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2024/06/08

1.積読だった「みどりいせき」を読んだ。良い作品だった。本当に前評判通り、前半の取っつきにくい感じを乗り越える勢いのある後半だった。トリッキーな作品というイメージを勝手に持っていたけれど、むしろ挑戦に対して真摯に取り組んでいる、真っすぐな文学作品だと思う。こういう作品が然るべき評価を受けられることは、救いだと思う。

2.時制を主観との距離に置き換える、ということを考えている。書くという行為の、そして語るという行為の自意識の扱いの問題でもある。現在形という時制は、描写としては非常にピンポイントなものしか語れない/語らないような気がしている。自分の感覚との一致、ずれ、自分の制御の外にあるものの描写、そういう主観と事象との時間差を捉えるところに、時制の使い分けをしてみる。どのくらいそれが効果的かは、書いてみるまでは分からない。

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