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エピソード15 霊亀

15 霊亀

霊亀(れいき)は、古代中国神話に登場する
怪物の一種とされ、四霊の一つにあげられている。

中国神話では、背中の甲羅の上に
「蓬萊山(ほうらいざん)」と呼ばれる
山を背負った巨大な亀の姿をしており、
蓬莱山には不老不死となった
仙人が住むと言われている。

東洋の神話等においては、
亀は千年以上生きると強大な霊力を発揮し、
未来の吉凶を予知出来たのではないかと
言われており、霊亀もまた千年以上を生きた亀が
強大な霊力を得た事で変異・巨大化した
のではないかと言われている。

ちなみに四霊(しれい)は、
神聖なる四種の聖獣のことで、
麒麟・鳳凰・霊亀・応竜(おうりゅう)
を言います。


15 霊亀 オリジナルストーリー

霊亀(れいき)と呼ばれる亀の上、
蓬莱山のいただきで二人の仙人が
のんびりと話をしていた。

亀仙人:
鶴ちゃんひまだな~。 
この蓬莱山は一年を通していい気候だし、
たいした事件も起こらないしな~。

鶴仙人:
亀ちゃん、我らのような仙人にならなければ
ここには来られないのだから何もなくても
しかたあるまい。

亀仙人:
そ~だな~。
このところの出来事といえば浦島とかっていう若者
がワシのペットの亀の乗って迷ってここに
来ちまったのと、
かぐやとかってイケてる姉ちゃんと結婚したいって
若者が「たまのえだ」とかって聞いたことも
ないものを探しに来たくらいだな~。

鶴仙人:
どっちもそそっかしい奴らだった、
あいつら無事もとの場所に帰れたかの~。
まあ知ったことではないが。

亀仙人:
そういえば鶴ちゃん、
ワシはこの間あまりにこの土地が白いので間違って
白い虎のしっぽを踏んずけて大変な目に合ったよ。

まあ、かめはめ波で飛ばしてやったがな。

鶴仙人:
それならワシも頭の鶴のかぶり物を本物の鶴と
間違えて、大鷹が襲って来たんで、
ドドン波で丸焼きにしてやった。
けっこう焼き鳥うまかったぞ。

亀仙人:
・・・それにしてもひまだな~、  

ん、地震か?揺れているぞ

鶴仙人:
ちがうぞ亀ちゃん、
これはこの蓬莱山が沈んでるんだ!
きっと大亀のレイキがしばらくぶりに海に
潜る気だぞ、まずいこんな大海原で潜られては

亀仙人:
そういえば鶴ちゃん、お前この間船を作っていたよな
あれで逃げよう!

鶴仙人:
ダメだ、あれはお前をビックリさせようとして作った
「泥船」だ沈んでしまう。
それよりおまえ筋斗雲って持ってたよな
あれを呼べばいいじゃないか!

亀仙人:
無理だ!あれは心のきれいな者しか乗れないんだ。
ワシは無理だし、鶴ちゃんも間違いなく乗れない。

鶴仙人:
なんだとー この役立たず!

亀仙人:
そっちこそ役に立たないものばかりつくりやがって!

そうこうしているうちに大亀レイキはどんどん海に沈んでゆく。

鶴仙人:
おぼえてろよ亀仙人!必ずこのかりは返してやるからな~
ワシが無理でもワシが育てた弟子たちに恨みをはらさせるぞ~

亀仙人:
こっちこそ、
鶴仙人お前の弟子たちより強い弟子たちを育ててやるぞ~

こうして霊亀は沈んだが
仙人二人は体力自慢のこともありなんとか難を逃れた。  

......二人が次にめぐり合ったのは
世界一の武道家を決める大会であった。

しかしそれはまた別のお話

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