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”存在価値がなくなることが怖い”〜フリーダイビングの世界大会が決まってみえたこと〜

風邪を2週間ほどひいていて、先日はひどい倦怠感と、焦りと、眠いのに寝れなくて布団の中で6時間起きている(地獄)なんて日も数日あって、どうしたらいいかわからなくなっていました。

2日ほど前、久しぶりに朝まで寝れた日があって、そこから少し良くなって、
この落ち込んでいた時に考えていたことを文を残そうと思いました。

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ついに?早くも?
フリーダイビングを初めて2年半。世界選手権の出場が決まりました。
2023年9月19日〜30日
キプロス共和国リマソルに行ってきます!

今年世界大会に出ることは2年前に作った自分の年表に書いてあったのだけど、(!)
今年は、大会直前まで美容師国家試験があるので(実は3年間通信で通ってました!)
出場はやめよう、と考えていました。
しかも、まだまだ記録的に発展途上中だから、今じゃなくてもいいかな、なんて。

でも、「未来はわからないし出れる時に行くか」と思い直し、
周りの方から背中を押してもらったこともあって出場を決めました。

”今回は経験を積むために、楽しくお祭り感覚で行こう!”

なんて考えてたけど
やっぱり出場を決めてから、フリーダイビングに向ける気持ちが変わっているのに気がつきました。

”want to”
から
”have to”
に変わった瞬間。

「大好きなあの海の濃い青。・・・そこに落ちるロープを想像するとなんだか怖い、、?」

「なんで!あんなに大好きだったのに!」

「自己新記録出さなきゃ」

「楽しんでくればいいんだよ」

いろんな言葉が私の中に浮かんできました。

誰も私に記録を求めてないのはわかっているし、
応援金をくださった方も、プレッシャーをかけてくる人はいない。
「楽しんできてね!」と、
私には決して出せない額を、ぽん。とくれた方もいました。
(本当に本当に、感謝しています!ありがとうございます。)

今回、練習しに壱岐島に17日間いたのに、台風の影響と風邪で、船で練習したのはたったの2回。

そして治らない体調。

大会ではとにかく、”その時”のベストを潜ればいいのに、すごく焦る自分。

・・・思い出した。
「この感覚、スキーの現役時代と同じだ。」

誰もかけていないプレッシャーを自分でかけ、体調を崩す。

何かを変えなければ、また繰り返すことを感じました。

*****
先日、ある女性とLINE話していて、その方は大きな手術をしました。
痛む傷口を我慢と気力ですぐに職場復帰されました。
その時、私は「どうか無理しないでください」と伝えたけど女性は、
「存在価値が無くなるのが怖いんですよね笑笑
早く復帰しないと!って笑
でもその方が回復も早い気がします!」
と明るく言われました。
*****

私は、なんだか少しショックと、「そんなことないのに!無理をしなくても誰でも輝ける場がこの世にはある!」って思ったけど、

数日して、それは私も一緒だったことに気がつきました。

”存在価値がなくなる怖さ”

肩書きがない私にとって、「世界選手権」「日本代表」という言葉は、魅力的でした。

そんな肩書きがあったら、存在価値になると思っていたのかもしれないし、
今の自分に存在価値がない、と思う瞬間が少しでもあったのかと思うと、
なんとも言えない気持ちになりました。

スキーを引退して無理矢理にでもニートになった時、
「肩書きではなく、裸の私で生きたい!」
って強く思ったのに、

数年経って、
「肩書きが欲しい」
になっていました。

私は肩書きのためにフリーダイビングを始めたのではない。


あの、濃い青に、無心で落ちていく。
あらゆる力みを無くして、ただ落ちる。

無心に見えて、
でも本当は”生きる”ことしか肉体は望んでないような、
不思議な感覚。

生と死が同じものに感じる海。

自由を許してくれる海。

私はやっぱり、そんな海を好きでいたい。

私が世界選手権を決めて、たくさんの人からいろんな形で愛を受け取りました。
私も、(漠然としているけど)
海へも自分へも、周りのたくさんの人にも、愛を持って潜れたらいいな。

大会のダイブ直前、ダイブ後、
どんなことを感じるのか、楽しみです。

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LINEでやりとりしてくれた女性は、
いっつも明るくて、私だったらセンシティブで言えないようなこともニコニコ話してくれて。
強いなあって。I proud of you!
早く傷口の痛みがなくなりますように。






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