2024/07/04

1.風景を書くことは難しく、そこに作家性が表れるというようなことを保坂和志さんが言っていて、確かにそうだと思う。風景を書こうとし始めても、自然と目線はそこを歩く人間だとか、奇妙な物体だとか、そういうものに移ってしまう。受動的に反応だけしていたいんだと思う。

風景を書くには、能動的に対象を見る必要がある。そして、それを描写するには意識的に無意識である必要がある。見ようとして見たのではなく、無意識下で体が反応して選び取ってしまった、ということに意識的である必要がある。これが非常に難しいんだけど、そこで選ばれたものにはかなり純粋に個性が表れるように思う。「2024/07/01 (虚)」にはそれを掴んだ感覚があったので公開した。

演技の身体にも似ている。無意識の反応に意識的であることにはかなりの訓練が要ると思う。

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