マガジン一覧

創刊号

web版「総社ジャーナル」がコロナ禍の中、この春スタートします。創刊号は、新聞制作実習の授業を受けている近畿大学総合社会学部社会・マスメディア系専攻2年生が取材した記事を掲載します。

3 本

2度目の緊急事態宣言。人の意識はどう変わったのか。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、今年1月、私が住む大阪は、2度目の緊急事態宣言が出された。府は不要不急の外出自粛、飲食店に対して20時までの時短を要請した。それでも出歩く若者や20時以降も営業を続ける飲食店が多くあった。同じ緊急事態宣言下でも、昨年5月頃はゴーストタウンと化していた。外出や深夜までの営業が決して悪いわけではない。でも、なぜ、感染のリスクをおかしてまでそういった行動をとるのか。前回の緊急事態宣言の頃と比べて人々の意識はどう変わったのか。知人たちにいくつかの質

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阪神大震災から26年を迎えた日に見たり聞いたりしたこと

 阪神大震災から26年を迎えた2021年1月17日、神戸市中央区の東遊園地で毎年開催されている「阪神淡路大震災1・17のつどい」に初めてボランティアとして参加した。【2年・吉村美耶】(2021/03/20記)  私の親戚は大阪と兵庫に多く住んでいる。母のいとこも震災の犠牲となった。自宅がつぶれた親類もいる。祖母の家には揺れによるヒビ割れがいまだに残っている。それにもかかわらず、震災後に生まれた私は、どこか遠くの出来事のように思っていた。  1月17日未明、終電で大阪から三

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コロナ禍にオープン!  近大生が営む麻婆豆腐ラーメン店「jinniyah/奈KAMA」

 コロナウイルスの感染拡大は、多くの飲食店を苦しめている。そんな中、2020年10月、奈良市内に大学生が麻婆豆腐ラーメン店をオープンした。なぜ、この時期に店を開いたのか。店長を務める近畿大学農学部2年生、西奈槻さんに話を聞いた。【2年・八上礼央】(2021/03/20記) ◇店を始めるきっかけ  元々、人に希望や勇気を与えたい気持ちが強かったという西さん。彼は小学6年生からドラムを始めた。自分の音楽を通して「元気や勇気をもらった」と言ってもらうと達成感が味わえる。そうして、

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コロナ禍の豪州生活

大学を休学し、2020年春、オーストラリア・ブリスベンへワーキングホリデーに出かけたゼミ生の山口秀斗君は、現地でコロナ禍に見舞われます。その中で見たもの、聞いたもの、味わったものは何だったのしょう。帰国するこの春までの1年間を振り返りました。ゴールデンウィーク中に計5回、集中連載します。

5 本

コロナ禍の豪州生活[5]~いろいろな人生を見て、今思うこと

 昨年暮れのクリスマスから新年にかけて、メルボルンに遠出をすると、コロナの感染が悪化し、街がロックダウン状態となった。落ち着くまで滞在するのはカネと時間の無駄と考え、シドニーに移動した。日本に帰る準備を始め、予定より2カ月早い1月下旬に帰国した。(3年・山口秀斗)  最初は一人ぼっちの海外挑戦。でも、この1年間で多くの人に出会い、学んだ。シェアハウスで共に時間を過ごした拓実とパオロ、ラーメン店を一緒に切り盛りしたビベック、パートナーのメイ……。私のように休学したり、会社を辞

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コロナ禍の豪州生活[4]~パートナーから学んだ文化の違い

 ワーキングホリデーらしい生活を始めるのと同時に、交際していたメイと一緒に暮らすことにした。(3年・山口秀斗)  タイで看護師をしていた彼女は、母国と諸外国との賃金の不平等さを感じ、仕事を辞めてオーストラリアに英語を学びに来た。彼女と語学学校で出会い、プライバシーのないシェアハウスから落ち着いて過ごせる家を探して同居を始めた。彼女は私と同じ時期に豪州にやって来て語学学校に通い、その後半年間、ビザも延長して一緒に生活した。ただの恋人ではなく、パートナーという言葉がふさわしい。

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コロナ禍の豪州生活[3]~過酷な労働環境で生まれた絆

 ワーキングホリデーの生活が本格的に始まったのは、オーストラリアに来てから3カ月後の昨年6月だ。それまではホームステイをしたり、語学学校に通ったり。英語を流ちょうに話せない日本の大学生の選択肢は少ない。けれども、せっかく海外に来たのだから日本人と一緒に働くことはしないでおこうと考え、職を得るまでに1か月かかった。(3年・山口秀斗)  ブリスベンに2店舗ある「オーストラリア人が経営するラーメン屋」で働き始めることができた。同僚は多国籍。飲食店で初めて働く私は、いつもばたばたし

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コロナ禍の豪州生活[2]~親友との出会い、そして別れ

 オーストラリアで過ごした1年間で一番記憶に残っている日は、3カ月間通った語学学校の初日のオリエンテーションだ。その日出会った神奈川県出身の拓実、そしてペルーから来た18歳のパオロの2人を忘れることはできない。(3年・山口秀斗)  昨年3月に豪州に来て1か月間ホームステイをした私は、拓実にシェアハウスを提案した。シェアハウスは経験したことがなく、居心地が悪いだろうと勝手に感じていた。でも、私と同じ年で同じように大学を休学して豪州に来た拓実とだったら一緒に住めると思った。同じ

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コロナ禍の学生たち(仮)

コロナウイルスの感染が拡大した2020年春、キャンパスから学生が消えました。授業はオンラインとなり、外出は自粛を求められ、友人ともなかなか会えない。つらい日々は1年続き、4月からはようやく授業は原則対面に。でもまだコロナ禍が収束したわけではありません。激変した環境の中、学生は何を考え、どんな生活を送っているのでしょうか。

1 本

三度目の正直?

 大阪に3度目の緊急事態宣言が出ます。近大生にとって授業開講時期の宣言発令は初めてで、昨年に続いて我慢の大型連休になります。3年生になったゼミ生からは「世間は宣言慣れした」「危機感が薄い」「生活は変わらない」とあきらめにも近い、割り切った声を聞きました。(現代新聞論ゼミ担当教員・二木一夫)  新年度の授業は原則対面で始まりました。でも、緊急事態宣言が出ると、全面オンラインに切り替わります。宣言発令が濃厚になってきた22日の授業でゼミ生に尋ねました。「過去2回の宣言と違いはあ

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covid-19@2020春

コロナ禍初期の一斉休校から緊急事態宣言中の世の中を記録しました。

【注釈2020*vol.36】いい話だから…

 Facebookを開くたび、だれかの若い頃のモノクロ写真か、だれかが読んだ本の表紙が目に飛び込んできます。  「昔の写真リレー」とか「7日間ブックカバーチャレンジ」と呼ばれるもので、友だちから指名されたら投稿し、ほかの知人にバトンを渡します。家にいることの多い今、アルバムで過去を振り返り、読書をして知識を深めることで、充実した時間を過ごせるでしょう。  そんなSNSでの増殖ぶりを見ていて、東日本大震災で拡散したチェーンメールを思い出しました。  コンビナートの爆発で有

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【注釈2020*vol.35】合い言葉

 官民あげての合い言葉がSNSにあふれています。  「ステイホーム」「家にいよう」。イラストがあり、使いたくなるデザインもあります。  3月の終わりから、海外のアスリートの発言としてメディアが紹介し始めました。広まったのは東京都の小池百合子知事が記者会見で協力を求めてからでしょう。  この困難をみんなで乗り越えよう。良い言葉なのに、みなが口々に言うと、善意や正義感からであっても同調圧力と感じてしまいます。  野草を摘んでいたら警察官に職務質問されそうになったという投稿

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【注釈2020*vol.34】 冷え切るGW

 いつの間にか大型連休が始まっていました。公園を歩いて、桜に代わって、鮮やかな赤紫のツツジが見ごろになっていることに気づきました。今年は季節感が鈍くなっているようです。  この時期、いつもだと半袖を着るほどの汗ばむ日もあるのに、日陰にいると肌寒く感じます。朝晩は冷え、ストーブをつけることもあります。  ウイルス禍の自粛で人が動かなくなったからでしょうか。社会活動が滞れば、熱は発しません。ぼくが勤める大学も、学生はキャンパス立ち入り禁止。教室は無人で、教員も在宅勤務が多く、

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【注釈2020*vol.33】あの日から15年

 マンションにぶつかった電車の下から助けを求める乗客の手だけが見えました。どれだけ手を尽くしても車両は動きません。その晩、阪神大震災で親族の親子が亡くなったことを思い出しました。  「しまった。あの人はきっと家族のだれかと話したかったのだ。せめて携帯電話で連絡をとって、すき間に入れてあげればよかった」  107人が死亡したJR福知山線脱線事故。現場につくられた資料展示室では、救出にあたった人たちのこのようなつらい思いを読むことができます。  惨事を知ってもらおうと、1年

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