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エピソード91 鵺(ぬえ)

91鵺(ぬえ)

鵺(ぬえ)は、日本で伝承される妖怪である。
「平家物語」などに登場し、猿の顔、狸の胴体、虎の
手足を持ち、尾は蛇。
文献によっては胴体については何も書かれなかったり
胴が虎で描かれてい場合もある。

「平家物語」によると、鵺退治の話は以下のように述
べられている。
平安時代末期、天皇の住む御所・清涼殿に、毎晩のよ
うに黒煙と共に不気味な鳴き声が響き渡り恐怖してい
た。
遂に天皇は病の身となってしまい、薬や祈祷をもって
しても効果はなかった。
側近たちはかつて源義家が弓を鳴らして怪事をやませ
た前例に倣って、弓の達人である源頼政に怪物退治を
命じた。
頼政はある夜、家来の猪早太を連れ、先祖の源頼光よ
り受け継いだ弓「雷上動(らいしょうどう)」を手にし
て怪物退治に出向いた。
すると清涼殿を不気味な黒煙が覆い始めたので、頼政
が矢を射ると、悲鳴と共に鵺が二条城の北方あたりに
落下し、すかさず猪早太が取り押さえてとどめを差し
た。
これにより天皇の体調もたちまちにして回復し、頼政
は天皇から褒美に獅子王という刀を貰賜した。


91鵺(ぬえ) オリジナルストーリー

時は江戸時代初め、あろうことか江戸城を夜な夜な暴
れまわり城下町まで騒がせる化け物があった。

柳生八兵衛は老中に呼ばれこの化け物退治を命じられ
た。
この化け物見た者の話では、物語に出てくるかつて京
の都を騒がせた「鵺」そのものだという話だった。

その話を聞き八兵衛は京都より500年前源頼政
(みなもとのよりまさ)が鵺を退治したと言われる弓
・雷上動(らいしょうどう)を取り寄せた。

こうして八兵衛は槍や弓を持たせた鎧武者30人の討
伐隊を編制し、いつも化け物が現れる平川門で日が暮
れるのを待った。

日が沈み辺りが暗くなると、月を覆い隠すような黒い
雲が出て、その上に化け物が乗っていた。 

討伐隊よりその化け物に向けて一斉に矢を射かけると
それをかわし化け物は八兵衛達の前に飛び降りた。

八兵衛:
やっと姿を現したな化け物!お前は顔が猿、胴が狸、
脚が虎、尻尾が蛇の「鵺」という化け物であること
は...。    あれ違うな、違う。
顔は猿だが、胴はサイ、脚は象、尻尾はコブラで、
ありゃ鷹の羽までついていやがる。
どうなってるんだ。

ぬえ:
ハハハハハ、愚かな人間どもよ!ワシは500年前京
の都で侍どもに敗れ、深手を負いながらも都から逃げ
去った。
そして復讐の機会を狙っておった時、大陸から渡って
来た外法道士に会い、ワシの身体をより強固なものへ
と再生してもらい、先日の雷門に落ちた落雷で復活し
たのよ!

八兵衛:
お前はフランケンシュタインか?
しかし所詮は獣の身体だ皆の者一斉に矢を射かけるの
だ!

八兵衛の号令のもと討伐隊は化け物に向けて矢を射か
けた!
しかしサイのの身体に象の脚には矢は歯が立たなかっ
た。

ぬえ:
ハハハハハ、500年前とは違うのだよ!
今のワシは鵺ではない、進化した「鵺-X」とでも呼
んでもらおうか。ハハハハハ。

八兵衛:
それならこの弓矢はどうだ、源頼政の雷上動だ、
くらえ!

八兵衛は弓に矢をつがえ、昔と変わらない猿の顔め
がけて矢を射かけた!

ぬえ:
な、なに雷上動だと!その弓だけは苦手じゃ~!!

鵺は昔の事がトラウマとなり硬直し、八兵衛が射た
矢はみごと猿の右目に突き刺さった。

ぬえ:
おのれ~侍どもめ~、またしてもワシの事をはばむ
か~。
こうなったらこの顔も強化してもう一度リベンジし
てやるからな~。
おぼえておけ~!

そう言うと化け物は塀を乗り越え鷹の翼で飛び去ろ
うとした、・・・
・・・しかし江戸城の堀に落ちた。

八兵衛:
そりゃそうだろう。
そんな重い身体と脚にその翼じゃ支えきれんだろう
...。
あ~浮いてこねえな。こりゃ底まで沈んだな。

こうして無事、八兵衛は鵺退治をやり遂げた。

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