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虚実

それなりに長い期間、「なにか書くとしたら、scrapbox」というモードだったのだけれど、最近は、なんか、noteでもいいのかな、という感覚が蘇っている。
なにかしらの、心理的なコンディションの変化が、あったのだろう。(と、ひとごとのように観察する)

久しぶり、といえば、随分と久しぶりに赤瀬川源平「ゼロ発信」を、読んだのだった。

世界が2000年に突入したその頃に書かれたものであり、雰囲気としては「ビフォーインターネット」の空気が濃厚である。
と同時に、一見、それこそ、note的な雰囲気のするテキストである。

しかし、それはあくまで「そう見せている」だけのことであり、まったくもって、似て非なるものだ。
このテキストが表現するような、虚実織り交ぜた時間を生きてみたいし、表現してみたいと思う。しかしそれは、noteだろうが、scrapboxだろうが、私的に綴るだけのものでは果たされ得ぬもので、雑誌でもニュースメディアでも、単行本でも文庫本でもだめで、初出が新聞小説であるという一点に、その文学的価値の根拠が、存している。

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