれた魔法はまだ解けていなくて、あなたが残してくれたものはずっと変わらずにここにあって、あなたが紡いでくれた縁はいつの間にか大きく広がっていって。

あなたの「アイドル人生」という船に乗せてくれてありがとう。

私はこのMeseMoa.という船がたどり着く先を見るためにこれからも一緒に旅を続けるけれど、いつかまたどこかで出会えたら、あなたの物語の続きを聞かせてほしいな。

だから健康には気をつけて、絶対幸せになってね。

卒業おめでとう、愛してるよ。

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